犬の毛色の劣性遺伝と劣性遺伝する遺伝病を混ぜるなキケン話のつづき。
2013年12月08日の記事 劣性カラー
に関するリクエストをいただきまして小躍りしながら書いてます(書きにくい・・ちょっと盛ってる)。
みき(授乳中)さん、ありがとうございます。んっちゅー
「犬の劣性遺伝する遺伝性疾患は、毛色因子とはまるで関わりがない」は、
小さい字でこっそり書いたとおり正しくは「基本的に無関係」で、
爪の色が白かったり鼻の色素が薄く肉色(一部か全部がピンク色)だったり毛色がクリーム色だとしても、
爪も鼻も毛色も真っ黒な犬より遺伝病が出やすいことはない、です。
ラブラドールの色違い3頭のうち色合いが薄いイエローの遺伝性疾患のリスクは黒とチョコと同じ、
全身白一色のちわわと黒一色のちわわが持つ遺伝病因子の内容の毛色による差は無い、
同胎兄弟のダブルダップルダックスとブラックタンダックスの両親がPRAクリアであれば、
ダブルダップルがPRAを発症する確率はブラックタンと同じでゼロ。という意味です。
マールやダップルの白い部分が耳にくると難聴が多いのも、基本的にはそれと同じ。
犬の難聴の原因は少なくとも難聴になる遺伝子と症候群性と内耳の蝸牛のメラニン不足問題が知られていて、
「先天性遺伝性感音難聴遺伝子」が原因ならどんなに黒々していても難聴となるそう。
犬の遺伝性難聴はずいぶん前からいろんな犬種で研究されていて、
2010年のオーストラリアンスタンピーテールキャトルドッグ(長っ)の、
50家系の聴覚障害のBAERテスト(脳幹聴覚誘発反応検査)結果では不完全浸透劣性と判断された模様。
(マニア向け;不完全浸透常染色体劣性遺伝とはメンデルの分離の法則にきっちりあてはまらない例で、
アフェクテッド同士から発症ナシが生まれてそれとキャリアー間の子がアフェクテッドみたいな)
症候群性は書ききれないのでウィキをチラ見してみてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E4%BC%9D%E6%80%A7%E9%9B%A3%E8%81%B4
これは対象がヒトだけどまあこんな感じです。
耳に関係ないところになんらかの原因があり、症状のひとつに難聴もある、的な。
スタンピーを含むオーストラリアンキャトルドッグの899頭(なぜあと1頭・・orz)の調査では、
顔面に白色部分のある、パッチ無しのメスの発症が高かったそうで、耳の色素については言及ナシ。
なぜかと言うとこのケースが「内耳の蝸牛のメラニン不足」にあたるわけで、
その前に「内耳の蝸牛」とはなんぞ。
いつものステキな図をここで載せたらめんどくさい話がますます混乱するといかんので、
やさしいワタクシは良いリンクを探してきました。ふふん。
子犬のへやさん 犬の体図鑑 犬の耳・聴覚
耳の形の説明の次の、犬の耳の解剖図
http://www.koinuno-heya.com/zukan/hearing.html
ね?耳そのものよりも顔面のほう、目の周囲が近いんですよね。蝸牛。
耳が白いことが原因で難聴になると言われているのは日本ではおもにダルメシアンとダブルマール、
話を難聴に限ると実はポイントは耳ではなく顔だったということになりそうですね。
キャトルドッグたちは霜降りの細かい水玉ローン柄がじゃまくさいので白いと思いにくいけどね。
顔の表面までメラニンが作られなくても内部には届いてる可能性はあるしそれは見た目ではわからんから
顔のそのへんに色素がないことと蝸牛のメラニンがうまいこと発生しないのはイコールではないけど、
ダルメシアンでは首から上に必死のパッチがあれば難聴でない確率が断然高いと昔から知られているし、
内耳にメラニンが行き渡らなければ顔面にも当然色素が無い、と考えることができそうかなと。
ここまで書いてなんのカテゴリだかわかんなくなってきましたが、
首から上に白色が多い2色以上の犬は、体内のメラニンの分布の影響で難聴のリスクが高まる、
しかしその原因を毛色遺伝子に求められないケースのほうがおそらく多いだろう、
そして劣性遺伝の遺伝病と毛色因子はほぼ無関係と覚えて大丈夫です。
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