2014年02月16日

毛色遺伝子の優先度 2


犬の毛色の遺伝の話の取っ付き難さについて。
Aシリーズがアグーチで劣性でBシリーズはチョコ(レバー)か優性の非チョコで、
といきなり記号込みで優劣を語られてもなんのこっちゃと思う場合、
なんかわかりやすい図解があればいいのにと嘆いたことはワタクシもありました。
なのでウインドウズのペイントで作ってみました。(お手軽ー)
2014年01月22日の記事 毛色遺伝子の優先度などと合わせてご覧ください。

※※すべての記述において省略していますが「基本的に」「だいたいそんな感じみたい」
を頭にもお尻にもくっつけてお読みくださいますよう。
また、実際にこの順番で胚の発生が進むわけではありません(んなこたそもそも知らんがな)。
あくまでも理解の一方法としての提案でございます。


毛色遺伝子影響順.JPG


1番。まずAシリーズでユーメラニン(黒)とフェオメラニン(茶)の分布域を決めます。
4種類の対立遺伝子はどれも劣性の因子ですが、その劣性因子に優先度が決まってます。
ay ほとんどフェオメラニン
aw 1本の毛がしましま。根元(肌に近いほう)がフェオメラニン、毛先がユーメラニン
at タンポイント部分がユーメラニンで残りはフェオメラニン
a  最劣性で全身ユーメラニン、黒い犬になる(外見上のKシリーズとの区別は誰にもつかない)

横道:Aシリーズで決定された分布域のうち、フェオメラニンの明るさをどうするかCシリーズが関与。
C もともとのフェオメラニンのまま、茶色のまま(例 ダックスのブラタン)
cch フェオメラニンを薄くする、クリーム色  (例 ダックスのブラクリ)

2番。Aシリーズで決定された分布域のうち、そのまま従うか黒さを増すかKシリーズが関与。
KB  優性の黒、ドミナンブラック。Aシリーズで決められたフェオメラニン分布域さえも黒くする
kbr  ブリンドル。Aシリーズで決められたフェオメラニン部分に黒を増やす。増やし方は基本しましま
ky  Aシリーズに逆らわない、KとしてはAに何もしない

3番。Aシリーズで決定された分布域のうち、ユーメラニンの色調をどうするかBシリーズが関与。
B 黒い
b チョコ(レバー)色

横道:Aシリーズで分布が決まったユーメラニンのBシリーズの明るさをどうするかDシリーズが関与。
D  なにもしない
d  ユーメラニンを薄ーくする。ダイリュート、ダイリューション。
   黒のダイリュートはブルー、チョコのダイリュートはワイマラナーの毛色(イザベラとかライラックとか)

4番。Eシリーズは「拡張と制限」を担当していて、今までに決まったことを拡張したり制限したりの働き。
EM  ブラックマスク。Aシリーズで「顔面はだいたいフェオメラニン」と決めたのに、「いいや顔は黒くする」
   と言って(言わない)主に口元と耳にユーメラニンの分布域を勝手に増やす
EG  グリズル。この因子の持ち主は今のところアフガンとサルーキのみ
   (日本は別。ダックスやちわわにもある。ポメにもたぶんある。)
   EGはKシリーズがky/kyでAシリーズがat/atの時のみ富士額
E  今までにいろいろ決まったものにあまり手出しをしない(拡張するそうだがそんなにでしゃばらない)
e  最強。
  Aシリーズが黒と茶の分量を決めたりKシリーズがそれを覆して真っ黒にしたりがんばってるのに、
  Eシリーズの劣性因子 e がホモ接合するだけで( e/e )ユーメラニンを封じ込めてフェオメラニンのみにする。
  黒ラブ同士から黄ラブが生まれる、黒い犬同士から茶色やクリーム色が生まれる不思議はここ。

横道:Sシリーズはユーメラニンもフェオメラニンも分布も分量も無関係。
S  無関係じゃないね、やっぱ関係あるよねーごめんーと言う(言わない)因子。なにもしない。
si  どこが黒かろうが茶色かろうが襟首周りなどを白くする。絶対する。白毛は全身の2〜3割程度
sp  siと同じく絶対白くする。spが決めた部分を白くする。全身の4〜6割程度を白くする
sw  や、いっそのことほぼ白にしちゃうよボクはね、と言う(言わないってば)奴。全身の9割以上が白い

横道:Mシリーズは「メラニン」に対抗して勝つ因子。
最近発行された「よくわかる犬の遺伝学」/誠文堂新光社では「ユーメラニンの毛色だけを薄くする」と書かれてありますが毛色だけではなく、メラニンが関係する部分ならどこでも斑模様が出ちゃいます。わかりやすいのがM由来のブルーアイですね。
M  マール
m  非マール(マール柄毛色の無い犬種は基本的にみんな代々劣性m/mで遺伝してるんですねぇ)


さあ、いかがでしょうか。
こういう説明の仕方を他の人もしてくだされば、犬の毛色のマニアックさが薄まるのではと期待されま・・(笑

ワタクシなんて図をさらにわかりやすくするため色をつけてみましたよ。
毛色遺伝子影響順.JPG


え?もっとわかんない?おっかしいなぁぁあ。
だれかこの図を進化させてくんないかなぁ(涙





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posted by あきこ at 17:59 | Comment(7) | TrackBack(0) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あきこさん

早速の記事ありがとうございます。

マールの縞模様ブルーアイ、納得です。

ところで…
プードルのジェットブラックの場合ですと…
aa KBKB(kyky) BB DD EE
となるのでしょうか?

