ダックスフントのダップル(他犬種ではマール)という毛色は、
1頭のダックスが誕生する前の胎子の時代に、
場合によっては成長を妨げる性質を持つ因子が関連します。
ダブルダップルはその成長障害がダブル(2倍)で起きる場合もあります。
でも、そのことと“遺伝性疾患”は、それぞれ別々に起こっています。
日本のML&KLダックスは、他では見られないほど数多くの遺伝病を増やされた
世界中で一番気の毒な犬種とワタクシには感じられます。
ダックスの遺伝病は、おそらく100種類を軽く超えると考えられます。
その理由は悪徳なブリーダー・業者だけのせいではありません。
不衛生なパピーミルや近親繁殖やダップル模様だけのせいでもありません。
愛情たっぷりの優しい飼い主さんや、
ダックスを愛する繁殖者たちが、
正しい知識を持たないまま、そうとは気づかず、
悪意の無い乱繁殖を繰り返すことが大きな原因です。
ダックスが元々遺伝病の多い犬種というわけではないのです。
そんなつもりはなくても、無知からずさんな乱繁殖をしてしまった過去は消せませんが、
正しいことを知って、知識に替えて、同じ過ちをおかさないようにすることは可能です。
ご意見やご質問などはどちら様でもご遠慮なくコメントください。
ダックス関連 当ブログ内過去記事2006年06月20日 増える障害犬2013年12月15日 繁殖に向かない犬
2013年12月21日 無理な繁殖 vol.32014年01月26日 かごしゅ?のポリポー?
2014年02月08日 捨てられやすい犬種2017年10月12日 雑種強勢!ミックス犬は丈夫!2017年11月03日 スタンダードにこだわらないと2017年11月04日 スタンダードにこだわれバカめが2018年07月23日 ダップルと遺伝病は別モノだった!?ここまで2018/08追記
先日いちごままさんからリクエストいただきましたこの話題、
あまり考えずに「任せとけ」みたいな返事をしましたが、
このテの話を展開するためにどーしても必要な「写真」でいろいろつまづいておりまして。
それでもなんとか探し集めたのがいくつかあるので見切り的ですがとりあえず発車しましょう。
ダックスの写真でまとめるといいんだろうけどこの記事に見合うダックスのが見つけらんなくてすまん。
犬の毛色遺伝子は基本は全犬共通なので大目に見てくだされ。
注釈のない写真はすべてbyフリーサイト。この記事は写真多しです。
まずはパイボールドとはなんぞ。(ラブちゃんズとゴルさん以外ね)
バニもコギもボダもパイボールドとは呼ばないけれど毛色遺伝子的にはパイボールド、
白色と白以外の有色のブチで、その境目がハッキリしている。
piebald の直訳は「まだら」「(白と有色の)ぶち」、キレイな白黒のカササギ―英名MagpieのPIEが語源だそう。
このカササギの写真は
ウィキのこちらよりお借りしてます。なるほど境目クッキリ白黒だ。
そんな感じで犬では白と他の色とのブチ柄の毛色をパイボールドと大まかに表現します。
犬種の毛色の名称としてはブラックアンドホワイトとかR&Wレッドホワイトみたくわかりやすく呼ぶのが一般的。
と言うことはうちの犬たちも大きなくくりでは4頭ともパイボールドで、
ビーグルは犬種の基準的にハウンドカラーとかトライカラーとかブラックホワイトアンドタンと言い、
ポメは単にパーティーカラー、またはもっと細かくレッドアンドホワイトのように呼ぶ。
つまりパイボールドとはダックスの変わり毛色を指すための言葉なわけではなくて。
こーゆーのも言うなればパイボールド
まず最初のみどころは、パイボールドの白い毛の部分は真っ白、ってこと。
白い毛がかたまっている中に有色の斑点があったとしても、白が有色と混じり合わない。
対してダップル(=マール)は、シングルマールは基本的に「真っ白だけかたまった部分がないか少ない(※ただし胸元以外)」ということ。
※ただし胸元以外、についてはまた別の機会に書きます。たぶん。
書きました→
2013年11月04日 ミスカラー 胸の白色もひとつ関連記事
2013年11月19日 マールはメルル座シングルマールというのは、マールかどうかを決める毛色遺伝子のMシリーズがどうなってるかという意味で、
Mシリーズ(M座)の座席はどんな犬でも2席持っていて、ふつうのマールやダップルはMmという組み合わせ、
犬種の毛色にマールが無い犬種、Gシェパとかラブとかセントバーナードとかヨーキーとかパピヨンとかはmm、
代々M座はmmで固定されている、言い換えれば先祖代々mとmを受け継いでいるから非マールだよと。
Mと大文字で書いたのはマールが優性遺伝(正確には不完全優性または共優性)するということ。
シルバーダップルのダックス。ワタクシのともだち(笑)の陸
※この2頭は同胎兄弟です
おともだちのあさちゃんちのテラくん
ブルーマールのポメラニアン。元の毛色は黒一色、犬のグレー色はたいていブルーと呼ぶのでブルーマール。
これとまったくかほぼ同じ遺伝子配列のダックスはブラックソリッドダップルと呼ぶ(茶色いとこナシのシルバーダップル)
このポメの写真は
ウィキのこちらよりお借りしてます。
こっちはチョコタンダップル。胸元以外の白っぽい毛の部分が真っ白じゃない、ってのわかりますかね?
