2017年08月28日

劣性カラーを持たない犬は健全か?

というタイトルどおりの調べ物をして当ブログにお越しくださったかたが、
もしかしたらいたかもしんない雰囲気。

まず「劣性カラーを持たない」だと言葉がちょっと足りない可能性があるかもです。
おそらく劣性カラーの因子を持たない犬、と言いたいのではないかと感じられました。
自慢じゃないけどワタクシはその答えを知っている数少ない日本人ですから、
お悩み中のかたのお役に立てるよう張り切ってお答えします。

いません。

存在しません。


なぜなら犬の色素遺伝子はこのカテゴリの過去記事でも複数紹介していますが、
基本的に全犬種に共通のものでして、対立遺伝子に優性因子がない遺伝子座があるからです。
アグーチルーカス Agouti locus Aシリーズですね。ASIP アグーチシグナルプロテイン。
ワタクシ自身が世界中の犬を知っているわけではもちろんありませんが、
現時点では、すべての犬は24番染色体にAシリーズを持っており、
そのAシリーズの4種類の対立遺伝子はすべて劣性因子、と考えています。
※NCBI(英語)染色体地図など https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/492296

英語だけど表見るだけでも参考になるサイトを紹介しておきます。
アメリカとイギリスの両方にラボを持つ犬の遺伝子検査の老舗 Animal Genetics社
A-Locusのページ
http://www.animalgenetics.us/Canine/Canine-color/ALocus.asp


そんなこんなで劣性カラーが気になるアナタはひょっとしたら、
さては「劣性」を「よくないもの」と捉えてしまっていませんか?
そう単純に言い切ることはできないのです。

たとえばAシリーズの他はMシリーズが優性Mだとマールで劣性mが非マールなので、
個体の健全性と色素遺伝子の関係の話では劣性因子の非マールのほうが「良い」と言えます。
ほかの座では多くは優性因子が野生型で劣性因子は変異型だから、
優性因子のほうが当然のように色濃いんですがね。

マールに限っては優性ホモ接合MMだとダブルマールなので、
ほとんどの場合とんでもなく不健全な犬になってしまうんですよ。

参考画像
450px-Aussie_double_merle.jpg

オゥシーのダブルマールちゃん。見た目はキレイな白っぽい犬だけど視聴覚障害アリ


CatahoulaRedWhitePair_wb.jpg

ダブルマールメイティングがよくあるわりに不健全なダブルが出ない?
よくわからない(ワタクシがわからないだけ)シングルマールのカタフーラ母子


最後の子は見た目のおめめがちょっとヤバイんで配慮してサムネイル表示
Dogge_Merle_homozygot.jpg

3枚ともすべて出典;Merle (dog coat)(ウィキ英語版)






posted by あきこ at 10:43 | Comment(2) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あきこさんあきこさん、たいへん!
「優性」→「顕性」
「劣性」→「潜性」
に変わるんだって!
Posted by さくらぼうず at 2017年09月06日 20:50
さくらぼうずさん

情報ありがとう!
一応記事書いておこうかな。
Posted by あきこ at 2017年09月13日 14:57
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