2014年01月23日

Eシリーズのe 後編


前の記事の続きで毛色遺伝子の e のお話。

犬の毛色(色素)遺伝子には優性遺伝するものと劣性遺伝するものがあり、
基本的には言葉の意味のとおりに親から子へと遺伝します。
遺伝とは親に似ているとか親と同じという意味ではなく
遺伝情報が親から子へ伝えられる事実を指しています。
白い子犬と黒い子犬が黒い親犬同士から生まれたら、どちらも親からの遺伝で誕生した、ってこと。
「優性」「劣性」という言葉と同様に思い違いしている人がけっこう多いです。
なんとブリーダーさんにも大勢います。

以前、年間100頭超の子犬を生産販売している自称プロブリーダーが、
子犬の顔が親犬のどちらにも似てないのは親からいろんなものが遺伝しなかったからだ!
と言い切った時もワタクシはカツゲンを吹いちゃいました(カツゲンいつも飲んでます)。
その自称プロさんは臍の緒の上手な切断処理に定評のある方でした(やっぱり)。
世の中そんなもんです。

えー、Eシリーズ最強説。
ブラックタンの犬を思い浮かべてください。犬種はなんでもいいです。
黒柴、ダックス、キャバリア、ちわわ、ミニピン、ポメ、プードル(ファントム)、
チワックスでもヨーチーでもマルシーズとかの一代雑種でも大丈夫です。
ワタクシはドーベルマンが浮かびました(耳は垂れてるほうが好きなんですが)。
atat dobie.jpg


ブラックタンはAシリーズがat/at、BシリーズはB/*、Cは今回無視してDシリーズはD/*、
そして重要なEシリーズはEM/*かE/*でKシリーズがky/ky。

at/at,B/*,D/*,EM or E/*,ky/ky
ってのが見た目でわかる「ブラックタンの犬」の色素遺伝子でして、
EシリーズはEMかEのどちらか1つがあることは間違いなく、EM/EMかEM/EかEM/eかE/EかE/eのどれか。
なぜなら、もしe/eだったらユーメラニンが制限されてフェオメラニンの一人舞台になる、
こんなふうに。
ee dobie.JPG

(ふざけてませんよ。真面目に塗りつぶしました)

Eシリーズがe/eな犬は一般的に「クリアレッド」と呼びます。
ワタクシはe-レッドと書いてイーレッドと呼んでay/ayのレッドと区別することもあります。
混ざり物のない、純粋な、Clear Red 、
ユーメラニンを制御したので毛先や差し毛が黒かったりしない赤。
赤ってか茶なんですけどね。
レッドとブラックタンが両方スタンダードカラーな犬種にはたいていe-レッドがいるみたい。
ミニピン、ダックス、キャバリア、ポメやちわわ、コリーやシェルティ、実はパピヨンとコーギーも。

優性ブラックKBはAシリーズの黒と茶の配分がどうであろうと真っ黒に塗りつぶし、
Eシリーズの最劣性e/eはその真っ黒を茶色に塗りつぶし返すんですよ。最強じゃね?
あ、SシリーズとMシリーズはさらにその上を行く形ですが、白斑とマールはどちらかと言うと柄物、
ユーメラニンとフェオメラニンを入れ替えるような働きはしないです。




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posted by あきこ at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Eシリーズのe 前編


昨日の記事の続きでEシリーズの劣性遺伝子 e について。

Eシリーズの対立遺伝子は4種類、優先度もこの順です。

EM  メラニティクマスク(ブラックマスク)
EG  グリズル(今のところアフガンハウンドとサルーキのみ特殊作用)
E   ユーメラニンの拡張(不完全優性)
e   ユーメラニンの制限

リトル博士がExtension座と呼び犬の毛色遺伝子の中で最も重要と考えていたEシリーズ。
なぜなら彼はKシリーズがあるとは思っていなかったので、各遺伝子座がそれぞれ表現してるのに、
E/EかE/eの犬とe/eの犬ではユーメラニンとフェオメラニンがひっくり返るだなんて、
驚くとともに「これだから遺伝は面白いんだ」と感じた・・かもしれませんすいません妄想でした。

さて、Eシリーズの原因遺伝子はメラノコルチンレセプターのサブタイプの1番、MC1Rだそうです。
レセプターは受容体、メラノコルチンとはメラノサイト刺激ホルモンと副腎皮質刺激ホルモンの総称、
色素のほかに体温や循環系や免疫機能の制御や調節にもざっと関わっていて、
犬は5番染色体、ヒトは2番染色体、マウスは12番染色体に位置するとゆー、
いろんな生き物の体内で多様な作用をになっているたんぱく質らしいです。

MC1Rが関連する毛色は馬とハムスターでもよく知られていて、
ゴールデンハムスターでは野生型E/Eに対し、e/eはキンクマと呼ぶ黒目のクリーム毛色、
馬では栗毛遺伝子ホモ接合型が栗毛、栗毛遺伝子2コにクリーム遺伝子1コでパロミノ(2コで佐目毛)と、
犬のe/eと同じようにユーメラニンを制御するように働くようです。

キンクマ(写真はウィキより)
escription


栗毛(写真はウィキより)
解説English: Hessian Warmblood Deutsch: Hessisches Warmblut 日付2011年2月13日原典投稿者自身による作品作者Krypt


パロミノ(写真はウィキより)
解説	 English:


ユーメラニンを制御してしまう、つまり黒毛の発現を抑えて代わりにもう一つのメラニンを出す。
毛色部分の黒が抑えられちゃってほとんどありません。茶〜黄〜クリーム色のフェオメラニンばかり。
他のシリーズで決定されたユーメラニンをフェオメラニンに変更するのが e の仕事で、
劣性遺伝子なのでホモ接合(2コ揃うこと)でなければ表に出ない。

e/e犬の有名どころ4犬種も並べてみましょう。
いい夢見ろよ ゴル色またはゴールド
ee gol.jpg

ヨ、ヨダレヨダレ! アイリッシュセッター色またはレッド
ee Isetter.jpg

にょーん ビズラ色またはレッド
ee Vizsla.jpg

ちらっ イエロー(ひねりがなくてごめんよラブちゃん)
ee lab.jpg


これら4種は犬種によって(他の毛色遺伝子によって)濃淡の違いはあるけど基本的にみんな茶色系で、
ユーメラニンが限りなく抑制されていることがよくわかります。
え?わかんない?
じゃあ、この4犬種のEシリーズの特徴をあげてみましょっか。

ひげや眉毛は真っ黒かもしれませんが、体には黒い色の差し毛がほとんどありません。
e/eの遺伝子配列を持つ犬は色素ポイントが生涯を通して真っ黒ではなく、
生まれたてはピンク色の鼻をしていて数日から数週間でいったん黒い鼻になり、
その後だいたい年齢とともに鼻の色素が中央から抜けてゆきます。

成犬のパッド(肉球)は一見黒く見えますが毛をかき分けてよく見ると地面に着く部分は黒っぽくても、
パッドの付け根は肉が柔らかく色も薄めで使い込んだ部分だけが黒ずんでいるような印象です。
くちびる(ゴムパッキン部位)の色も鼻と同様に年齢とともに色抜けすることはありますが、
ほとんどのe/e犬の目のふちと爪は一生のうちの色合いがあまり変わらず「真っ黒ではない」色調です。

そろそろ寝なきゃ。
また明日ー。





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posted by あきこ at 03:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする