2011年01月19日

遺伝子検査ができるということは

その病気(形質・体質)は犬の遺伝性疾患にほかならない、という証明だ。
犬種名があがっているが、あくまでも「この犬種は検査方法が確立しています」だ。
決して他の犬種はこの病気にかからない、犬の遺伝病は犬種によって罹るものと罹らないものがある、
ではない←ココすごく重要

繁殖者は犬の遺伝病の病名と症状を知っていなければならないし
もし獣医師がもっと簡単に病名を省略して説明したとしても見破らなければならない。
たとえば獣医師は「心臓病です」とは言うけど「催不整脈性右室心筋症」なんて滅多に言わないから。
たった一犬種でも遺伝子検査が存在するということをブリーダーが無視してはいけない。

ポメのレッグペルテスの記事にちらっと載せた
ちなみに「現在利用可能なDNA検査の対象疾患と犬種」はこちら。
http://www.offa.org/dna_alltest.html
の病名の翻訳。AからFまで。

Arrhythmogenic Right Ventricular Cardiomyopathy
不整脈原(源)性右室心筋症、催不整脈性右室心筋症
(心拍リズム(脈拍)が不規則なことによる右室拡大・心筋の脂肪変性、発作、若年での突然死)
(てんかんとは全く違うのに発作というだけでよく誤解されていると感じられる。5歳前後の元気なボクサーが突然死ぬのはこういう理由もある)
病状把握用心臓病と卯建(うだつ)のホームページ様(ヒト用)より不整脈原性右室心筋症http://www.udatsu.vs1.jp/ARVC.htm
ボクサー

Canine Leukocyte Adhesion Deficiency (CLAD)
イヌ白血球粘着不全症
(白血球表面上の粘着分子の欠損を原因とする白血球機能異常症。白血球数の増加、好中球の左方移動、易感染性・早期死亡)
Iセッター、R&Wセッター

Canine Multifocal Retinopathy (CMR)
イヌ多発性網膜症
(網膜症とは網膜内の血の流れが悪くなること。症状に気付きにくいこともあって犬では失明率高し)
マスチフ、ブルマスチフ、ピレネーズ、ポルドーマスチフ、コットンデツレアル

Centro Nuclear Myopathy (CNM)
中心核ミオパチー
(ミオチュブラーミオパチー(myotubular myopathy)ともとも呼ばれる先天性ミオパチー。
ミオパチーは筋力低下を伴う筋原性疾患の総称。子犬期から発症する型は高口蓋-口蓋の中央線部分が下側に盛り上がっている-
と股関節その他関節形成不全を伴う。成犬発症型もあるようだ)
ラブ

Cerebellar Ataxia
小脳性運動失調
(斜頚、眼震、頭部の細かい震え、歩幅が広い、飲食がヘタ)
イタリアンスピノーネ

Ceroid Lipofuscinosis
セロイドリポフスチン症、CL症
(重度ライソゾーム疾患。一般的に2歳前後で死亡。「ごえもん CL病」で検索してください)
ボーダーコリー

Cobalamin Malabsorption
コバラミン吸着障害
(ビタミンB12欠乏症。常に大きな赤血球や異常な細胞核を有する白血球が特徴的な悪性貧血)
Gシュナ

Collie Eye Anomaly
コリーアイ
(視力が徐々に落ちるが犬はその都度周囲に対応していくので気付きにくい。重度の場合は網膜はく離を起こし失明に至る。
遺伝子診断以外では生後2ヶ月前後に専門の検査をして診断できる)
オゥシー、ボーダーコリー、コリー、ノバスコシア、シェルティー

Cone Degeneration
網膜錐体変性症
(進行性の夜盲、視野狭窄、視力低下。若年性白内障や緑内障を併発するケースも多い。眼底色素沈着、視神経の萎縮が見られることもある)
(cone-コーン-錐体(すいたい)は明るい所で色を見分ける円錐状の視細胞。
暗い場所では色を識別できない。rod-ロッド-杆体(かんたい)は暗い場所で明暗を感じる棒状の視細胞。
ヒトの場合明るい場所から暗いところに入った時にものが見えるようになるまで時間がかかるが、
この時にコーンとロッドの切り替えが起きている。)
GSポインター

Cone Rod Dystrophy
杆体錐体ジストロフィー
(夜盲と視野狭窄、羞明-極端に眩しがる-を経て失明状態に近くなる網膜色素変性症。白内障合併多し)
グレンオブイマールテリア

Congenital Stationary Night Blindness (CSNB)
先天性停在性夜盲症
(杆体の欠損・異常。夜盲の期間が早くから始まり、成犬以降に失明にいたることもあるが錐体に異変が起きなければ夜目がきかないだけとなる)
ブリアード

Congenital Hypothyroidism with Goiter (CHG)
甲状腺腫を伴う先天性甲状腺機能低下症
(出生前から甲状腺の硬い腫大、腫大化すると気管のズレから呼吸障害や嚥下障害。甲状腺ホルモンには異常がないことが多い)
トイフォックステリア

