2013年12月06日

四肢の先を執拗に舐める


肢端舐性皮膚炎(したん-しせい-ひふえん)と診断されるケースの中には、
たぶん間違いなくこの遺伝性疾患があるだろうなーというシロウト的予想の話。

肢端切断症候群 したんせつだんしょうこうぐん Acral mutilation syndrome

切断なんてそんな恐ろしいと思うかもですが、犬飼い人生が長ければたいてい見聞きしたことのある、
手足の先をしょっちゅう舐めて舐め壊してしまうことがクセになっている犬は、
肢端切断症候群という神経の病気かもしれないのです。
肉が見えてしまうほどならば要注意。

主な初期症状は1ヶ所または複数の四肢の先を執拗に舐める、噛む。
別名・つま先無痛症、特発性自傷。

遺伝性感覚神経障害。
末梢神経の異常発達で温度や痛みを感じにくいため、皮膚炎などこれと言った原因が無いのに
異常に四肢の先を舐めるまたは噛むことで二次的な細菌感染から潰瘍になり、
重症例では広がった潰瘍のため自然に切断されたり外科的に切断適応となることからこの名がついたらしい。

最初歩行の問題は無いが四肢をバラバラに動かすように歩くケースもある。
多くは生後3ヶ月〜12ヶ月頃から見られてゆっくり進行する。
同胎兄弟に同じ症状が出やすいのでARが示唆される。
確定診断は筋生検(正常な神経電位が存在しない)か、麻酔下での神経生検(脊髄神経節の小型化は肉眼でOK)。
治療法がないため外国では安楽死対象も多いのに対し日本では1位ストレス2位アトピー・アレルギー(たぶん)。

とくに動物病院や販売元のペットショップやブリーダー(ケッ)らに「ストレス」と診断(助言?)される場合は、
日頃数時間留守番をさせているだとか、
毎日お散歩に行けてない、または犬が満足するほど運動をしてやれてないだとか、
ワクチン未接種あるいは感染症発症などなんらかの理由により室内のみで過ごしているだとか、
同居犬猫やヒトの幼児にも時間(や愛情)を取られるので淋しいのだとか、
とにかく飼い主にうしろめたい事情がほんのちょっとあると「そうなのか」と思ってしまう。

と言うか、すべてにおいて犬の望みのままの暮らしなんてふつう誰だってできないのだから、
どんなに良い飼い主さんでも犬の立場になって探せば後ろ暗い面はいくらでも出てくるもの。
たとえばワタクシは風邪をひいたり腰痛がひどければ犬の散歩はサボるし、
休みの日は昼まで寝てて朝食が昼食になることもしょっちゅう。
小太郎は私が寝込んでいるといつもより気を使って心配そうにくっついてきて、
風邪をひいた時は暖かくて嬉しいんだけどぎっくり腰時の添い寝だけは勘弁願いたい・・

とまあ、そんな感じで何が何でもストレスにあてはめるなよと思う時が多すぎるわけです。
「肢端舐性皮膚炎」でちょっとググってみると「心因性」や「精神的要因」が原因で、
だいたいエリザベスカラーと抗生物質とステロイドの3点セットで「治療」をしてる。
興味深いことに「治る」のは一時的で、「再発」するケースが非常に多いが、
それは薬の量を減らしたからだとか留守番時間が変わらないからと結論付けられ、
根気良く治療してあげましょう的な話ばかりでややうんざりしてきたのが本音。

長時間ひとりぽっち状態が関係ないとはもちろん言いませんけどね、
見るものややる事が他にたくさんあれば、多少手足が気になっていても犬の興味がほかに行くから。
ですがそのことと「原因はストレス」は天と地ほどの違いがあるのでは、ということです。

いいから。
四肢の皮膚病?と思ったら筋電図をぜひとってもらってみてください。




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posted by あきこ at 23:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これね、難しいね。
やっぱり、そういう相談があったら、まずは運動ってアドバイスするもの。
知識があるって、大切なことで、でもってものすごい武器なんだと改めて思った。

