2017年12月21日

可能な限り根絶する努力/前編

今日は忙しくてこんな時間になっちゃいました。

シリーズで少々ご紹介いたしましたいつものオーストラリアの大学ではなく、
カナダ発信の犬の遺伝性疾患の病名翻訳。

トイプードルの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454436664.html
ポメラニアンの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454523066.html
チワワの遺伝性疾患    http://kotavi2002.seesaa.net/article/454889529.html
マルチーズの遺伝性疾患  http://kotavi2002.seesaa.net/article/455303526.html
シェルティの遺伝性疾患  http://kotavi2002.seesaa.net/article/455395110.html

どの記事でも「繁殖上では可能な限り根絶する努力がなされている」としました原文はこれ。
and where possible, efforts are being made to eradicate them.
  (Copyright c 2011 Canine Inherited Disorders Database.)

たぶん直訳だと伝わりにくいと思えたので「繁殖上では」を付け足していまして、
その補足説明を書いてみようと思います。


犬の遺伝病を根絶する努力とは
病気に関わる遺伝子が親犬から子犬に遺伝することにおいて、
遺伝病を発症する犬が生まれない組み合わせの繁殖を繁殖者がすることで、
逆を言えば遺伝病を発症する犬が生まれる組み合わせの繁殖も世の中に存在しているわけです。
「繁殖者が知っているのか知らないで発症する組み合わせを選んだのか」以前に
そういう組み合わせが存在することが事実だ、というお話です。

繁殖者本人が発症する組み合わせを選んでいると気づいていないケースが山ほどあるから、
わりと犬を大事に飼う文化も意識もあるはずの我が国が、
先進国では世界一の犬の遺伝病のデパート大国になっているんですよ。ぶっちぎりで。
主に野犬の抑留と殺処分を行政サービスに組み込んだ制度があるため、
動物愛護後進国だと嘆いて中途半端に問題提起する浅い意見もよく見ますが、
飼育動物への愛情面や飼育技術などが特に遅れているわけではないんですよね。
どちらかと言うと素人レベルの乱繁殖は動物を適正に管理する欧米思考を嫌い、
犬もヒトも等しく尊い命、式の仏教の考え方が元だと感じることがあるくらい。
日本人はいつも同じ過ちを繰り返します。
良かれと思って。知識は持たず。愛情たっぷり知識ちょっぴり。

話を戻します。親犬から継承される遺伝病の場合、
この視点で見ると犬の繁殖は基本的にその2種類しかありません。
当然ながら前者が犬の遺伝病を根絶する努力に相当しまして、
繁殖者の立場や職業や意識や知識などなどの事情で変化したりしない事実です。
誰がどの犬におこなっても繁殖は基本的にその2種類のどちらかに振り分けることができるから。

家族同然の愛犬の自然な恋愛だ結婚だ出産だと愛情の名の下にいくらキレイに言っても、
無配慮な素人繁殖は無配慮な素人繁殖でしかなく、(ついでに重度の擬人化)
安売りの愛と病気や遺伝の正しい知識のどちらを重視するかは言うまでもないのです。
なので飼い主の心情がどうのこうのは別に考える必要があります。

で、ただ単にオス犬とメス犬を掛け合わせて子犬を産ませるだけの素人レベルの繁殖は、
遺伝病を発症する犬が生まれるか生まれないかの2種類に照らし合わせて、
遺伝病なら遺伝病に対してどっちの組み合わせなのかが不明な状態を指す表現なのです。
犬以外でもすべての家畜動物と(動物園など)野生動物でも飼育下なら同じです。

それが世界基準と言いますか、別に世界会議で決まったわけではなく、
生き物の繁殖を操作するならそれがただ単に真実なのです。

繁殖者自身がそもそも組み合わせがあることに気づいていない(レベル1)〜
遺伝子検査を1つだけしてみた(レベル2)〜
ショーに出さないならスタンダードにこだわらなくていい(レベルマイナス10)〜
のような繁殖をまとめて、
ワタクシはわかりやすい言葉として「乱繁殖」と言い表すことが多いです。

重要ポイントは
犬の遺伝病を根絶する努力は1種類の遺伝病に対してそれぞれにおこなう
という点。
遺伝子検査ができる/可能な遺伝病に対しての努力、じゃなくて。
この努力をしない・できない・足りない・知らない繁殖が乱繁殖なのですよ。
子犬を産んでくれる愛犬がどれだけ飼い主家族に愛されているかとか、
臭くない汚くない家庭のリビングで飼われている小規模繁殖な自称ホビーブリーダーは、
TVで見た悪徳業者のように不衛生じゃないからとか何だとか、
そういう次元の話では無いのですが、なかなかわかってもらえないですよねぇ・・。


親犬から子犬に遺伝する犬の遺伝性疾患
の発症する組み合わせの結果はふつう確率の問題なのですが、

って書きかけたけど長いから分けることにします。つづく。




写真がないペットブログって、さすがにつまんない、と今頃気がついてみる
posted by あきこ at 22:00 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月12日

辻希美という芸能人による乱繁殖

あーあ。

https://ameblo.jp/tsuji-nozomi/entry-12335824212.html

母犬は雑種 
マルプーってハッシュタグあるのでマルチーズ×プードル(トイだろうが)のF1雑種。

1匹の赤ちゃんが生まれました。

ただ…様子がおかしく…
すぐに病院に連絡をし、診てもらうと
「腹壁破裂」という生まれ持った病気で
助ける事ができないといわれてしまいました

でも、うまれた瞬間一生懸命小さな小さな産声をあげてくれて、、、、どうにか助けて。
っと必死に願い…

先生に何度も生かしてください‼︎とお願いをしましたが、、、
その後すぐに息をひきとりました…。。。

    https://ameblo.jp/tsuji-nozomi/entry-12335824212.html


お子さんに生き物の命の尊さを伝えたかったとかそういう理由なのでしょうかね。
だとしたら若い親によくある過ちですよね。

辻希美さん
犬の繁殖はヒトの結婚や妊娠出産と同じように自然なことに思えても別モノです。

「腹壁破裂」という病気を生まれ持った子犬が不幸にも亡くなったことはとても残念です。
が、
亡くなった子犬に「腹壁破裂」という病気を持たせて誕生させたのは自分だということを、
どうかご理解くださいますように。

ヒトでも稀に見られる症状です。
ヒトの場合は誰のせいでもありません。

でも犬はそうじゃないんですよ。
繁殖者が「腹壁破裂」で亡くなる子犬を誕生させる組み合わせを選んでしまった。


配慮不足の不勉強な乱繁殖は今回限りにしてくださいね。




子犬の魂が安らかでありますように。アーメン
posted by あきこ at 20:00 | Comment(2) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月07日

シェルティの遺伝性疾患

シリーズ第5弾
トイプードルの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454436664.html
ポメラニアンの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454523066.html
チワワの遺伝性疾患    http://kotavi2002.seesaa.net/article/454889529.html
マルチーズの遺伝性疾患  http://kotavi2002.seesaa.net/article/455303526.html

CIDD
Canine Inherited Disorders Databas
カナダの獣医師会&獣医大学発信の犬の遺伝病のデータベース情報の翻訳です。
日本国内の犬は多くの犬種でアメリカから輸入された血統が入り込んでいますし、
純血種の犬籍は大雑把にはアメリカとカナダはイコールで結べますので、
我が国の犬たちに基本的には直結すると考えていいと思います。

ただし日本では素人レベルの乱繁殖が大多数なのでカナダもアメリカも凌駕しています。
独自に悪化し続ける理由は
「飼い犬の繁殖については飼い主が決定するもの」という、
未熟でお粗末な遅れた考えを正しいと思う人々が多いからです。


心の友に日頃の感謝と敬意を表して今日はシェルティ。
http://discoveryspace.upei.ca/cidd/breed/shetland-sheepdog

最重要疾患
この遺伝病は外科的な治療の必要がありあなたの愛犬の健康に重大な影響を及ぼす
シェルティに比較的一般的な遺伝性疾患といえる
繁殖上では可能な限り根絶する努力がなされている


コリーアイ
難聴
皮膚筋炎および潰瘍性皮膚病
動脈管開存症
フォンビルブランド病

※遺伝子検査ができる・できない・しない・できない・できるの順に並んでます。
遺伝形式は(基本的に)上からAR、色素関連ならADとARで関連ナシなら多因子と不明とAR、AD、X連鎖、AIDとAR


発生率が増加している遺伝病
カナダとアメリカではさほど致命的でもない  ※日本では超深刻!!

