2011年11月30日

犬の胃捻転は遺伝病である

テレビ東京の人気番組ポチたまの旅犬だいすけくんが昨日亡くなった。
公式サイトの発表によると11月29日未明に異変が起こっていることに気付き、
動物病院でレントゲンを撮影した結果「胃捻転」と診断され、
緊急手術の甲斐なく同日午前9時過ぎに息を引き取ったとのこと。
6歳の若さである。

この病気の本名、胃拡張捻転症候群 Gastric dilatation volvulus と呼ぶとおり、
なんらかの原因によって胃内部の動きが弱く(悪く)なった時に、
通常なら問題なく上(ゲップ)や下(腸内へ)に移動するはずの空気が逃げ場を失う。
というのがそもそもの症状。
英語の病名で調べていると、下部食道括約筋の機能不全とか
上部食道括約筋の圧のトラブルが関連するとかの文章に出会うこともあるが
細かいメカニズムは胃拡張捻転症候群を起こしている最中の犬と一生その症状が出ない犬を
それぞれ最低でも数十頭ずつ病理学的検査とかしなければわからんのではとシロートは思う。

まあそれはいいとして逃げ場を失った空気によってまずは胃が拡張する。
体のどの部分も基本的に同じだが、もともと胃袋が収まっている場所はスペースが決まっているため
限られたスペース内で膨らむと当然ながら形がいびつになる。
拡張(膨れ)が進むと胃のくびれ(小彎)の部分がぎゅうっとくっつき
幽門(腸とつながってるところ)が噴門(食道と)にくっつくようになり
まん丸を過ぎれば本当にぐんにゃりねじれてしまって、、と文章だけではなにがなんだか。
なので胃拡張の図解を探してて見つけたあいの動物病院さま
※手術中の内臓の写真がありますので苦手な方はクリックしないでください※
胃捻転の病態生理
http://www.aino-hospital.com/cgi-bin/aino-hospital-treatment1/sitemaker.cgi?mode=page&page=page5&category=0

ちなみに犬の胃の位置はこうなのでヒトの解剖図とまあ同じ。赤い部分が胃ね。久々の炸裂画伯。
胃.JPG

ねじれるのはなぜか?膨らむから。
膨らむのはなぜか?体型(胸の深い犬がリスクが高い)や食べ物の内容や早食いや加齢や食後の安静を怠ること、
ではない。
それらは発症の引き金の一つになる可能性があるというだけ。
股関節形成不全や膝蓋骨脱臼などの遺伝性の関節疾患の原因がフローリングでないのと同じく、
原因のほとんどは遺伝にある。





ここらで参考サイトをご紹介。
英文ですがリンク先も情報がいっぱいのワタクシ御用達サイト OMIA
http://omia.angis.org.au/OMIA000404/9615/

日本語で一般人にもわかりやすいマーブル動物医療センターさま
犬の胃拡張・捻転症候群(GDV)/2005年10月26日号
http://www.mvcj.com/news/20051026.htm

ワタクシは旅犬だいすけくんを国民的アイドルだと思っている。
彼の早すぎる死を悼む気持ちはだいすけファンの皆様と同じつもりだ。
ただ、初代国民的アイドル犬だっただいすけくんの父犬まさおくんも7歳という若い年齢でこの世から旅立っている。
だいすけくんは番組内で公募した『お嫁さん犬』とまさおくんの間に生まれた、素人繁殖の子だ。
彼らの個性は素晴らしいものだったし、最高に面白い犬たちだったのは間違いない。
まさお・だいすけ父子には一点の曇りも落ち度も無いが、
彼らの繁殖に関わった人間たちがラブラドールレトリバーの繁殖を知らなかったのが残念でしようがない。
そして彼らのためにも、番組関係者らへはセンター引き出しの保護犬を三代目に強く推薦する。



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2011年11月28日

犬の避妊去勢認識違い どんだけ

最近の検索ワードより

・去勢手術の弊害を公にしないわけ

獣医学会と政界の黒幕に癒着があるとかそんな感じの記述を期待してのワードでしょうか?(笑
ごめんなさい、これはさすがに大爆笑でした。
そもそも弊害ってなに(笑
おおやけにしないって一体どんな悪事が隠されていると(爆
ねえ、それほとんど100%思い込み誤解じゃないっすか?

・犬 去勢 毛 皮膚病

オス犬に去勢手術をした後に、それまで立派だった毛並みの質が一旦落ちることはたまにあります。
症状としてはある一部分の範囲内で全体的に抜け毛の量が増え、
ダブルコートの犬なら上毛がそっくり抜け落ちてポヤポヤの下毛だけの時期が数ヶ月、
場所は主に首周りや胸毛にそういうことが起きる、
去勢後脱毛→せいぜい半年程度で去勢前の状態に回復→回復後は変化なし
なパターンが基本的。

ただし長毛・短毛に関わらず「まったく変化のない犬」が多数存在することに注目すれば、
数値が目に見えない個体の体質的な問題だろうとしか考えられない。
一時的に毛が減ったこと自体を去勢のデメリットと言うのは簡単だが案外と子ども騙し。
メスは避妊手術しなくても発情後期に抜け毛が多いのが普通なのであまり問題にされないようだ。
てかオスメスとも不妊手術のせいだけで皮膚病になるとかあり得ませんから

・避妊手術後の性格が変わる

変わらんて

・オス 去勢したら発情しない

発情するオスも交尾にいたるオスもいっぱいいる。
未去勢期間が長かったり去勢前に交尾経験(失敗も含めて)があったりしたら余計。
吠えとか咬みとかマーキングとか他犬との諍い問題なんかもそうだけどさぁ、
問題行動のすべてが解決される便利な手段が去勢・・みたいなのはあまりにもお手軽を求めすぎじゃん。
いわゆる避妊去勢反対派の人がよくそれで怒ってるね。(たとえ愛犬に咬まれても愛があるなら我慢せぃ的な勘違いもあるけど)

・エストロゲン反応性尿失禁、去勢反応性皮膚炎

前にも書いたけど勘違いしやすいだろうとは思う。
でも避妊手術によりエストロゲンが減少したせいで尿失禁が起こるのではなく
尿失禁が起きた犬にエストロゲン(女性ホルモンの成分)を投与すると症状が治まる状態で、
複数回の検査でバイ菌や腎臓らへんの病気が原因ではない場合に試して初めてわかるもの。
しかも避妊手術をしたメスの全部が罹るわけではないし(罹らないメスが圧倒的に多い)、
発症には犬種差があるし、、と来たら遺伝的な体質なんかの問題でしかないでしょうが。

去勢反応性も同じこと。去勢手術に反応して皮膚炎が治まるという意味。
犬の去勢手術でポヤ毛になることはある、でも皮膚炎にはならん。
去勢後に皮膚炎になったってのはまずだいたい誤診でしょ?

有名どころのサイト検証
去勢されたことで病的な脱毛が起こったポメラニアンは
http://www.pet-skin.com/03kyosei-0.htm
同サイト内の 偽クッシング症候群 の症例6の犬と同一犬みたい
http://www.pet-skin.com/15aacp.htm
そしてその「症例6」のリンク先
再発性偽クッシング症候群の治療 症例6
(別名:成長ホルモン不全症・ アロペシアX・ ポメラニアン脱毛症)
http://www.pet-skin.com/15aacp/15aacp_06ryu.htm

???
あらやだおんなじ子?

とりあえず大事なことを一つ。
成長ホルモン不全症(とはあまり言わない。言うなら成長ホルモン反応性脱毛症)とアロペシアXとポメはげは同じ。
長らく原因不明だったからか、他にも呼び名があって黒肌病、偽クッシング病、濾胞性異形成、コートファンク、ポストクリッピング脱毛、シベリアンハスキーの生検応答脱毛症、副腎ホルモン性脱毛・・いろいろ。
ワタクシはつづりが覚えやすいのでアロペシアXと呼んでますが、とにかく、
アロペシアXは遺伝性疾患です



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