2018年07月23日

ダップルと遺伝病は別モノだった!?

グーグル先生がブーイングに耐えてアルゴリズムをいくら変更しようとも、
ワタクシが何度ため息をつこうとも、
無理やり上位に捻じ込んで居座る迷惑な低品質情報発信サイト
は動じることなく嘘とも真ともつかないリライト作文に余念がないようで、
他人様のサイトから無断でちょろまかした単語を悪意なく且つテキトーに組み立て直しつつ、
お約束のてにおは誤用機能搭載のパワードスーツで身を固め、
今日も明日も中途半端なデタラメを世の中に広める運動に忙しそうです。

そんなこんなでダックスフントの遺伝病はダップルや薄い毛色が原因?
みたいな検索ワードで当ブログにもおいでくださる人々が今また若干増えている印象。
ダックスの飼い主さん全員がどっちみちどちらも危険だから繁殖は止めとこっと思ってくれるなら実害は少ないけれど、
そうすると濃い毛色で非ダップルの繁殖はOKな悪気のない浅慮な勘違いが湧いてやまないので、
ま、ため息ついててもしかたがないので前向きに行きます。

先に結論を書いておきますね。
ダックスフントの遺伝病の99%以上は毛色とは無関係です。
「無理な繁殖」の99%以上も毛色には全然関係ありません。


大多数の「無理な繁殖」の主成分は愛情です。

だから一般家庭での素人繁殖は衛生的で愛情あふれていても無理な繁殖=乱繁殖です。
ダックスフントはダップルという毛色があり毛色のバリエーションが豊富だから繁殖が難しい犬種なのではなく、
我が国ではプロのブリーダーもほとんどが素人繁殖レベルなのです。
要は正しい知識が足りていないため遺伝病が蔓延しているのですが、
短絡的に犬の繁殖の資格や免許制を望んでも改善は不可能です。


それでは本題に入ります。
タイトルはそーゆーサイトがよく使う感じのに似せてみました(皮肉です)。

ダップルDappleはダックスフントの毛色の名称。犬種特有の呼び名です。
よく見かける茶色い柴犬の毛色は「赤(あか)」と呼びます。それと一緒。
キャバリアの茶色は「ルビー」、白っぽいラブラドールは「イエロー」。
そんな感じで犬種独特の呼び名というものは数多く存在しています。

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友人Aの愛犬たち 右と左がダップル(正確にはチョコレート&タン,ダップル)


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友人Bの愛犬 シルバーダップル(別名ブラック&タン,ダップル)


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友人Cの愛犬 シルバーダップル(別名ブラック&タン,ダップル)


モデル写真があるとマーブル模様、大理石のような柄っと言われるのがよくわかりますね。
ダックス以外のダップルDappleはマールMerleと呼びまして一般的な名称はマールのほうです。
なのでマール遺伝子座Merle Locusまたは略してM-Locus、マール遺伝子、が正しい名称で、
ダックスだけの話題でもダップル遺伝子とは呼びません。「ダップルのマール遺伝子」です。
「ダップル遺伝子」と書くのは間違いです。

マール遺伝子は常染色体不完全顕性遺伝Autosomal Incompletely Dominantします。
(顕性=優性  潜性=劣性)
常染色体は性染色体以外の染色体で、マールはオスメスの差なく遺伝するという意味です。
顕性とは一つの遺伝子座に異なる遺伝子が存在する時に、表に出る性質です。
マール遺伝子座の遺伝子(対立遺伝子)はMとmの2種類が存在することがわかっています。
モデル写真の犬たちのような通常のダップルのマール遺伝子はM/mです。
1頭の犬のマール遺伝子座に異なる遺伝子Mとmが存在する時にMが表現型、なのでダップル。


友人Aの写真の真ん中のブラック&タンのダックスは非ダップルなのでm/mです。
マール遺伝子座の遺伝子は異ならず、同じm遺伝子を対で持ちます。
対の遺伝子が同じ場合をホモ接合、異なる場合をヘテロ接合と言います。
m遺伝子は潜性で、ホモ接合で表現型になり、顕性M遺伝子が存在しない証明になります。
(隠れダップルについては今回は省略します)

この記事では写真を用意しませんがマール遺伝子座がM/Mだとダブルダップルです。
ダブルダップルのマール遺伝子座は非ダップルと同じホモ接合です。
不完全顕性Incompletely Dominantは、
ヘテロ接合とホモ接合の表現型に差がない完全顕性Completely Dominantに対する言葉で、
ここではダブルダップルと通常のダップル(ダブルに対してシングルダップルとも言います)では表現型に差があることを指します。


犬の毛色に関する色素遺伝子は基本的に全犬種に共通しています。
ですのですべての犬の染色体にマール遺伝子座があり、そこに1対の遺伝子を持ちます。
どの犬もマール遺伝子座の遺伝子を両親犬からそれぞれ1つずつ受け継いで2つ1対を持って1頭の犬として誕生します。

親犬からMとmのどちらを受け継ぐかは、親犬がどちらを持っているかによります。
非ダップルm/mの親犬が子に継承するのはm遺伝子のみ。
ダップルのM/m親犬が子に継承するのはM遺伝子とm遺伝子のどちらか1つ。
ダブルダップルM/Mの親犬が子に継承するのはM遺伝子のみ、の3通りです。

一方の親犬から継承されたM遺伝子かm遺伝子は、もう一方の親犬から継承されるM遺伝子かm遺伝子とともに1頭の犬のマール遺伝子座に収まります。
1頭の犬のすべての遺伝子座の遺伝子に同じことが起こります。
それが生殖です。
新たな1頭の犬の発生、誕生。

一方からm遺伝子を、もう一方からm遺伝子を受け継いだ子は非ダップルm/mダックス。
一方からM遺伝子を、もう一方からm遺伝子を受け継いだ子はダップルM/mダックス。
一方からM遺伝子を、もう一方からM遺伝子を受け継いだ子はダブルダップルM/Mダックス。


繰り返しばかりでちょっと字が多い説明になってしまいましたが、このように基本的な仕組みはそんなに難しいことではないわけです。
(もし難しく感じられてもワタクシの能力ではこれが限界です。ごめんなさい)


たいていのものごとは、基本があって応用できる・応用が利くもの。
基礎を土台に基本を組んでからでなければ応用の利かせようがないですよね。
でも“ググってもカス”系サイトも大多数のダックスのブリーダーや繁殖経験者も、
口を開けばダックスはダップルがあるから難しいとか遺伝病が出るなどと、
応用部分だけをさもわかったように言ったり書いたりほざいたりしています。
しかもその応用部分はほんの一部に過ぎない、どこででも誰でも見聞きしたような情報ばかり。
基本がグラグラしているし、なんなら土台は最初から朽ちていそうです。
(近頃はフリー画像の盗用まで立て続けに複数やられていて個人的に少々イライラしてます。すみません)


ダックスフントの遺伝病の99%以上は毛色とは無関係、も基本は何も難しいことはありません。
遺伝病の遺伝子と色素の遺伝子が別個に存在するから。ただそれだけです。

たとえば北欧諸国のスタンダードワイアーヘアードダックスフント集団内に見られる、
杆体錐体ジストロフィーという目の遺伝病の原因遺伝子は5番染色体上にあるNPHP4です。
潜性遺伝で親犬から子に継がせてしまうダックスフント骨形成不全症の原因遺伝子は21番染色体上に、
国内でも遺伝子検査ができる同じく潜性遺伝病のナルコレプシーは12番染色体上に、
マール遺伝子の所在地は10番染色体上にあるのですから。どれもOMIAで公開されています。

ついでに。ダブルダップルのダックスに高い確率で視聴覚障害が現れることは、
厳密には遺伝性疾患とは違うと捉えるのが正解とワタクシは考えています。
例として進行性網膜萎縮症(PRA)がPRA原因遺伝子によって発症するのに対し
ダブルダップルは視聴覚障害遺伝子が視聴覚障害の原因になるわけではなく、
マール遺伝子が作用した場所と程度が結果的に視聴覚を障害するから。

視聴覚に影響する場所にマール遺伝子が働かない幸運なダブルダップルは、、、
少なくはないのですがと書きかけましたがやっぱり止めにします。
遺伝病にならないダブルダップル!?とかってリライト記事が湧いたら血圧あがりそうだから(笑






クレジットフリーだからバレてないとでも?



posted by あきこ at 01:00 | Comment(0) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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