白内障
カラーミュータント脱毛症
角膜ジストロフィー
停留精巣
まつ毛異常
股関節形成不全
微小眼瞼 ←!
進行性網膜萎縮症
進行性網膜萎縮症 ←大事なことだから2回書きましたかな?(単にミスだとは思いますがw


シェルティの遺伝病として入り込む可能性がある遺伝病  ※日本ではすでに出まくり
特発性てんかん ←「突発(的)」と混同しがちなので注意
血友病     ←複数の凝固障害を含んで説明されています
甲状腺機能低下症
円盤状皮膚エリテマトーデス


参考
シェルティレスキューさん「皆様に知っておいて欲しいこと」(皮膚筋炎)
http://www.help-sheltie.net/top_oyakudachi.html

イリノイ州(アメリカ)のシェルティレスキューさん 皮膚筋炎写真など
(※たぶんエリテマトーデスのコが混じってるような) (英語
http://www.illinoissheltierescue.com/dm.html




微小眼瞼を日本語でググってみたら無関係なサイトしかヒットしない(このブログが2ページめに出てくるくらいだもの。書いてないはずなのに)。はーぁ。

posted by あきこ at 20:00 | Comment(5) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月05日

遺伝子検査/親犬?子犬?

先日書いた記事にご質問をいただきました。
2017年11月24日 優良ブリーダー 見分け方
http://kotavi2002.seesaa.net/article/455105551.html

遺伝病への取り組みはどうかという視点でブリーダーを見分けたいなら、
その犬種が検査可能な遺伝子検査を全部済ませているのが最低中の最低ラインです。
と書いたら、「検査を済ませた子犬を求めるのが良いのか?」的に。

わーあ!仰るとおりですね!そういうふうにも感じられる書き方だ!
なんとも紛らわしい表現ですみませんでした。

検査を済ませるのは繁殖をする犬、つまり両親犬です。
ブリーダーの考え方によって変わるようなことはなく、どこも同じです。世界共通で。
これはですね、遺伝子検査ができる遺伝性疾患の遺伝形式が、
基本的に常染色体潜性遺伝だから、とも言えます。

遺伝の話は興味がない人には難しく感じるものみたいですが、
基本部分は中学校で習う誰だって理解できることですから、
あやふやな部分まで知ったかぶって背伸びをする必要なんか本来ないんですよ。
犬だろうが猫だろうが爬虫類だろうが魚類だろうが動物の繁殖に関わるなら、
構えすぎないで当たり前の事実を素直に学び直すといいんじゃないでしょうかね。
犬関連でわからない点は聞いてくれれば知ってることは答えますし。ワタクシでよければ。
偏見を捨てて素直に情報を入れるようにしないと「遺伝病(の犬や猫)が出た=乱繁殖」とか
「珍毛色が出た=突然変異」みたいな辻褄の合わない裏庭鰤思考に行っちゃいそうです。

さて。
そんなこんなで実際に遺伝形式はどうなのか。
確認分は1つ前の記事をご覧ください。
2017年12月04日 検査可能な遺伝病の遺伝形式 
http://kotavi2002.seesaa.net/article/455326506.html

見ておわかりかと思いますが「あ行」の一番上から20個くらいチェックしてみると、
見事なくらいARばかりという結果でした。
ですので遺伝子検査ができる遺伝病はほとんどがARだ、と言うことができますね。
そうしましたら次はARの性質を思い出してください。

ちなみに当ブログ過去記事からARの性質に関する短い説明の記事
2006年01月17日 犬 遺伝 警鐘 2
http://kotavi2002.seesaa.net/article/11838171.html