えっと、獣医師でも知らない可能性はどれくらいあるのかな?
それから、しっかり治癒できなくてもなにか緩和できる方法はないのかな。

Posted by さくらぼうず at 2013年12月07日 10:28
●さくらぼうずさん●

獣医師が知らない可能性、うーん。いっぱい、じゃないかね。
知識が無いと言うよりはその部位の神経が正常でないとわかってもどうしようもないことと、
ただれたらただれを治すこと、肉がこそげたら肉を再生すること、毛が抜けたら生やすこと、
が獣医師の仕事だから。現に脱毛や潰瘍は治そうと思えば治るしね。

肢端切断症候群AMSはものすごくふつうに英語のなんとかvet.comみたいなサイトなら
昔からどこにでも症例紹介があるから、たいていの獣医師は知ってるのではと思う。
とくに皮膚科に力を入れてる動物病院なら嫌でも目にしそうだよ。

治癒は、今の獣医療技術では不可能。
緩和するには、気を逸らす、傷になったら治す、他の疾患の治療、くらいかと。

英語圏のまともな繁殖の心構えみたいな話では、
たとえば同じく常染色体劣性遺伝するPRAやCL症と同じレベルで
「次世代に継がせてはならない遺伝性疾患」なんだけど、
それについてなら日本の獣医師の大半は無知で無能極まりないと言えるな。
重度のアトピーを併発した犬の繁殖相談があったりしたら、
アトピー性皮膚炎は遺伝的な要素も考えられる・・
かもしれないとか言うくらいじゃないかね。
AMSとアトピーの区別がついてるかは知らん。
Posted by あきこ at 2013年12月08日 00:22
なんかズルズル起きてるズルズル状態なさくらぼうずです。なんか一日PCの無料パズルゲームしてたよ。イカンなあ…。しなきゃいけないことたくさんあるのに(主に年賀状の用意)

あ、お返事ありがとうですー。

私が気になったのは、この記事を読んで、もしかして?と思った時の、飼い主さんの獣医師との話のしかたなの。
病名をメモって(あるいは記憶して)、これじゃないでしょうか?筋電図をとって貰えますか?と言って、どれくらい通じるのか。

それから、正確な病名が判ったとして、治療方法(治療方針)が変わるのか、って部分だったの。

もちろん、今まで自分が怠惰だったかも…と思って自分を責めていた飼い主さんは、ちょっと気持ちが楽になるよね。
そこからの出発で、気をそらすっていうのが治療の一環に入るのなら、結局は運動量を増やすとかってことをするにしても、全然違ってはくるとは思うのだけど、

「治療方針は同じなんだから、正確な病名はどうでもいいじゃない」

的な態度を取られて、相手にされなかったらどうなのか。
もちろん、そんな態度をとる獣医師は困ったもんだけど、話を持って行く側も、なにか用意ができたら、と思ったの。ココロの準備とか、なんらかの資料とか。
それから、もし、肢端切断症候群と診断された場合に、どういった治療を自分が望むのかも。

そりゃ、どんな病気に対しても、急に病名をあげられて診断されて、飼い主が自分の考えをしっかり述べられるかなんて、その時になってみないと判らないことだから、この症例に限ったことじゃないんだけどね。
くりこさんは、ちょっとアレルギーのケがあるので(しかも私もアレルギーによる痒みについては知ってるので)、なんかよけいに我がことみたいに考えてしまったのでした。


さて寝るべ。
Posted by さくらぼうず at 2013年12月08日 01:34
●さくらぼうずさん●

まあほんとね。夜更かしだわ。
あー、飼い主さんの立場方面は私はいつも疎いからね、毎度ありがとうです。ちょっと予想してみる。

「筋電図をとってみてもらえませんか」「筋電計がありません」

あれれ。終わっちゃうよ。なんて。
筋電計があれば「それでは確認のため」っと、とってくれるんじゃないのかな。
もし私なら、「AMSが気になるんでちょっと計ってみてー」って言う。
それでAMSだねっとわかって、手足以外にもし皮膚病がないなら、
それじゃ抗生剤は傷が治るまでいいとしてステロイドは止める方向で行こう、
みたいに進みたくなると思う。
Posted by あきこ at 2013年12月09日 00:05
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