2014年02月01日

国外遺伝子検査


OFAで紹介されている犬の遺伝子検査リストの増加分の簡単説明です。以前の記事はこちら
1.http://kotavi2002.seesaa.net/article/181480222.html
2.http://kotavi2002.seesaa.net/article/182069165.html
3.http://kotavi2002.seesaa.net/article/183382868.html

書かれている犬種は検査対象犬種ですが、対象でないからその犬種はこの遺伝病とは無関係、
ではありません。
犬種によってDNA情報の微妙な違いがあるため、1頭の犬や1つの犬種で原因遺伝子を確認しても、
すべての犬の遺伝子変異部分が同じだとは限らないだけ、みたいです。

検査機関は疾患や犬種によっていろいろですのでご利用になる方はご自身でご確認を。
OFA CURRENTLY AVAILABLE DNA TESTS
http://www.offa.org/index.html


Alaskan Malamute Polyneuropathy (NDRG1) アラスカンマラミュートの多発性神経炎
(両側対称性の)四肢の先のしびれ、悪化すれば歩行困難や呼吸困難に至ることも。
スエーデンの獣医神経学会?のサイトにウンチングスタイルっぽいマラミューさんの写真。
http://www.neurovet.se/forskning/index.html
対象犬種はそりゃまあマラミュートだわな。

Benign Familial Juvenile Epilepsy 良性家族性若年性てんかん
てんかんです。予後は良いめの。
犬種の別名「汚れプードル」(ひどい)。ああウォータードッグだなって感じのサイズと毛質の犬です。
ロマーニョウォータードッグ

Canine Multiple System Degeneration (CMSD) 多発性硬化症
多発性の中枢神経変性で病変箇所によって症状はさまざま。視力低下だったり尿失禁だったり。
アイリッシュレッドアンドホワイトセッター

Cleft Palate 1 (CP1) 1型口蓋裂
えっ?マジ?とまず思いました。
ワタクシが見聞きしたうちでは口蓋裂はそれ単体だけの話でないと考えられるケースが多いので、
ほとんどが短命でした。他の箇所にも1つあるいは複数の異常が同時に起きていて、
たまたま人間の目に付く症状が口蓋の癒合不全なのかしらと漠然と思っていたもので。
いわゆる「犬の奇形症候群」は、礼儀正しく飼い主の感情を思いやる獣医師により「不運な弱い子犬」
と説明されることがたぶんほとんどでしょうが、なんとこの犬種ではシンプルな劣性遺伝も存在してると。
80犬種300頭以上の犬の検査もしたそうだけれどこの変異は犬種独特に近いのかも。
ノバスコシアダックトーリングレトリバー

Craniomandibular Osteopathy 頭蓋下顎骨症 とうがいかがくこつしょう
別名あごオステオパシー、ライオンあご、ウエスティあご、ウエスティ病、下顎骨膜炎。
高リスク犬種はウエスティのほかにスコッチとケアンとボステリもいる。
やわらかめに表現すると口元の骨格のトラブルとでも言うか。痛みが強いらしい。
ウエストハイランドホワイトテリア

Dry Eye Curly Coat Syndrome
名前のとおり涙がちょっとしか出ない体質でドライアイ、必要以上に毛がクルクルするのでカーリーコート。
あと歯の永久的トラブルや脱毛にも悩まされるらしい。
生まれたての巻き毛のキャバ子ちゃんの写真 アメリカのキャバリアヘルス基金のサイトです。
キャバリアって小型愛玩犬の中では群を抜いて真面目に繁殖や飼育に取り組む印象がありますね。
http://www.cavalierhealth.org/curly_coat.htm
キャバリアキングチャールズスパニエル

DVDOB (Dings) ドーベルマンの前庭難聴
早いと生後1〜2週間からバランスが悪かったり頭の傾きが不自然だったりするようですが、
全体的に健康で難聴が進行性なため気づいたときには加齢によるものと思われるケースがありそう。
ドーベルマン

Ectodermal Dysplasia 外胚葉異形成
歯や足先の骨格不全、乳腺の発育不全、爪の異常、皮膚が弱く乾燥し毛がまばらなどが一般的ですが、
どうも症状の個体差が大きいようです。合併症の代表例は口唇口蓋裂や難聴。
(ワタクシのメモより抜粋 未熟児で生まれて毛も生えそろっていず弱く早死にするオスの子犬はこれも疑わしい。社会化期を半分超えるほど育てば生命予後は良い)
チェサピークベイレトリバー

Episodic Falling 発作性転倒
運動や興奮やストレスが発作の引き金になり、四肢を硬直気味に転んでしまう症状。
硬直は子癇よりは緩めな印象(って誰がわかるねんこんな比喩で)。
こないだ買った雑誌を発行してる会社のサイトに動画があったのでご興味のある方はどうぞ。
CAP ON LINE DAMNIT-Vで学ぶ神経病学各論[脊椎・脊髄疾患の各論]の第33回の動画です。
http://www.pet-honpo.com/cap/sinkeikakuron/peji03sekizui.html
これ見たキャバ飼いさんがビタミンAの少ないドッグフードを探すとか短絡思考に走らぬよう祈ります。
キャバリアキングチャールズスパニエル

