2018年01月10日

ポメラニアンの色素遺伝子

カッカしたままブログを書くとロクなことにならないですね。
この記事のタイトルは1つ前の記事のものでしたが、
読み返してみたら色素遺伝子に関する記述が皆無でびっくりしました(笑
なのでタイトルを操作しつつ改めて。

1 ホワイト     sw/sw
2 パーティー    sp/sp またはsi/si ほか混合
3 クリーム     cch/cch
4 ウルフセーブル  ay/at、cch/cch
5 オレンジ     ay/ay
6 オレンジセーブル ay/at まれにaw/aw系
7 レッド      ay/ay C/* Em or E/ 非e
8 ブラック&タン  at/at
9 ブラック     Kbr/* まれにa/a
10 ブルー     d/d  
11 ブラウン(今も昔もレバーのこと)  b/b、D/*、Em or E/*
12 チョコレート(今のイザベラのこと) b/b、d/d
13 ビーバー    ay or aw/*、b/b、


パーティーは、ちょうどこのブログにモデルたちがおりますとおり、
ビッケとリーゼルンがsp/spで、ミッシュがsi/siだと思われます。
遺伝子検査は出来ませんが本犬の模様の出方で8割がた予想を絞れるものですし、
それぞれの親や子の情報も合わせてほぼ間違いがないと言い切ってよさそうです。

ポメの○○セーブルとは元来はブラックブランケットを指していましたが、
本物はもうほとんど見かけなくなってきています。
クリームの背中に黒い差し毛がワサーっとあるものをウルフセーブルと呼び、
オレンジだとオレンジセーブルと呼んでいますがこれは色んな犬種に存在する毛色で、
ウルフセーブルはこの犬種が元みたいなものです。
キースホンド 
Keeshond_in_Tallinn.JPG
画像出典;ドイツ語ウィキ

オレンジセーブルのポメ (おそらくaw/awなのでは?と思ってる)
(パピーと紹介されているがサル期の終わったおとなの毛)
Pomeranian_orange_sable_600.jpg
画像出典;英語ウィキ

レッドとは、濃いめの茶色のことで、そこらへん中の茶色のポメはたいていオレンジ。
ワタクシは今までに10頭も見ていないくらいのレアカラー。
ちなみにうちの茶白組の毛色は「レッド&ホワイト(のパーティー)」で登録されてるけど、
誰かがそう呼び出したから定着してしまっただけであって、
色素遺伝子的にはうちの2頭も含めほとんどがオレンジ&ホワイトの可能性が高そう。

ブラック&タンは、ポメも&クリームも&イエローも存在するんですが、
犬種的に常識になってしまっている部分が全部まとめて&タンのみです。
血統書に毛色を記載する際の世界共通のルールとしては、
目視可能な色素遺伝子配列がわかるような毛色の名称を選ぶべきですが、
たぶんそんなルールがあることすら知らない繁殖者の方が多いです。残念ながら。

Aシリーズは ay-aw-at-a の順で全身のユーメラニンとフェオメラニンの分布域を決めます。
ポメの場合は大多数がay/ay固定だと思われます。
我が国ではショー系統でいくつかのaw/awが知られています。
ブラタンは元々パーティーとともに2色、つまり柄物扱いなので傍流ですが、
チョコやブルーよりはマシなポメが多い傾向があります。昔から。

ブルー、ブラウン(レバーのこと)、チョコ(イザベラのこと)、は犬質が低いのがふつう。
最初っからポメラニアンとしてのクォリティが低いのに、
レアカラーブームで高値で売れ始めたものだから猫も杓子もバカもアホもどんどん増やして、
親犬(の色)を揃えさえすれば当然ながらレアカラーというものは簡単に生まれるから、
え?は?なにそれ?というような不思議な症状や重い気の毒な遺伝病も増えました。

おともだちのブログ ブルーのポメは片腎だったそう。4歳くらいで初めてわかったとか。
https://ameblo.jp/miwachin518/theme-10074577719.html
この子は元保護犬なので一族郎党にこの重大な情報を伝える術がありません。

最後ビーバーは、これもaw/awの名残で難しくなっていますが、要はこれです。
3221653_957278681_53large.jpg

「ビーバー」(動物)より「ビーバー 毛皮」で画像検索するとわかりますが、
明るい茶色と焦げ茶色が微妙なグラデーションになっているというか、
aw/awポメがほとんどいないのでay/ayやay/atがb/bだったらビーバーと呼ぶけど、
パッとしない毛色と言うかハッキリしないと言うか別段美しさも見当たらず。

知らない人のブログですがビーバー(動物)の写真がとてもわかりやすい
http://shrimpieaqua.seesaa.net/article/428191581.html
aw/awだと↑の写真のように派手めなビーバー色、なんだと思われます。今は幻だわ。



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posted by あきこ at 20:00 | Comment(2) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オレンジセーブル?は
awatじゃないかなというのが私の予想。
awは絶対に1個はある、と思うけど、
背中の黒が濃いんだよなぁ…
Posted by さくらぼうず at 2018年01月12日 21:32
放置中に頂戴したコメントは2つじゃなくて3つだった・・・・・!すまん。


●さくらぼうずさん●

awそのものがね、今はごくごく少数派と言うか、そんなんなのよ。国内ポメは。
んで、atそのものは、30年とか50年とかのスパンで傍流なのよ。

ほら、あれよ。at/at × at/at だと当然 at/at ばっかりが生まれるよね。
ポメの場合は単色以外は不利になってたので(不利は今現在も)、基本親にしないの。ブラタンポメは繁殖させないのがふつう。
んだので文字通りレアよね。オレンジ同士からごくたまに出ちゃって。

JKCでポメのオレンジセーブルが毛色として出た当時はイギリスとアメリカはほぼ同じだったんじゃないかなぁと思うから、
元々はやっぱaw/awがセーブルだったんだと思う。繰り返すけど国内ポメに限った話ね。
Posted by あきこ at 2018年06月10日 19:40
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