2013年12月26日

愛犬の血筋を残したい


2013年11月26日の記事、残すべき血の続編で、
愛犬を愛するあまり一般家庭でおこなわれる、いわゆる素人繁殖では「愛犬の血筋を残したい」、
と思うことがそもそも思い込み?勘違いあるいははきちがえではなかろうかという話。

ふつうにペットとして飼い始めた1頭の犬があまりにも可愛くて好きになりすぎてしまうと、
飼い主さんというものはその愛犬の血筋を残したり広めたりしたくなるもののようだ。
実行するかは別として、そう考えることはとても自然で、愛ゆえの感情だと多くの人が思うだろう。

だろうと言うのは、実はワタクシにはその感情が理解できないからなのだ。
話の流れから「愛犬の子が見たいと思うのは自然な感情で、それ自体は悪ではない」
などとさもわかったように言ったり書いたりしてきたのだが、
本当のところはどこらへんが自然な気持ちなのかわかるようでわからない。

だってその愛犬は、ペットショップでの衝動買いにしろ熟考の末の購入にしろ、
近所でポンと生まれたのをほいほいっともらってきたにしろ、
行き場をなくしたのを保護したにしろ専門ブリーダー(ケッ)から買ってきたにしろ、
血筋を愛したゆえ迎えたわけではないではないか。

愛犬を好きになることと血筋を愛することはたいてい別物だ。
愛犬の10代前のご先祖犬はもとより、その繁殖者がどんな想いで繁殖したのかを知ろうともせず、
愛犬の血筋を残したいから交配しました出産させましたー。ってそんな。
ちゃんちゃらおかしいのである。

子犬が生まれるには、必ず人為的な関与がある。
もしかしたら2012年前の昨日この世に生まれたスーパースターが降誕するより以前から、
人間は身近にいるメス犬に役立つ犬を産ませたくて優れたオス犬を代々選んでいるのだ。
犬の繁殖に人間が手出しできることは何百年何千年前からただひとつ、
繁殖するオスメスを決める・選ぶこと。
過去の組み合わせはすべて素晴らしいとはもちろん言わないけれど・・。

先人の努力や栄光や挫折と、おびただしい数の犬たちの犠牲がおそらくあって、
血筋が継続されたのが今いる犬たちとも考えられる。
過去を振り返るな未来を見据えろなんて言葉に反しなければ簡単に乱繁殖になってしまう。
過去を見て触れて知って、可能な限り未来を正確に予測する方法が世に存在するのに、
ごく一部を感じて全部を理解した気になったり最初から過去の血筋をスルーしながら、
愛犬の血筋を残したいから産ませましたー子犬は元気でかわいいでーす。ってそんな。
ちゃんちゃらおかしいのではないだろうか。





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posted by あきこ at 23:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 犬の繁殖・乱繁殖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
運命の出会いをしたうちの愛犬が子犬を産んで新しい家族ができたら
その子犬は、運命の子(母犬)以上に「うちの子」で、そこに一層の特別感があるのでは?

わたしも一度は「みみっちの子を・・・」と思ったことがある。
でも実行に移さなかったのは、みみっちの子はみみっち以上には成り得ない、と思ったから。

愛犬の子が見たい人は、実はその犬に対する愛情が
本人が思うほど深くはないのかも。
お産で死んじゃうことだってあるのに、それでもいいと思うんでしょ?(←腹黒)

何より子犬がかわいいんでしょ?
お手軽に自宅で生まれてくれる子犬が。
・・・は言い過ぎか。
Posted by ,みみさら at 2013年12月27日 09:50
実は私も自分ちの子の子どもが見たいと思ったことがないんですよ。

良かった。同じ考えの人がいて。

私、自分ちの子が大好きで可愛くて仕方ないですが、それと同じかそれ以上に自分の飼っている犬種も愛してるんです。
個体では無くて、犬種ということで考えると血統は絶対に大事ですし。

一度データベースで自分ちの子の血統をたどってみたことがあるんです。
34代前で基礎犬までたどり着きました。

戦争中は途切れそうになる血もあって、写真を見ながら先人がどんな思いでイヌを作ってきたかと思うと、胸が熱くなりました。

何万頭もの過去犬の上にいる自分ちの子です。
その犬種を愛するならいい加減なことをして先人の思いを踏みにじってはいかん!

犬種を愛する人と個体を可愛がる人ではちょっと傾向が違うのかもしれませんね。

犬種愛好家でもその犬種のレスキューに行く人もいますし。
Posted by yoshy at 2014年01月07日 09:16
●みみさらさん●

けっこうみなさんなんだかんだ言いながら運命とか感じるのが好きな人多いもんだもんね。
前に私設シェルターで掃除してた時、5秒だか10秒以上目が合い続ける犬を求めてた人に会ったわそういえば。

あ、ネタが1コ浮かんだ。小太郎との出会いをドラマチックに書いてみよっと。


●yoshyさん●

わーいyoshyさんだー♪いらっしゃいませ〜〜!
そーそー、yoshyさんがあの犬種に注がれる愛はすごいんですよね。
ぬきぬきの話題一つからもひしひしと伝わってきますもん。
あきここら見習えや(優しいyoshyさんは言ってくれなさそうなので自分で言っときます)。

犬種を見れずに個体だけ愛する人の半数以上は、まだお気づきでないのだろうと感じることがあります。
「愛犬の5代前の先祖犬は全部で何頭いますか?」に即答できない方は、
かえってこれから新しい知識を吸収できますね、うらやましいですよ、
みたいな気持ちで繁殖相談の受け答えをでき・・・・・・・・・・・・・・・
るようになりたいなぁ(笑
Posted by あきこ at 2014年01月11日 00:19
もう、何から何まで日頃喉元に引っかかっても言えなかった事をサバサバ発信していらして、気分爽快です。ちゃんちゃらおかしいと思いつつオブラートに包んで伝えても、冷たい情のない人間認定を受けて貝になる自分。ワタクシ様尊敬します。
Posted by 朋子 at 2019年10月10日 13:12
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