同、これでもかってほど長くクドい説明の記事
2013年12月05日 犬の肺マック症 (後半2/3あたりから)
http://kotavi2002.seesaa.net/article/381977145.html

※2つめは今自分で読み返してみて爆笑するほどクドかった(笑

つまりARの性質を簡単に書くと
PRAなどARの遺伝病は「シンプルに」1つの遺伝子変異に原因があるので、
どの犬も「PRAに関する遺伝子」を必ず2つ(1対)持っているのだけど、
因子の種類は「シンプル」だから3種類でその組み合わせは以下の6通りになる、ということ。
1.【PRA発症】【PRA発症】
2.【PRA発症】【PRA因子運び屋】
3.【PRA発症】【PRAに罹らない】
4.【PRA因子運び屋】【PRA因子運び屋】
5.【PRA因子運び屋】【PRAに罹らない】
6.【PRAに罹らない】【PRAに罹らない】

6通りのうちのどれか1つが1頭1頭の犬に必ず当てはまるのが遺伝性疾患であり、
ある犬の組み合わせが「1.」なのか「5.」なのかがわかるのが遺伝子検査。
ここまで来たら最後はメンデルの法則だけ。

ふつうは「6.」の犬だけを繁殖させるので、その掛け合わせなら何頭生まれても
生まれる子はすべて「6.【PRAに罹らない】【PRAに罹らない】」だから。
というのが通常の繁殖でなされているはずなのです。
子犬を調べる必要がないわけですね。わかりきっていることなので。
そのような理由で遺伝子検査済みの子犬を売るといったやり方を誰もしないわけです。

注意しておく方がいいのは、これはARのみに通用する話だという点です。
たとえば、パテラとか白内障とかアレルギーなんかだと、
「遺伝子検査が無いから」ではなくて「ARじゃないから」複雑になっていきます。
どっちにしてももっともっと単純に親犬は元気だからそれは遺伝病じゃない!
とか言っちゃうぶりぃだぁだらけですから、我が国のレベルはいまだ。はーぁ。





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posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月04日

検査可能な遺伝病の遺伝形式

明日UP予定の記事の前半戦です。
書いてたら長くなってしまったので資料部分を切り離しました。

犬の遺伝子検査ができる遺伝性疾患の種類がずいぶん増えてきましたねー。
とても良いことです。
病気が増えたわけじゃなく正体不明だったものがバレる数が増えてるんですからね。
それで、「検査ができる遺伝性疾患の遺伝形式は基本的に常染色体潜性遺伝」
っという記事を仕上げる予定でして、遺伝形式をちょっと確認してみようぜと書いた部分。
例にしたのはどーこーにーしーよーうーかーなー
っと適当に選んだオリベットさんです。

オリベットさんの「犬種別検査リスト」の「あ行」を例にします。
下記の図は http://www.orivet.jp/testlists/A.php からの引用です。
A A.jpg

A A2.jpg


↑より病名だけピックアップ↓

びっくり病/過剰驚愕症
イヌ白血球粘着不全症
球様細胞白質ジストロフィー/クラッベ病
神経セロイドリポフスチン症(CL症)
進行性網膜委縮症 rcd1 PRA
進行性網膜委縮症 rcd4 PRA
変性ミエロパチー/変性性脊髄症 (DM)
進行性網膜桿体-錐体変性症 (prcd PRA)
原発性水晶体脱臼 (PLL)
常染色体劣性遺伝腎症(家族性腎症)(FN)
運動誘発性虚脱 (EIC)
ホスホフルクトキナーゼ欠損症
小脳性運動失調
高尿酸尿症/高尿酸血症
黒色毛胞形成異常症
イヌ多発性網膜症
第7因子欠乏症
錐体変性症
ポリニューロパシー/多発性神経症 (NDRG1)
常染色体劣性遺伝腎症/家族性腎症
腎形成異常
進行性網膜桿状体-錐状体異形成タイプ(prcd)
運動誘発性虚脱
多剤耐性遺伝子MDR1

