あるところにそれはそれはカワイイ犬がいました。
犬はおとなしくて利口なメスで、飼い主さんに大切に育てられて大きくなりました。
犬の名前はこた子(仮名)と言いました。
こた子イメージ図
こた子が年頃になってくると、ご近所の犬飼いさんに声をかけられることが多くなります。
「すっごくカワイくておとなしいこた子ちゃんの子犬なら育ててみたいわぁ」
「こた子ちゃんみたいな珍しい毛色は貴重よねぇ」
「え?お父さん犬がチャンピオン?それは血を残すべきよぉ」
こた子自身がすごく良い性質で健康でなによりも美人で、
毛の色も珍しいし父犬はチャンピオンなのです。
飼い主さんはもちろん愛情がたっぷりだし経済的にも余裕のあるご家庭。
子犬が生まれる前に本気で飼ってくれる人をまず探そうとしましたが、
その前にこた子が「出産に耐えうるかどうか」を調べるのが先だと思い直しました。
そして獣医さんに尋ねます。「この子は出産できるでしょうか?」
おりこうなこた子ちゃんに聴診器をあてて体の表面を軽く触診した獣医さんは太鼓判を押します。
「何が起こるかわからないのが犬のお産ですが、異常はないので妊娠出産に不利な体型ではありません」
次にブリーダーさんにも尋ねます。「この子に出産させたいのですが」
「父方の血統が特に良く父犬はチャンピオン、この子自身も美人だからぜひ産ませてあげるといいですよ」
飼い主さんは身体的に問題が少なさそうな診断結果でまず安心し、
父犬の良い血統を継続させるのも飼い主の使命とブリーダーさんに勧められつつ、
しかしそれほど良い血統ならばこた子の兄弟姉妹もたくさんいるのではとも思いました。
素人の繁殖はあまりよくないと聞いた気がしたから、本当によくないのであれば、
一般家庭で自分が行わずに同じ血統の犬と暮らすブリーダーさんたちに任せた方がよいかもしれないと。
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そんなわけで真剣にお悩み中の飼い主さんと話をする機会があり、
「愛犬の子は見たい・育てたいけれど乱繁殖はしたくない」と思われていたため、
乱繁殖とはこういうものですよというお話を先にしました。
ブリーダーを名乗るだけなら一切の制限が無いので自称は自由だからその人はブリーダーなのだろう。
ただし犬のブリーダーとはいくつかの目的を持って犬の繁殖を実施する人のことで、
その目的もやり方も人それぞれ別の考えを持つものだが、
犬種スタンダードで失格扱いになる毛色の個体を高値で売った後、良血統だから出産させろとは、
少なくとも、そんなことは、ぜったいに、言わない&勧めない。
犬の毛色は健康面に関わるのにそうと知らず健全性をおろそかにしていると告白したようなものだ。
つまりそのブリーダーはブリーダー業=生ませた子犬を売る商売をする犬の繁殖・販売業者だ。
育種、本来の意味でのブリーディングはしていない、できていない。
そういうタイプのブリーダーに犬の繁殖の相談をしても、なんのアドバイスももらえない。
だって元々性質に難のある犬を繁殖させないとか体質や遺伝病をぜんぜん考慮していないから。
だからお客さんに聞かれてもわからないのでだいたい以下のようなことを言う。
・完璧な生き物なんていない、病気をする時はするしない時はしない
・長く繁殖をしているが変な病気は出ていない
・100頭以上の子犬を売っても遺伝病のクレームは入っていない
・遺伝だ遺伝だと貶される犬の気持ちを考えてあげたい
・どんな病気でも飼い主さんの愛情が一番の薬
・人間だって臓器が無いとイヤでしょ。犬だって同じだから病気予防なんかで子宮は取らないであげて
・メスが妊娠できるってことは出産する能力があるってこと
・子犬が生まれるのは生き物の本能でだし自然の摂理
・パテラは遺伝じゃない、何百頭も育てればわかるけど獣医さんは「見る」だけだから間違う
・(親犬と違う形質はほぼすべて)突然変異
たまたまこの時の飼い主さんは、
ただ単に業者をブリーダーと信じている段階だってことにご自分で気づかれましたが、
自称するブリーダーご本人は自分が乱繁殖をしているなんて夢にも思わず。
ワタクシの話の持って行き方がマズイのはそりゃそうなんですけどね、
この例の飼い主さんのように、自分の疑問に対する別方面の意見で「ああなるほど」
と言ってもらえたケースはいまだかつてゼロです。
今までに会話したことのある、
乱繁殖やっちゃってるのに気づかない自称ぶりぃだぁ
は。
最後になりましたがびびじさんへ。ネタにつながった感謝の気・持・ちっ
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よかクリプトン星 (よかったらクリックで応援してねって意味です)(アニマルポリスは日本では無理。望むならスーパーマンのがいくぶん現実的じゃい)
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と、うさぎで実感している今日この頃。
うさぎの世界も乱繁殖だらけだと最近実感してます。。。
アニポリね、昔いろいろ応援して手伝っていたけれど
あの女優さんの掲げる内容を見て無理だろうなぁと。
私でも思いました…(´-ω-`)
ネタに繋がったとのことで、嬉しいです。なんていうんでしょうね・・・どんな噛み砕いて説明しても、相手が犬のプロ()笑だと難しいです。だって、普通の飼い主さんは信じちゃうから。繁殖させた経験もなく、ただの犬飼いの私と、犬で生計立てちゃってる感じのプロとでは、きっと説得力が違うのかもしれないなんて、卑屈になってしまいます。
あきこさんが例に挙げたブリーダー迷言集ですが、そこまで言われなくても、「いいんじゃない」程度でキメちゃう飼い主さんて多いんでしょうね。
ビーグル欲しかったけど洋犬はくさいからペットショップで柴を買ったという洋犬を飼ってる人の前(もちろん知っている)でお話される購買者はその程度なんでしょう。
しかしながら一度も繁殖してない人が懇々と説明してもぶりーだーさんのお話はどちらを信じるかということの判断ははそういう人には無理なんじゃない?
●いちごままさん●
マジで「どんな病気でも飼い主さんの愛情が一番の薬」って言い放つぶりぃだぁは多発してます。
売った1週間後にパルボを発症した子犬にもそう言うんですよ。
びっくらこきました。
女優さんは、きっとあの女優さんだろうなぁ。イタタタタタ。
●びびじさん●
えっ、じゃあ私もあきこげとかに改名することを考えてみようかしら。
あきこげはご存知の通りいつでもどこでも何様オレ様ですし、
ついでに自分のブログだし好きなこと書いちゃいますけどね、
自称ブリーダーと同じかそれ以上に獣医師がどもならんですわ。
実はわたくし、うちの女子たちを連れて「赤ちゃん産ませたい相談」で4軒の動物病院に行ったことがありますのよ。
4軒とも太鼓判押してくれました。避妊手術の縫合跡を見もしないで
安産型ですって言われてもねぇ。
乱繁殖のらの字はもちろん、遺伝病のいの字もお聞きできませんで、
ツッコミする気も失せた私も悪いんですけどね。
●Zoeさん●
びびじさんも仰ってますがまさに難しいことはどうでもいい、が多いね確かに。
一度も繁殖してない人が聞いてくれたのはね、いちごままさんやびびじさんやZoeさんのお力も関係してることがけっこうあるんですよ。
こた子(仮名)の話はmixi内の過去話(実話)をもとに多少味付けしたものですが、
繁殖講座コミュやあきこげの公開日記のコメント欄を見てくださる方って、
思うよりいらっしゃるわけで。(いろいろしがらみがあって詳細は内緒にしてますが)
うふふふ。
ところでビーグルなに臭いんだろ(笑)。