ホワイトで鼻などが黒の場合は
aa kyky BB EE DD swsw??
真っ白がよくわからないのですが…
ソリッドカラーなのでM、R、T、H、Gは省きました。

見た目では完全にはわからないと思いますが
1番から順に当てはめていけばだいたいの遺伝子がわかるのでしょか?

簡単な犬種のクイズなどあると
おバカな私でも少しは理解しやすいのですが…

注文が多くてすいません<m(__)m>
Posted by Melodyまま at 2014年02月16日 21:39
劣性の黒。eレッドの時にも鼻の色が黒いままという、さらにややこしい話があったり。

ああ、ブリンドルの研究がしたいけど(ブリンドルの模様の出方がどっかと関係があるのかが知りたいんだけど)、ちょっと休憩中。
Posted by さくらぼうず at 2014年02月16日 23:25
ーと、週末にパソコンで見ます。
Posted by ポチ子 at 2014年02月20日 22:50
10月9日の記事を消した方が良いですよ。
下記の論文を検索して読んでみてください
犬の避妊・去勢による健康上のリスクと利点 ・・長期観点から統計調査・・
Laura J. Sanborn, M.S. 理学修士    May 14, 2007
ニュージャージー州立ラトガーズ大学 准教授 獣医学Chair(部門総括教授)
Larry S. Katz PhD(博士)

この論文は有名で勉強熱心な獣医は読んでいます。
避妊去勢手術による甲状腺の機能低下、アレルギー、特定のガンの発生、症状の重い認知症などetc…
Posted by 正しい情報 at 2014年02月21日 22:28

●Melodyままさん●

>ジェットブラック(退色の無い真っ黒)プードルはaa KBKB(kyky) BB DD EEか

あーわかります。私も毛色のあれこれを考え始めたときはそんなふうに思いました。
でもおそらくKBの黒とaaの黒は表現型が同じだと思われます。
退色するかしないかは別の因子(GやVなど)が関わっているようなので省略します。

ay/ay,KB/*,B/*,D/*,EM/E/*
a/a,KB or ky,以下同じ

>色素ポイント黒のホワイト

以前見かけたプードルの毛色のサイトをちょっと探してきますね。

>1番から順に当てはめていけばだいたいの遺伝子がわかるのでしょか?

半分くらいなら1頭の犬を見るだけでだいたいわかることもあります、かな。
クイズ形式は、いつもそう書きたいと思ってるんですけどね、毎回「写真」でつまづき断念です。


●さくらぼうずさん●

けど一生黒いままじゃないよね?一般的には子犬〜若い成犬の間じゃね?
ブリンドル、任せます、よろしく(笑


●ポチ子さん●

ソチに全精力を吸われて更新サボっておりましたー。
明日から再開・・・・・・・するつもり。


●正しい情報さん●

次の記事にて返信いたします。
Posted by あきこ at 2014年02月22日 16:15
>1番。まずAシリーズでユーメラニン(黒)と  フェオメラニン(茶)の分布域を決めます。
 4種類の対立遺伝子はどれも劣性の因子です が、その劣性因子に優先度が決まってます。
 ay ほとんどフェオメラニン
 aw 1本の毛がしましま。根元(肌に近いほ  う)がフェオメラニン、毛先がユーメラニン
 at タンポイント部分がユーメラニンで残り はフェオメラニン
 a  最劣性で全身ユーメラニン、黒い犬に なる(外見上のKシリーズとの区別は誰にもつ かない)

この優劣は 犬種によって 異なるのでは?

あと Mの認識が 間違っていますね

あと 犬種によって 各遺伝子座の 影響のしかたの違いなど 理解されては いかがかな

だいたい こんなもんだ的な 表現は しないでいただきたいです
Posted by xxnobita at 2014年12月01日 00:56
●xxnobitaさん●

ご指摘恐れ入ります。

不勉強で申し訳ないですが、Aシリーズの優先度がこの表と異なる犬種、
Mシリーズの誤認識部分、犬種毎に影響の仕方が異なる遺伝子座、
の3点については私は全く存じ上げません。
例を示していただけると必要に応じて訂正含む認識の改めができるかもなのでどうぞご紹介ください。
Posted by あきこ at 2014年12月03日 01:59
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