こんなもんでしょうか。色素遺伝子は今はいらないので除外しています。
それとダブり部分だけ消したつもりですが消えてなかったらごめんなさい。
次に遺伝形式の確認。
本当は同じサイト内に各遺伝病についての個別説明があると親切ですが、
(オリベットさん、ぜひご検討ください)
なかったのでワタクシは自分のデータベースを確認。
必要な方はどうぞお使いくださいね。
http://www.geocities.jp/kotavi2002/00new/Index-disease.html

確認すると、Iウルフハウンドのびっくり病から最後のイベルメクチン不耐まで、
全部が全部常染色体潜性遺伝で間違いありませんでした。
autosomal recessive です。

どっちを書いても長いんでワタクシはいつも「AR」と略しています。

尚、「検査可能な遺伝病の遺伝形式はARが多い」ことを、
犬の遺伝病はARが多いと読み間違う人が世の中にわりといるのでどうぞご注意ください。
ぜんぜんそんなこたありません。
それとこれとは別モノですから。




ジングルベール
posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月03日

マルチーズの遺伝性疾患

シリーズ第4弾
トイプードルの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454436664.html
ポメラニアンの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454523066.html
チワワの遺伝性疾患    http://kotavi2002.seesaa.net/article/454889529.html

CIDD
Canine Inherited Disorders Databas
カナダの獣医師会と獣医大学発信の犬の遺伝病のデータベース情報の翻訳です。
日本国内の犬は多くの犬種でアメリカから輸入された血統が入り込んでいますし、
純血種の犬籍は大雑把にはアメリカとカナダはイコールで結べますので、
我が国の犬たちに基本的には直結すると考えていいと思います。人気犬種はとくに。
おじいさん犬はアメリカチャンピオン!とかって聞いたことあるでしょ?それです。

ただし日本では素人レベルの乱繁殖が大多数なので独自に悪化し続けていますが。
いわゆる素人繁殖はもちろんそうですし、
ブリーダーを名乗って子犬をなんじゅっぴきも生産販売している人とかも、
ワタクシのこれまでの経験から推測すると犬の繁殖者の半数以上(の割合)は、
素人レベルの乱繁殖しかできていないんですよ。プロっぽく見えても。
だから日本が犬の遺伝病のデパート状態のままなんです。


今までもその素人レベルの乱繁殖の見分けかたみたいなことをお伝えしておりますが、
ワタクシのアタマもマズイせいでなかなかすんなりと皆さんに伝わりません。
ま、がんばりますけどね。
判断が難しければ犬舎のHPがあれば見所や見分けポイントをより具体的に説明できますので、
どちら様でもお気軽にコメントくださいねー。

さて、マルチーズのページ
http://discoveryspace.upei.ca/cidd/breed/maltese-terrier

最重要疾患
この遺伝病は外科的な治療の必要がありあなたの愛犬の健康に重大な影響を及ぼす
マルチーズに比較的一般的な遺伝性疾患といえる
繁殖上では可能な限り根絶する努力がなされている

・動脈管開存症


心臓のすぐそばの血管の奇形のような病気です。心臓病です。
ググればいくらでも情報が出てきますがイイ感じのわかりやすいサイト、
東京都大田区の池上アクア動物病院さん「動脈管開存症の開胸手術」
http://www.ikegami-aqua.jp/blog/cat6/post-47.html


発生率が増加している遺伝病
カナダとアメリカではさほど致命的でもない  ※日本では超深刻!!

停留精巣
水頭症
門脈シャント
ホワイトドッグシェイカー症候群


マルの遺伝病として入り込む可能性がある遺伝病  ※日本ではたぶんすでに出まくり
難聴
緑内障
僧帽弁形成不全
進行性網膜萎縮症
網膜形成不全
皮脂腺炎

翻訳は以上。
マルチーズは単体でも人気犬種のままだけどF1雑種の片親としても依然人気は高し。
掛け合わされる相手犬種が同じ遺伝病を持っていれば、
雑種強勢神話がそこでストップ!なのが世の中に伝わるといいなぁ。

