犬の色素遺伝子は基本的に全犬種共通です。
「基本的に」と言うのは、別の因子の作用で同じ因子を持っているはずでも、
犬種によって何の因子を持っているかが違うから結果も違って見えることと、
グレデンのハルクインやサルアフのグリズルのような犬種独特の因子が稀にあるからです。
たとえば先日記事にしたラブラドールはAシリーズが不明な犬種でした。
Aシリーズとはユーメラニンとフェオメラニンの分布域と分量を司っておりまして、
ay アグーチイエロー 言うなれば「茶色」、ほぼフェオメラニン
aw アグーチワイルド 毛の1本ずつに分布域、基本的に根元がフェオで毛先がユー
at アグーチタンポイント ブラック&タンのタン
a レセッシブアグーチ フェオなし、ほぼユーメラニン
っということが現時点ではわかっていますが、
ラブはKシリーズが顕性のKB固定の犬種なので、Aシリーズが何であっても、
顕性に働く黒一色で塗りつぶしてしまうから不明なのであります。
黒ラブもチョコラブも黄ラブも、まずは「黒一色で塗りつぶし」てるんですよ。
ちょっと不思議かもしれませんが、この部分を越えたら未来は明るいからがんばって。
塗りつぶした黒を黒のままにするかチョコにするかをBシリーズで決めて、
黒かチョコのユーのままかフェオで再度塗って黄色にするかをEシリーズが決めるのです。
明るい未来って犬の?いいえ、毛色を学びたいアナタのです(笑
Kシリーズは
KB ドミナンブラック
kbr ブリンドル
ky ノンブラック
の3種類で、世界のあちこちで全犬種対象のKシリーズ遺伝子検査があるんですが、
どこのラボでも結果はKB/KBとKB/kyとky/kyしかわからないという、
わかるようでわかりにくい不思議な事態になっております。
ブリンドル因子が間違いなくココにあるのに存在の検出方法を誰も知らないという。
まあ方法がわかったとしても別にノーベル賞とかもらえないですから、
のんびり調べてるうちに新説とか出てくるかもしれませんね。
で、ブラック&タンの&タンです。
ブラックの部分はレバー(チョコ)、ブルー、イザベラの場合がありますが、
ブラックが数的に一番多いだろうから例にあげています。
タンの部分も同じくゴールドやイエローやクリームの場合がありますが、
ブラック部分同様、「それ以外の色は無い」点にご注目ください。
ブラック&タン以外でも色が2色以上ある場合は分量の多い方を先に書く、
のが犬の毛色表記の決まりです。
だからタン(この場合は茶色系という意味)&ブラックはふつうありません。
なぜならそんな毛色の犬はいないから。
なぜいないのかったらそんな配色になる色素遺伝子が存在しないからです。
クリーム&チョコの犬っていないでしょう?タン&ブルーも。
ついでに、&タンのタンポイント(タンマーキング)は、
上に書いたとおりユーメラニンとフェオメラニンの分量を決定する因子なので、
それ以上に別のユーまたはフェオが入り込む隙がないんですよ。
つまりブラック&タン&ブルーとかイザベラ&クリーム&タンなんかが存在しないわけ。
SシリーズやMやRシリーズはそういう意味では「上書き」の性質ってことですね。
追記1
別件で、ネタ探しの途中でお見かけしたブログ
自分用コメントの覚書
http://inunopoti2.tenkomori.tv/e402186.html
追記2
ヒルズさん、たぶんそれ間違い。ガッツリ間違ってるように思える。
http://www.hills.co.jp/dog/dachshund/type/index.html
間違い1箇所どこかわかるかなー?
11月のバナーがアルパカな意味が何年経ってもわからない
答えていいー?
チョコダップルだと思いまーす!
ねー。一目でわかるだろうにねー。
このミスはダサいよヒルズさん。