Familial Enamel Hypoplasia (FEH) エナメル質形成不全
以前書いたので省略します。
イタグレ

Familial Nephropathy 家族性腎症
だいたい生後6ヶ月から2歳までに発症する遺伝性の致命的腎臓病。進行度は個体差がある、
が総じて予後不良。
ほかの犬種では優性遺伝やX連鎖が知られている。
多飲のわりに少尿、嘔吐や下痢、成長遅延と体重減少という代表的な症状と毛吹きの悪さも見られる。
Eコッカー

Gangliosidosis ガングリオシドーシス
これもどこかに書いたような記憶がぼやんとある。ライソゾーム疾患。致命的。


Greyhound Polyneuropathy グレイハウンドの多発性神経障害
ポリニューロパシーは多発性神経炎とも。
生後3ヶ月〜9ヶ月に多くが発症し、筋力低下と運動不耐性、歩様はバニーホッピングなのが主症状。
ウサギ跳びのような歩き方が出るということですね。日本以外では安楽殺が人道的だろうね。
ワタクシ御用達NCBIに罹患犬の写真がありました。2頭の比較写真の四肢の姿勢にご注目。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20582309
お察しのとおり対象犬種はグレイハウンド

Hemophelia B 血友病B
犬の出血性疾患は「血が止まりにくい」よりも「関節内出血による破行(関節炎)」が目立つことも。
「足を引きずるから動物病院で診てもらったら関節の骨格がキレイだと言われたので大丈夫」みたいな。
体型が小型、痩せ型になるほど突然破行しちゃうらしい、だからって太らせろとは言いませんよ。
ブルテリアとラサアプソ

Hereditary Necrotizing Myelopathy (ENM) 遺伝性壊死性ミエロパシー(ミエロパシーは脊髄症)
生後3ヶ月〜1歳の間に発症するケースの多い進行性の後肢麻痺。後肢がもつれたりしびれたり
脊髄の神経が途中で切断されちゃってしかもそれが切れるとマズイ部位で、結果的に細胞が壊死するそう。
(ウォーラー変性ってのが起きるんだって。専門的用語すぎてよくわかんないや)
いろんな犬種で症例があってプードルやコーギーやGシェパでも劣性遺伝と確認されてるけど、
遺伝子検査の対象犬種は今のところコイケルだけみたい。
コイケルってどんな犬だっけ〜な方はhttp://www.kooikerhondjeusa.org/health-concerns/

Hyperuricosuria 高尿酸尿症、高尿酸血症 (以前の記事より)
(血液中の尿酸が多くなる状態、悪化すると通風を引き起こす。通風は数日間の強い痛みのあと
痛みが薄れる期間が最初より長めに続き、また強い痛みの数日間を繰り返す。
高脂血症と合併することが多い。高尿酸尿症下ではシュウ酸カルシウム結石が形成されやすい)
これは以前からダルメシアン特有の病気のように言われていますが対象犬種が増えてました。
アムスタ、オゥシー、ブラックロシアンテリア、ブルドッグ、Gシェパード、Gシュナ、
ジャックラッセル、ラブラドール、Lミュンスターレンダー、パーソンラッセル、ポメ、
アフリカンマスチフ、ワイマラナーと多種。

Ichthyosis 魚鱗癬−ぎょりんせん (これも以前の記事より)
(魚の鱗のように皮膚の表面が硬くなり剥がれ落ちる病気)
ノーフォークテリアのほかにゴールデンレトリバーがOptigen(アメリカ)で検査可能になったみたい。

Juvenile Addison's Disease (JADD) 若年性アジソン病
ドビーのデーブイデーオービー以外ここまで翻訳機能を使わずに病名翻訳してますが合ってるよね?
犬のアジソン病は日本語で解説したものが書籍でもネットでも簡単に知ることができます。
副腎皮質が低形成だったり萎縮したり機能が低下したりするとアジソン病、
反対に過形成だったり機能が亢進(イケイケ状態)するとクッシング病、クッシング症候群。
クッシング症候群に似た症状が出るけど副腎皮質に異常なしなのが偽クッシング病。合ってると思・・う。
ノバスコシア

LAD3 何かと思ったこれ。略称すぎてわかんねっつの。
おそらく、Canine Leukocyte Adhesion Deficiency イヌ白血球粘着不全症のV型とかかなぁ。
それなら前の記事にあるんだけど易感染性の解説を勝手に始めたくなったので始める。
易感染性は「い・かんせんせい」と読み(エキカンセンセイと思ってたワタクシ阿呆)、
「い」は容易の「い」、要は予防に注意してても感染症に罹っちゃうような状態。
リアル競り市経由でペットショップに入荷しましたー、その子犬を買いましたー、パルボに罹りましたー、
あるいは専門ブリーダーから子犬を買いましたー、テンパー発症しましたー、感染症は補償しませんー、
のような、たまに見聞きする話を思い浮かべてくださいってことです。

子犬がうじゃうじゃいる環境の繁殖場ほど伝染病が怖いですから、ワクチンうってる方が多いんです。
(そのワクチン接種を素人スタッフに任せるとかはまた別の話で)
それでも感染して発症すると「子犬だから抵抗力が弱い」とふつう思いますよね。
でもじゃあ、同じ場所にいた似たような月齢や体格の子犬が感染しないのはなぜ?
ったら易感染性体質だったのではなかろうかとワタクシは思うわけで。
すべてのケースとはもちろん言いませんけどね、こういう劣性の遺伝病なら色々と納得がいく。
(易感染性を示す遺伝病は免疫不全などほかにもあります)
動物病院ではパルボに罹ったかどうかはわかるけどCLADかLAD3かは調べられないから。
V型の対象犬種はGシェパード

Lupoid Dermatosis ルポイド皮膚炎
全身性エリテマトーデス(SLE)というメスに多い関節炎やてんかん発作や口内や皮膚のただれや潰瘍、
などの症状が出る遺伝病があって、そのSLE遺伝子に関与する皮膚エリテマトーデスのことのよう。
ジャーマンショートヘアードポインター

Osteochondrodysplasia 骨軟骨異形成
ヌコのスコ(スコティッシュフォールドという猫種)で有名なアレです。犬もほとんど劣性の。
ごく小さいうちはわりと平均的だけど、売り頃買い頃くらいの時期から骨の成長がゆるく止まってしまう。
短肢性低身長症とも言う、骨格の発育異常です。
写真は撮れませんでしたがこれかなっと思わされるティーカップーを見たことがありました。
このサイトは全文読もうとしたらじんましん出そうなので上のほうの写真だけ
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0051917
(ミニチュア)プードル

P2Y12 Receptor Platelet Disorder P2RY12欠損血小板症
術後出血症とも呼ぶ場合があるように、ふだん血が止まりにくい症状は少ないらしい病気です。
グレータースイスマウンテンドッグ(巨大なバーニーズみたいな犬)(バニよりふた周りくらいデカイ)
(スイス原産の犬って山関係の仕事出身が多いのかな)

Perianal Fistula 肛門周囲瘻 (別名フルンケル症)
ワタクシの解説なぞ不必要な名の知れたこの病気が遺伝子検査が存在する遺伝病なんて驚き。
英語圏でも7歳以上で症例が多くなるそうです。検索して何を見ても「大型犬に多い」とありますが、
ここでワタクシが自信を持って「日本では人気犬種であれば小型犬にも多い」と発言しておきましょう。
だって肛門嚢(のう)炎が悪化すれば肛門瘻(ろう)になりますもん。
肛門腺がたまりやすい犬は要注意。
飲み薬だけで軽快することもよくあるので気になったら早めに動物病院へ。
ジャーマンシェパード

Pituitary Dwarfism
下垂体性小人症
症状のひとつとして極端な小ぶり状態を犬でも小人症と呼び、
その原因が下垂体の成長ホルモン分泌不全にある症例のこと。
ちなみに去勢避妊とは無関係で、子犬のうちから小ぶり、寒がり、乾燥肌や毛吹きがよくない、
成長遅延、あと下痢や便秘などお腹が弱いなど犬の症状はわりとハッキリしてるみたい。
リトアニア語のこのサイトは犬の小人症をネットで調べてると必ずヒットするところ(写真見ただけ)。
http://agiesha.blogas.lt/sunu-liliputizmas-dvarfizmas-2571.html
Genoscoper(フィンランドの検査会社)(たぶん会社)で以下2犬種の検査アリ。
ジャーマンシェパード、チェコスロバキアンウルフドッグ 

Primary Ciliary Dyskinesia (PCD) 原発生繊毛不動症(繊毛ジスキネジア)
湿った咳や膿っぽい鼻汁が主症状で子犬のうちから膿っぽいと予後不良。
長らくウイルス感染と思われていたが、カルタゲナー症候群のように繊毛障害と今世紀に判明。
別名にアイリッシュウルフハウンド鼻炎というのもあるのに検査対象犬種は違うという。
オールドイングリッシュシープドッグ

Primary Open Angle Glaucoma 原発性開放隅角緑内障
頭に難しい用語がくっついてますが緑内障です。いろんなタイプの緑内障のうちの一種。
ビーグル

Spinocerebellar Ataxia *脊髄小脳変性症(の主症状が運動失調なのでAtaxiaかなぁと)
ミズーリ大学の病気研究ページに動画がありました。
見たらわかるけど元気なんですよ。ちょっと傾いてるだけで。
でも、そう言っていいのは何も知らずにその犬と出会った飼い主さんだけ。
繁殖者はプロアマ問わずガッツリとすべての遺伝病を把握しろやゴラ。
http://www.caninegeneticdiseases.net/SCA/
ジャックラッセル、パーソンラッセル


あらやだ。相当がんばってたのに最後だけ本音が漏れちったわ。






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2014年1月現在 新飼い主募集中  当ブログ内の記事  北陸わんの里親探し
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posted by あきこ at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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