それから。ある程度年をとってからじゃないと気づかない遺伝病ってたくさんあるんです。
犬の遺伝病は先天性疾患とまあ同じ意味だけど、
先天性疾患がすべて生まれつき症状が出てるかったらそうとは限らない。
生まれつきその遺伝病を持っているけど10歳過ぎてから症状が悪くなってきてはじめてわかった、
みたいなことはいくらでも存在します。
だから繁殖引退犬をポンポンとサトゴニダス=飼育放棄しちゃう自称ブリーダーは、
その部分だけでもロクな繁殖をしていないのが丸わかりになるわけです。

「ぶりぃだぁさんのおうちは他にもたくさん犬がいるから、
大事にされてることはされてるけど、
1頭だけでたっぷり愛情をかけてもらったほうがワンチャンも幸せなはずー」
とかなんとかって結構皆さんそう思ってるでしょ?
それは別に間違いではないけれど、「ブリーディングの観点」からはボツな話だってことです。
ブリーダーが繁殖に使った全犬の高齢時の様子を把握しないでどこがブリーディングだっつの。


参考
クロアチア?のラボ 遺伝性の目の病気についてイイ感じ説明のサイト(英語)
AnimaLabs「Inherited Canine Eye Disorders」
http://www.animalabs.com/inherited-canine-eye-disorders/

アメリカマルチーズ協会の遺伝性難聴の説明ページ(英語)
https://www.americanmaltese.org/ama-health-information/canine-inherited-deafness

ホワイトドッグシェイカー症候群のマルチーズ ※振戦に注目





クーリスマスが今年もやって来る
posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月17日

チワワの遺伝性疾患 検査

1つ前の記事のつづきです。
2017年11月15日 チワワの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454889529.html

さらっとお伝えしたように、我が国の多くの犬たちが、
メイドインアメリカの血脈を持っていることは周知の事実です。
どういうことかと言いますと、
誰かが数頭単位で輸入した犬種が、ひとたび人気の兆しを見せると、
猫も杓子もツテを頼って代行させたり自ら買い付けに飛んだりなどで、
とにかく親犬を揃えるわけです。その勢いはだいたい年単位で続きます。

ちわわで言うなら99年頃スタートのロングコートの人気着火時あたりから、
個人的な印象を語るとそれまでの他犬種のAMCH重視方式でもなく、
クリームや白勝ちなど淡い色の毛色主体みたいなケネル入舎をずいぶん見た気がします。
(トイ)プードルにもワタクシは同じような印象を抱いていまして(色モノ・赤系)、
だから2犬種ともダックスほどの桁外れな量産は免れているわりに遺伝病が勢いよく拡がっており、
小型犬だから骨が細いだ華奢だ折れてハズれて当然だという風評が一人歩きし、
本当に謎ですがいくら専門知識を持たずとも一般の飼い主さんはことごとく信じ込み、

パテラちわわが巷にあふれる地獄絵図

いつも似た表現になってしまって恐縮ですが、
パテラの検査をしないで繁殖を繰り返すバカは、未検査繁殖の子犬が売れる限り消えません。
だって売れるんですもん。でしょ?

と言うことはショップでも業者直販でも買ったちわわがパテラを発症したorするなら、
買った人が未検査繁殖を応援していることにしかならないんですよ。
縁の下の力持ち状態ですよ。遺伝病で苦しむ犬のための。


かわいそうに思わないもんなんですかね?
小型犬は外科手術での整復をせずともパテラだけが原因で寝たきりにまではならないとは言え、
ただ歩くだけで違和感や痛みがある状態が一生続くことを。
ギャンギャン泣き叫んで血がダラダラでもないと重大なことだと思えないもん?
ワタクシにはただただ理解不能です。
パテラ未検査繁殖の奨励が。



さて。
パテラの他に世の中に存在するちわわの遺伝病の遺伝子検査をご紹介(これが本題)。
OFA EmbarkとVetGenの2箇所
Macrothrombocytopenia 巨大血小板性血小板減少症のことです。
だけ。

