すまん、いろいろ忙しいので今日のブログはワタクシメモより。
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前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい、Anterior Cruciate Ligament; ACL)は、膝関節の中にあって大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)を結ぶ強靭な紐で、関節を安定に保つ支持機構をいう。脛骨が前方へ変移する(ずれる)ことを防ぐ。 (ウィキ)
パテラ
多因子遺伝+環境要因
*パテラを発症した個体を生んだ親や発症個体の兄弟をキャリアーとは呼ばない
重要
先天性と後天性の両方がたしかに存在しますが、
小型犬あるいは人気犬種の後天性パテラを免罪符にしてはいけません。
だいたい後天性のパテラとは、ふつうに元気に日々暮らしている家庭犬がフローリングごときでそうそう発症するもんじゃないですから。
家庭のフローリングの床材で多少滑った程度でなんでホネが外れるの?
ふつうの犬はホネが外れる前に滑らないように歩くことを勝手に学習しますって。
外傷だけが原因だと固く信じている人もなぜかいるけれど、
犬が自分で転んだだけでなんでホネが外れるの?
よっぽど運の悪いケースはたしかにあるだろうけど、外傷による後天性パテラってのは、
成人(人間)の頭の上から地面に叩きつけられるくらいの力が加わりでもしないと、
折れも外れもしないように頑丈な作りになってるのがひざの関節なのだから。
もともとひざの皿がズレてしまいやすい体を持った犬が後天的(生後数ヶ月〜数年経過後)にパテラを発症、
そしたら原因はフローリングではなく繁殖ですよ。
パテラを起こす病的因子が複数または多種類ある状態が多因子遺伝で、因子を特定するのは非常に困難なので、パテラ以外でも多因子遺伝病というのはどの病気もほとんど全解明はされていません。
ただし、骨格そのものの遺伝にマイナス要素が働いていること、
寛骨と大腿骨と脛骨それぞれの角度や長さのバランスを決めるのは遺伝情報、
ホネを作り上げるために必要なカルシウムなどの体内の運送問題、
外からは触れない内側の筋肉の栄養障害や神経伝達障害、
そしてご存知のとおり靭帯の強度などいくつか別々の要因がパテラを引き起こすとわかっています。
結果的にパテラの症状があっても原因がひとつとは限らないので病気を理解しにくいのかもしれません。
似たようなことはJAHDの膝蓋骨脱臼の詳細のページにもさらっと書いてあるんですが、
こういうことが書いてあると読み取れる繁殖者はまずめったにいません。
http://www.jahd.org/jahdnet_d.html
その他、ホネのカタチや靭帯には一切異常のない内分泌由来の病気でパテラが起きることもあると知られています。
ハッキリと常染色体性の劣性遺伝だと確認されている病気は犬の遺伝病の数パーセントですが、
でもパテラは絶対に単一因子ではないということはわかっています。
そして股関節や肘と同様に膝の関節疾患の多因子とは、優性遺伝の割合が大きい、と思われます。
たとえば骨格そのものの形状の遺伝でパテラを発症する場合、膝の皿には一切関係ない膝関節の一部のホネのカタチの問題であるケースがあります。
正式には脛骨粗面の位置異常と呼ぶそれの場合は親犬の骨格が優性遺伝することでパテラ発症と考えられていて、優性なので親犬のどちらかも原則として同じ症状が出ています。
また、優性遺伝の場合は両親ともが異常な骨格なら確率的に子犬の半分が異常になります。
でも犬のパテラは脛骨粗面の位置異常だけが原因なこともあるけど、
後肢の筋肉の栄養障害(食べ物の栄養失調とはふつう関係ありません)かもしれないし、
両方が原因でパテラを発症する犬ももちろんいます。
パテラの手術をして治る犬と治らない犬がいることの大きな原因がこういうことなんです。
膝の皿の位置だけの問題であるなら執刀医の技術や病院の設備の違いがあったとしても、どの犬も基本的にほぼ100%に近い完治が望めるはずですから。
原因となるハッキリした疾患が他にある場合(靭帯の強度とか骨形成不全とか)と、
簡単にはわかりにくいけれど明確な原因が無い場合おもに多因子+環境要因によって発症するもので
たとえば滑車溝(ヒザのミゾ)が浅いとか皿に対してスネの骨がねじれるように曲がっているなら一目で診断がついても、
膝蓋骨の内部組織の栄養不良とか内側広筋の軽い拘縮とか膝関節屈筋の解離とか脛骨粗面の位置の異常など
どこにある筋肉がどんな状態なのか言葉だけでわかる小型犬の繁殖者はまずいなく、
動物病院で撮るレントゲンに写るものでもないので獣医師もそこまで気にしないこともあり得ます。
とにかく、パテラの全症例がヒザの皿がずれただけという単純なものでないから、
外科手術の方法が骨切り術やミゾ堀術やスジの縫い縮め術など何種類もあるし、
手術をしたのに完治しなかったり再発したりするケースが多く、ヤブ獣医と呼ばれる人が増える(笑)のかもしれません。
そんなわけで、パテラは通常、優性が強い多因子遺伝性疾患と繁殖上は捉え、
パテラを予防するために繁殖ライン上で考えるべきことは、
できるだけ多くの血縁犬のヒザの状態の正しい把握です。
「足を引きずったことが無いから」「動物病院でパテラと言われたことが無いから」「親犬は健康だから」
などはすべて遺伝性疾患の予防・縮小にはならないですから。
せっかくJAHDがあるのに繁殖者はほとんど誰も利用しないことが問題で、
誰かがパテラの犬を産ませたとか買ったらパテラだったとか、
そんなことを言い合っているうちは残念ながらザンネンな繁殖は減りようがありません。
痛く不自由な思いをする犬を殖やさないためには人間同士仲良く正しい情報を共有する、
犬の遺伝病の検査機関とはそのために存在していると、繁殖者ならそう考えるべきです。
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2014年2月現在 ビーグルとビーグルとフレブル系 新飼い主募集中 当ブログ内の記事 北陸わんの里親探し
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