2017年12月19日

テレゴニー

テレゴニー telegony とは紀元前の昔から人々の間で語り継がれ、
かのアリストテレスのお気に入りの考え方としても名高い、ある理論の名称ですが、
呼び方は初耳かもしれないけれどどういう理論かは、
犬飼いさんのほとんどがご存知かと思います。

純血種のメス犬は一度でも雑種の子を産むと雑種になる(雑種として扱う)、
一度他犬種の子を生んだメス犬は以降は雑種しか産めなくなる、
のような説のことです。

ワタクシが犬の繁殖関連でこの説を最初に耳にしたのは10代のころでして、
真顔でそう力説する大人に正面きって口ごたえこそしなかったものの、
このおっさんブリーダーなのにそんな非科学的なことを本気で信じているのか!
と驚いたのをまだ覚えています。和犬の繁殖を手がけて20年、とかの人。
昭和ですから犬以外でも動物の出産や子育てつまり繁殖を今より間近で見る機会が多く、
遺伝学の学問上の特別な知識がなくてもそれは違うと肌で感じられる時代だったのに、
注意して確認してみると頑なに信じている犬のブリーダーが結構いました。

今のこの時代では頭から信じている人はさすがにいないとは思いたいですが、
「うちの柴犬が去年隣家のコーギーの子を産んだけど、
次に柴犬と掛けたとしたらコーギー雑種は産まれないです、よ、ね・・?」
程度ならワタクシはここ10年くらいの間に年1〜2回ペースでご質問をお受けしています。
迷信だとは思うけど念のために確認したい、といった意味合いで。
たまに「もしコーギー雑種が産まれたとしても1匹とかですよね?」みたいな、
人間の発想の可能性を感じ取る哲学なのかこれは!?的な笑い話があったり。

ただ、テレゴニーが科学的に確認されたと言えるかは微妙ですが、
迷信だ&あり得ない!と言い切るにはちょっと、、な例があるにはあるんですよ。
ワタクシの大好きなナショジオの記事をご紹介します。

ハエは最初の交尾が子供の大きさを左右
ナショナル ジオグラフィック 2014.09.29
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9780/

子犬には父犬と母犬がいて、両親犬が遺伝子を半分ずつ出し合って、
両親犬とは別な遺伝子型を持った新しい生命として誕生しますよね。
子犬は両親犬の遺伝情報のとおりに受精し発生し胎子として育ちますが、
胎内での発育中に母犬の栄養状態がよくなかったりすると、
正常に発育するはずの遺伝情報があってもうまく育たなくなりますよね。
この当たり前の現象が「環境要因」です。
ただし、胎児の発育には環境因子も影響を及ぼす。子宮の中でタバコ(人の場合) などの化学物質にさらされることなどだ。

「Ecology Letters」誌に発表された研究論文によれば、ハエの場合、精液が子供の大きさを左右する環境因子で あり、精液の持ち主であるオスと子供に血縁があるかどうかは無関係だという。


というわけで、もしかしたらハエ以外の生き物にもこういうことがあるかもしれない、
他の生き物でもこれから科学的な証明がされるかもしれない、
だったら犬だって昔からそうと思える例があるかもしれないと言う人がいるのだから、

って考えられると思いますか?


ワタクシはこれを読ませていただいても、
ハエにそういう現象があるのはよくわかったけど、

だからって犬にテレゴニーが起こるわけないじゃん

と結論します(笑



とくにブリーダーを名乗るならこれを信じたい人はアブない気しかしません



posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 犬の繁殖・乱繁殖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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