国内
有限会社カホテクノさん
PRA
株式会社VEQTA(ベクタ)さん
PRA
vWD
だけ。



おまけ。すこーしだけ。資料。

2002年
浜崎あゆみ写真集
 チワワ
2002年〜2006年
CMアイフル
 チワワ
2004年頃
パリス・ヒルトンが愛犬をキャリーバッグに入れて連れ歩く報道
 チワワ
2005年
めざましテレビ、ほか
ニューヨークでデザイナー犬(F1雑種)が人気
 小型のF1雑種の乱繁殖ブーム始まり



犬の繁殖では遺伝子検査は単に確認のため、なんだけどね

posted by あきこ at 20:00 | Comment(4) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

チワワの遺伝性疾患

シリーズ第3弾
トイプードルの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454436664.html
ポメラニアンの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454523066.html

CIDD
Canine Inherited Disorders Databas
カナダの獣医師会と獣医大学発信の犬の遺伝病のデータベース情報の翻訳です。
日本国内の犬は多くの犬種でアメリカから輸入された血統が入り込んでいますし、
純血種の犬籍は大雑把にはアメリカとカナダはイコールで結べますので、
我が国の犬たちに基本的には直結すると考えていいと思います。人気犬種はとくに。
ただし日本では素人レベルの乱繁殖が大多数なので独自に悪化し続けていますが。
ワタクシはそこそこな数の「犬の繁殖者」を直接知っておりまして、
その経験に基づいて素人レベルの乱繁殖が大多数だと言い切ることができます。

ちわわのページ
http://discoveryspace.upei.ca/cidd/breed/chihuahua

最重要疾患
この遺伝病は外科的な治療の必要がありあなたの愛犬の健康に重大な影響を及ぼす
チワワに比較的一般的な遺伝性疾患といえる
繁殖上では可能な限り根絶する努力がなされている

・パテラ

※パテラは「ジャンプするから」「フローリングで滑るから」発症するのではなく遺伝病です
参考 当ブログ内過去記事)2014年02月06日 犬の膝蓋骨脱臼の考察 http://kotavi2002.seesaa.net/article/387444044.html

発生率が増加している遺伝病
カナダとアメリカではさほど致命的でもない  ※日本では超深刻!!

キアリ様奇形および脊髄空洞症
カラーミュータントアロペシア
角膜ジストロフィー
停留精巣
アカラス
緑内障
水頭症
乾性角結膜炎(ドライアイ)
僧帽弁形成不全(閉鎖不全、ほか)
動脈管開存症
パターン脱毛
進行性網膜萎縮症
肺動脈狭窄症

中でも要注意の遺伝病
カラーミュータントアロペシア

チワワの遺伝病として入り込む可能性がある遺伝病  ※日本ではたぶんすでに出まくり
血友病
神経軸策ジストロフィー
二分脊椎(症状の1つに水頭症がある)


参考
乳児型神経軸索ジストロフィー(INAD)マウス(1)


二分脊椎(軽症例)


二分脊椎(中〜重症例)



あちこちのヘルニアや口唇口蓋裂や鎖肛のような一目でわかる奇形も多いし
アジソンやクッシング系の内分泌疾患が山ほど出てるし
手根骨亜脱臼なのに飼い主はまるで気づかないでブログに写真載せてたり
離断性骨端炎や骨軟骨症みたいな遺伝病もありまくりだけどこの記事はCIDDの紹介なので。




スペルはちふぁふぁで覚えました

posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月01日

CL症まとめ

基本的に当ブログ内の記事関連のまとめなので大したモノではありません。

2006年03月07日 ()ボーダーコリー
発症・死亡犬の出身犬舎情報の転載、ほか
http://kotavi2002.seesaa.net/article/14364156.html

2006年08月28日 ボーダーコリーCL病について
上記の続編と2011年時点での遺伝子検査機関情報、ほか
http://kotavi2002.seesaa.net/article/22947779.html

2011年01月12日 神経セロイドリポフスチン症
OMIAリストにCL症の亜型が増えた話題
http://kotavi2002.seesaa.net/article/180380103.html

オマケ
2013年12月16日 繁殖の組み合わせ
CL症やGシェパのDMのような単純な潜性遺伝の説明
http://kotavi2002.seesaa.net/article/382862431.html

