犬の遺伝性疾患は
2007年2月現在発表されている分で481種類あります。
ヒトでは8,000とも10,000とも言われる遺伝病。
犬がヒトに比べて極端に少ないのはただ判明していないだけで
現在知られている犬の病気のほとんどがヒトにも見られることから
おそらく数的には大差ないものかもしれません。
親から子へ伝えられる遺伝子の組み合わせによって
発症する病気を遺伝病と言います。
遺伝病そのものが遺伝するのとはちょっと違うんですね。
遺伝病はとかく暗いイメージがあるもので
特別なもので、重い症状のもので、
健康な個体には無関係といった印象がありますが
劣性遺伝形質は多数存在しますので、
誰でも数種類の遺伝子変異を持っていることになります。
たとえばヒトの場合は自分に遺伝病がないということは、
父親が母親と同じ遺伝子変異を偶然持っていなかったか
持っていても 3/4 の確率で発症しなかった、と言うことです。
グルテン過敏性腸症という病気があります。
犬では単一遺伝子で、常染色体劣性(隔世遺伝するタイプです)、
ヒトでも同じ病気があります。
簡単に言うと小麦に含まれるたんぱく質に対する過敏性で
ヒトの臨床症状では
セリアック病で検索すると良いでしょう。
こちらでもわかりやすく説明されています。
小麦アレルギーのヒドイもので遺伝で持たされるもの、
とご理解いただけたでしょうか。とりあえずそれでOKです。
リンク先を読んでわかる通り、症状には個体差があります。
これは風邪をひいても人によって咽だったり咳だったりするのと一緒で
(本当は一緒じゃないですが・・^^;)
この劣性遺伝子を2個持つ(ホモと言います) ある子犬は
産まれた時も授乳中も元気一杯で順調に体重も増えるのですが
ドッグフードの離乳食を食べ始めるととたんに成長が悪くなります。
またある子犬は離乳食もモリモリ食べて元気一杯に育ちますが
新しい家庭にもらわれて半年を過ぎた頃に急に下痢がちになり
食が細くなり、いろんな検査をしますが原因不明と言われます。
別のある子犬は性成熟をした頃パピーフードから成犬用に切り替えたとたん
皮膚に発疹が出て検査をすると小麦アレルギーと言われたりします。
その頃にお散歩も好きじゃなくなるかもしれません。
でもそれは病院で嫌な思いをしたせい、ストレスのせい・・
だなんて考えてしまうかもしれません。
小型犬であれば無理に戸外で運動をしなくても、
多くの人はあまり不思議にも思わないかもしれません。
そして飼い主の希望通りに“お嫁さん”と出会い、その遺伝子を子に伝えます。
自称ブリーダーの飼育施設で暮らしている犬の中にもこれらはいます。
ある繁殖犬は一日の大半を犬舎内で過ごし、ほんの数時間だけ
屋外の運動場に出される暮らしをしているとします。
食餌時には他の犬と同じようにガツガツと嬉しそうに食べます。
運動場では皆のように走り回ったりはせず、
いつものんびり歩いて探索をしているかもしれません。
その様子を見てたいていは“おとなしい子”と思われます。
本当は具合が悪いから長いこと動き続けられないだけかもしれません。
そして時期がきたら“介助”という名の元に交配をさせられて
その遺伝子を子に伝えます。
これだからいつまで経っても遺伝性疾患は無くなりません。
ある日産まれた子犬は先祖よりもさらに重い症状かもしれません。
貧血を起こしてしょっちゅう失神してしまったり、
ちょっとした段差で何度も骨折をしたり。
そんな子犬はたいてい“小ぶり”で高値で売買されます。
これはほんのひとつの例えですが
遺伝病って、そんな感じのものも多くあるんです。
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