Copper Toxicosis
銅蓄積症、ウィルソン病
(低食欲、大人しい、散歩が苦手(歩行障害)、発熱、黄疸、肝機能障害(GOT・GPT・ビリルビンなどの上昇)、
肝腫大、脾腫大、腹水、浮腫、目の色の変化、溶血性貧血、血尿、関節障害)
ベドリントンテリア

Cystinuria
シスチン尿症
(再吸収されなければならないシスチンというたんぱく質が尿に出てしまうことによって結石が作られる。
尿のphは異なるが、ストルバイト結石を併発することもあり、ストルバイトの治療がうまく進まない時は疑える。
ホモ接合の場合は結石となるが、ヘテロでは結石は形成されないが通常より多いシスチンが排出されている)
ニューファン

Degenerative Myelopathy
変性ミエロパチー
(ゆっくり徐々に後足の麻痺が進行する退行性脊髄症。ミエロパチーは脊髄の圧迫等による脊髄機能障害)
バーニーズ、Gシェパード、ゴル、ピレネーズ、シェルティー、ワイア、他

Dialated Cardiomyopathy
拡張型心筋症
(心室拡張と収縮力低下を伴う重篤な心筋病変。犬の心臓手術は今現在一般的ではないのだから、
重い心臓病の犬は様々な制限を感じながら早く死ぬと決まっている)
ドーベルマン

Exercise Induced Collapse
運動誘発性虚脱
(生後5ヶ月〜3歳くらいまでに発症のケースが多い激しい運動後発熱、下半身の虚脱、痙攣。まれに死亡)
ラブ、ペンコギ、GWポインター、他

Factor VII Deficiency
第7因子欠乏症
(安定因子欠乏症。血液中の凝固因子の先天的な欠乏(こういった病気の代表例は血友病))
ビーグル、Gシュナ、他

Factor XI Deficiency
第11因子欠乏症
(PTA因子欠乏症。外傷や抜歯、外科手術後の出血過多)
ケリープルーテリア

Fanconi Syndrome
ファンコニ症候群
(発育不全、多飲多尿、くる病、骨軟化症、筋力低下。腎近位尿細管の障害による糖尿、リン酸尿、汎アミノ酸尿、HCO3の喪失(尿中漏出症)。
シスチン尿症の他ウィルソン病や糖原病を合併することもある。
またシスチン尿症が原因でファンコニー症候群が発生する場合は成長遅延と網膜に斑状の色素脱失があり
進行性腎不全で早期死亡となりやすい)

Fucosidosis
フコシドーシス
(ライソゾーム疾患。フコシダーゼの欠損で生じる常染色体劣性遺伝病で、糖タンパクの代謝異常によりオリゴ糖が体内に蓄積することで発症)
Eスプリンガースパニエル


ちょっとラクしようとして犬種名は縮めちゃいました。
昨日も今日もぽちっとなプリーズ

年と共にだんだん眩しがる子は要注意なのよー





posted by あきこ at 16:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すみません、また来ました。
シュナの高リポたんぱく血症は最近よく言われますが、犬種好発の病気(と言うことはシュナめんぽうも??)はやはり、遺伝性なのかな??わけわからなくなってきました。いや、もともとわからないのですけど。
レトリーバーの腫瘍とかもなのかな??読み飛ばしてたらすみません。しかし、やはり遺伝疾患出た場合は、血統の公表が義務ですよね。でないと、なにもよくならない。リッキーの股関節形成不全とパテラの恐ろしげな手術聞いたら、よけい思いました。大学病院だから研究要素もかなり入ってた気はする。股関節に関しては。もっと若い時(たぶん半年くらい)に受けの部分????の位置を変えれば、関節置き換えとか、骨頭切除とかしなくてよかったらしい(しないけど)です。それには遅すぎでて言われました。でも獣医師の預かり親の所へいったのが半年だから、そのとき専門の整形に診てもらえば完治してたかも知れないと思うと、複雑です。N動物整形外科病院と懇意らしいののに。。。
シュナは特発性癲癇とか、代謝異常による病気や癲癇も多い気がします。
Posted by ちえ at 2011年02月03日 20:59
●ちえさん●
高リポ蛋白血症は英語でHyperlipoproteinaemiaと言います。
原因遺伝子は不明ですが遺伝性疾患ですよ。OMIAの#245です。
シュナウザー面皰症候群はComedo syndrome
#99、やっぱり遺伝子不明です。
レトリーバーの腫瘍も「よく見られる」ものはフツーに遺伝と考えられます。
遺伝性疾患としてリストに載っている腫瘍は
OMIAではまだ8つかそこらですが
全犬種で有名どころは肛門線維腫と乳腺腫瘍です。
そのうちシュナの好発遺伝性疾患も書きますねー。

>遺伝疾患出た場合は血統の公表が義務

ちょっとおしいです。血統は常時公開されているのが正常な状態なので。
飼い主側が遺伝性疾患を特別視して「出た(重度発症に限り?)場合は」
とすると、遺伝に関して飼い主側と同程度の知識でいる多くの繁殖者も
「出た場合に何とかするもの」となりがちで、現に今はそういう状況。

ちえさん、JKCのスタッドブックを入手するべきですよ。
表面的な情報は何十年も前からずらーっと常に公開されてますから。
会員じゃないと買えないかもしれません。
Posted by あきこ at 2011年02月04日 02:05
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