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本家本元ごえママさんのサイト
goe.jpg

http://www.rei2.net/goe/

あと、最近お見かけして勝手にリンクさせていただいた新たなCL症発症犬のサイト
コメントができないブログなのかな?リンクをお知らせできません。
可能ならば血統書の犬名や犬舎名の公開の転載をさせてほしいです。

http://blog.crooz.jp/riku414/
http://anonyasutaro0414.blog.fc2.com/
2014年10月に2歳6ヶ月で亡くなったボーダーコリー りく君
2015年5月に3歳1ヶ月で亡くなったボーダーコリー  Anonちゃん

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この記事作成時点でのOMIAリストのCL症 9型

神経セロイドリポフスチン症1型  ダックスのみ
神経セロイドリポフスチン症10型  アメリカンブルドッグのみ
神経セロイドリポフスチン症12型  チベタンテリア
神経セロイドリポフスチン症2型  MLダックス
神経セロイドリポフスチン症4A型  アムスタのフランス血統
神経セロイドリポフスチン症5型  ボーダーコリー
神経セロイドリポフスチン症6型  オーストラリアンシェパード
神経セロイドリポフスチン症7型  チャイニーズクレステッドドッグ
神経セロイドリポフスチン症8型  イングリッシュセッター
神経セロイドリポフスチン症(総合)

アメリカやイギリスやオーストラリアで確認されている他の犬種
ゴールデンレトリバー
オーストラリアンキャトルドッグ
サルーキ
チワワ
ミニチュアシュナウザー
※現在「総合型」に数えられているのでいずれ亜型にわかれる(数が増える)かもしれない。

犬の遺伝病のうちライソゾーム疾患は他にもたくさん種類があり、
遺伝子検査が可能な単純な常染色体潜性遺伝病もたくさんある。

あとは重症発症犬の誕生を減らす方向に行けばいいだけなのに、
・・・・・・。
ごえもん君たちーほんっとオバちゃん力不足でごめんねー。
でもまだがんばるからキミらもそこからまだ応援しててねー。




うちの男の子チームはそこで立ったまま24時間応援せよ。先にいった罰じゃ
posted by あきこ at 20:00 | Comment(4) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月29日

ポメラニアンの遺伝性疾患2

同じタイトルの記事が過去にあったのでこれは「2」とします。
2008年03月03日 ポメラニアンの遺伝性疾患  ←地味に息の長い人気記事です
http://kotavi2002.seesaa.net/article/87616386.html?1509273974

昨日のトイプーと同じシリーズです。
ポメラニアンの遺伝病のページ(英語です)
http://discoveryspace.upei.ca/cidd/breed/pomeranian
Copyrightc2011 Canine Inherited Disorders

この遺伝病は外科的な治療の必要がありあなたの愛犬の健康に重大な影響を及ぼす
ポメラニアンに比較的一般的な遺伝性疾患といえる
繁殖上では可能な限り根絶する努力がなされている


・動脈管開存症(血管の奇形のような状態の心臓病)


発生率が増加している遺伝病
カナダとアメリカではさほど深刻な状態ではない  ※日本では超深刻ですからね!!


停留精巣
まぶたの内反
アロペシアエックス(ポメはげ)(プードルでもポメはげ)
水頭症
パテラ
洞不全症候群(シニア期以降に発症する心臓病なので老化と診断されるだろう)
気管虚脱


動物病院での症例が散発的に報告されているので
ポメでも遺伝性の可能性があるその他の遺伝病   ※日本ではポピュラーですからね!!


白内障
周期性好中球減少症(グレーコリー症候群のこと)
甲状腺機能低下症
椎間板疾患
進行性網膜萎縮症
SA皮脂腺炎


・・・・・・。書いててアホらしくなってくるほど少ないのね、
カナダ&アメリカのポメの遺伝病。
ああむなしい。




低血糖僧帽弁レッグペルテス歯突起皮膚病水頭症環軸クッシング鼻涙管閉鎖アトピーアレルギー鎖肛的な奇形も山ほど

posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする