2011年01月08日

犬の不妊処置 手術済みのご意見

犬の避妊去勢(不妊処置)についてのアンケートからです。
手術をしない理由をどうぞ教えてくださいといった意味で設置しました。
なぜなら大半は知識のすれ違いといいますか
もっと簡単にいえば多くが誤解だからです。

現在の結果は「すでに手術済みだ」が51.5%、
「わからなくて悩んでいる」が9.9%、
なんらかの理由を選んで「しない」とのお答えが38.6%。

さて、しない理由への誤解を解くという意味でワタクシの見解を述べる前に、
すでに不妊処置を済ませた飼い主さんのご意見をちょっと拾ってみました。
いちいちレス形式にしているように見えるかもですが、
独創性にまるで欠けるワタクシの発言のきっかけのためにお借りしたまでです。


: アメリカの学会で避妊去勢した方が長生きと発表があったそうです。 (女性)

「発表があったそうだ」の段階で精査せずに決断してしまうと、
万が一手術が失敗に終わったとき「アメリカの学会」を恨みたくなりませんか?
ワタクシは不妊処置をするかしないかで迷うくらいなら
まずはとっとと済ませてから考えを広げろとは思いますが、
こういうご意見には賛成しかねます。

避妊去勢した方が長生きしますよもちろん。
木の芽時の脱走が減ることで事故に遭う確率が下がり
過度なテリトリー意識が薄らぐことで諍いが減り
性ホルモン由来の病気の発生率は格段に下がりますし。
具体的な数字が非常に出にくいことなので信憑性に欠けると思われがちですが、
平均的な寿命が延びるであろうことは獣医学会に頼るまでもないです。

: 保護犬ダックスメス2歳 (女性/50代/神奈川)

愛犬が保護犬だったから、ということかな?
愛護団体経由であればそこで手術済みだったということも多いですね。
それを残念がる人間は案外と多いもので、
不妊処置問題はけっこうレスキューの足を引っ張ります。

: 言葉は悪いですが、「ヤリたくてしょうがないっ!」という状態が続くほうが精神的にかわいそう。 (女性/30代/神奈川)

そういうことですね。本当に可哀想。
あ、たとえば不妊手術時の麻酔が怖いってよく聞きますが
何らかの手術ミスで回復が遅れた場合「カワイソウで涙が止まりません」
系の応援レスをわりとしょっちゅう見かけます。
じゃあ「ヤリたくてしょうがないっ!」にも涙を流せよ
と考えたりつい言ったりしてしまうワタクシもそこそこカワイソウです。攻撃されて(爆

: 悩んだ末に決断しました。 (女性/30代/北海道)

おつかれさまです。

: 一般の人は、避妊・去勢するほうがいいと思います。 (女性/40代)

しなくてはならないと言ったほうが色々な意味で正解ですが
もっと正解なのは「一般の人は」の部分が間違いで
「スタンダードからはずれすぎた犬は」に代表される「ブリーディング個体以外は」
避妊・去勢してあげなきゃ可哀想ですねぇ、です。

: 自分が飼えるペットの頭数限界を知ってるから。 (男性/30代/神奈川)

一見すばらしいお覚悟ですが限界になるまで殖やすのは可、なんでしょうか。
もしそうだったら間違いですと言わざるを得ません。

: 不幸な犬が多すぎます。また長生きになってきて病気の予防だともいいますので賛成派です。 (女性/60代/東京)

不幸な犬・・貰い手がないばかりに殺されている犬や
遺伝病で不便を強いられたり苦しんだりさせられている犬や
出産マシーンと化して一生涯不当に扱われる犬なんかでしょうか。
不幸な犬は元々幸せな繁殖で誕生したはずなんですよね。

: 毎日たくさん仔犬が処分に持ち込まれているのを見ています。手術しないのは虐待だと思います。 (女性/40代)

仰る通りです。

: 手術しておけばならずにすんだかもしれない病気の手術にいくつも立ち会ったので (女性)

メスの子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、オスの会陰ヘルニアや肛門周囲腺腫が有名どころ。
あとメスは卵巣腫瘍オスには精巣腫瘍や前立腺肥大。
このうち乳腺腫瘍・会陰ヘルニア・肛門周囲腺腫・精巣腫瘍は遺伝性疾患と判明しています。
(たぶん他の病気も遺伝的な背景が原因の一つだろうとは思いますが)

生殖器・性ホルモン由来の病気予防をメリットに掲げる意見に対し、
「うちのメス犬は18歳ですが乳腺腫瘍なんか一度もなってません」
的な反論?が出る場合があります。
その犬は乳腺腫瘍を起こす因子が少ないとか持たないとかそういう体質であるだけで
実はまったくアドバイスにはならないという豆知識。

: ♂と♀の二頭を飼っていますが、どちらも仔犬のときに手術を受けて正解でした! (女性/40代/大阪)

最近は生後6ヶ月が手術可能時期の目安という獣医師の意見を見かけるようになってきました。

: 乳腺腫瘍の再発防止で避妊。摘出した子宮に病気が見つかりました。

子宮蓄膿症はやや重症にならないと病状がわかりにくいですね。
上にも書いたけど乳腺腫瘍は遺伝性疾患なので血縁犬に知らせてあげてね。

: 今の子もうまれてきたものの、いらないのか里子に出された子です。こんな子は増やしたくありません。 (女性/30代/北海道)

そういうことです。
ただ、「里子」に出された犬だからこそ家族を持たせて幸せにしてやりたい(はぁと)
的な方がけっこういらっしゃって残念に思います。

: 避妊去勢賛成派(爆)病気、特に雌に起こる生殖器の疾患を考えれば、手術を行った方が良いのです。 (男性/50代/千葉)

子宮蓄膿症は発見が遅れたり放置すると死ぬしかないし、
乳腺腫瘍がいったん発生すると50%は悪性だそうで、なんでしょうが。
不妊手術をおこなったほうが良いご意見には全面同意でも、
病気予防のために手術をするのだという考えは間違い。




 北陸わんのため よろしくです
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posted by あきこ at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 不妊処置−避妊と去勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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