4.職業ブリーダー
文字通りブリーダー業・・つまり犬を売ることをメインの職業としている
(※ただし本来のブリーダーという言葉にあてはまるかは大いに疑問)
トップブリーダーからひよっ子ブリーダーまで
プロブリーダーと自称し犬業界だけでなく一般からもプロと呼ばれる
ある意味本当にプロ
ハンドラーやトリマーやショップ経営または勤務など関連業に就いている場合が多い
数は少ないが獣医師やジャッジの場合もある
看板犬はCH犬で、秘蔵犬を除き交配の斡旋や紹介を誰にでもする
遺伝性疾患について少しは知識を持つが出れば隠す
個体の病気面などでクレームがくるとキレる
同犬種より他犬種ブリーダーとのつながりが多い
ドッグショーには頻繁に出陳する
繁殖引退犬をよく飼育放棄する
アンギュレーションやテンペラメントという言葉はよく知っているが、
横隔膜ヘルニアや血液の病気などの遺伝性疾患で新生児が死亡することは知らない
知らないから致死遺伝子を持たせた子犬を(悪気なく)健康だと言って売る
一犬種だけの場合もあるし複数犬種を扱う所もある
犬の管理はピンキリだが、行き届いた環境に見えることが多い
子犬の売り方は様々で、出来栄えの良さそうなものは高値
雑誌やHPでの宣伝・紹介・ショップへの卸し・ネットオークションなど
5.パピーミル
パピーは子犬、ミルは工場の意
管理頭数は2桁後半〜3桁
ほとんどが多犬種で最近は血統書申請すら省ける1代ミックス犬も売れ筋
目がつぶれていようが手足に異変があろうが気にせず産ませる
基本的に売るために生産を繰り返すので毎シーズン交尾させる
頭数が増えるほど出産も頻繁にある
出産時の事故が多い
散歩はさせない
子犬は生体セリ市やペットショップに卸す
ドッグショーへの参加はほとんどない
遺伝性疾患の検査はしない
たまに単犬種だからって1か2を自称している5がいる(ワタクシは見ました!)
6.バックヤードブリーダー
本来は資格や知識を持たずテキトーに裏庭で繁殖させて子犬を売る愛犬家の意
犬好きで人あたりの良い人が多い
規模の小さいパピーミル
基本的に売るために生産を繰り返すので出産回数は多い(1頭が5回とか)
日本では「個人ブリーダー」と触れ込んでいればたいていこれ
たいてい最初のペット犬の可愛さから繁殖を始める
普通の素人繁殖もこれ
扱う犬種は小型犬が多く、「頭数が少ないので愛情たっぷり♪」などもよく聞く
5頭以上になると躾がほとんどできない
(とくに自家繁殖犬の社会性の無さが目立つ)
頭数が増えると経費もかさむので養うために出産回数も増える(悪循環)
遺伝性疾患の検査は必要ないと思っている(ってゆーか判明するとマズイ)
個体の病気面などでクレームがくるとキレまくる
その際にはHPで被害者ぶって愚痴るか、あるいはBBSが炎上して閉鎖となる
交配斡旋は喜んでやるし素人繁殖も手放しで祝福する
繁殖引退犬は飼育放棄することもあるが生涯を看取るケースもある
去勢避妊(総じて不妊処置)はカワイソウと思っている
死産や新生児死亡が多く、「お星様になった」とよく言う
ペットタイプブリーダーなのでショーには興味がないなどと言う
時々付き合いや犬質が高い犬が出た!などの思いこみで出陳する
そのわりには看板犬だけCH犬だったりCH直子なことを暗に自慢する
とにかく全般的にカンチガイさんが多すぎ
5と6(一部の4も)にほぼ共通する事柄として
遺伝については知らないし覚える気もあまりない
性質の遺伝についてももちろん深く考えないから、
どうにも吠える犬やシャイやビビリがたくさん出る
売りっぱなし、あるいは生産した犬の繁殖には無頓着・野放し
畜犬登録、狂犬病予防はしていない
頭数が増えると手入れが行き届かなくなり、長毛種は汚いままか丸刈り
ドライフードのブリーダーズパックをブリーダー専用のフードと言う(笑)
犬は犬慣れはしているし人への噛みつきなどもほとんど無いが、
トイレの躾から吠え癖はもちろん、基本的な服従訓練もしない(できない)
(1代ミックス犬以外は)付加価値になるので血統書は発行する
ワタクシが本日力説したいのは、とくに6です
単犬種専門犬舎、みたいな言葉がHPにあれば、
普通の人はたいてい信じます。
その人の人柄は良い感じですし、ほんのちょっぴりくらいは犬について詳しいから
ほんっっとに「このブリーダーさんなら安心」って思えてしまいがち。
いやいやいやいや。
シロートハンショクにケが生えただけですから。
一腹全部を売る・・ってのがしょっちゅうあって、
しかも「血統書つきでーす♪」がブリーダーとしての当然のサービスとか思っていて、
犬の病気はどれもこれも運命と飼い主の管理のせいだとか言っちゃう人で、
犬好きだけじゃブリーダーなんてやってられないのよー
なんてブリーダーさん(笑)がいたら、
それは1でも2でもなく、6です。
※“その1”とこの記事に共通することとして、ここであげた項目は「傾向」です。
それと2は4になりやすいのと反対に、3が1になることもあるかもしれません。
ブリーディングは決して繁殖回数の経験だけで成長できるような域の行為ではなく
感情論より科学的なものの見方が当然必要であり、
また繁殖も販売も個人個人の自由な日本では、
ろくでもないブリーダーをなくすことはできないと嘆きそうになりますが、
かえって一般飼い主の希望が寄り集まった声が
正統な繁殖を広める力になることも期待できます。