白に有色が混じりこんで元が黒毛ならグレーっぽく、元がチョコならペールブラウンみたいな。
白っぽい部分が少ないシルバーダップル。シルバーダップル=ブラック&タン,ダップル。
ちなみにこの子の白毛は白髪。これまた違うね。
パイボールドは今のところリトル博士の説の流れを継いでS(スポッティング)シリーズと考えられていて、
それはMシリーズとは別モノという意味で、じゃあどういうことかと言うと、
SシリーズのパイボールドとMシリーズのマールはいち個体に別々に発現するわけで。
SとMどちらもが目立つとこうなる。シルバーダップルパイボールドのダックス。
白毛の面積が病的に多いダブルダップルが気の毒な障害を持つ話がある意味有名なものだから、
ダップルかパイボールドかは知らんが白っぽいダックスの健康面が気になるかもしれない。
しかしこのシルバーダップルパイボールドの遺伝子配列は下の犬とほぼ同じなのだ。
ブルーマールのシェルティ。フツーによく見かけるタイプ。
襟首周りと胸と前肢と後肢の先に向かうあたりと尻尾の先、が白いことが上のシルバーダップルパイボールドとほぼ似たパターン。
ダックスのほうが肩から背中にかけてと腰に白毛が多く感じるけどこうして並べてみると許容範囲かと。
逆に茶色部分の濃さなんかダックスのほうが健全・安全そうに見えるっしょ?
※別に「他の犬種にもある毛色だから大丈夫」と言うの
ではない。
毛色遺伝の話はどうしてもめんどくさくなるので、けっこう皆さん省略して話す。
うわべの情報が後々一人歩きする原因になる。
例)ダックスのブラタンはなに色とかけてもいい、のように。
恐ろしい悲劇の元にしかならないとんでもない間違いのデタラメ説ですからね。
おのおのがた、ご油断召さるな。みんな気をつけようね
※慣れれば一目で判別がつくようになる、そもそもワタクシ自身どうやって見慣れたのかは忘れてしまった。
なのでなんとなく見分けのポイントになりそうなものは、、
・ふつうのダップルのダックス---真っ白い毛がかたまった部分が無いか少ない
・ダブルダップルのダックス---目が極端に小さいか無いかあっても視力が低いまたは無い、
ブレーズ部分以外に顔面に白毛のかたまり(とくに首から上の白毛のかたまりは判別しやすい)、
尻尾の付け根から先まで白にしろ有色にしろ同じ色であることが多い(有色尻尾で先だけ白いことが少ない)、
視聴覚をはじめ様々な健康上の障害・欠陥があり平均的に短命
・ふつうのパイボールドのダックス---白毛の範囲が大きくてもダップル斑がなく青い目じゃない、
四肢または四肢の先・尻尾の先が白色、ブレーズ以外は耳を含め首から上に白が少なくほぼ有色
・ダブルダップルパイボールドのダックス---ダブルダップルとだいたい同じ
体全体よりも、首から上の部分とくに耳に色があるか無いかと、目が(外見も機能的にも)ヤバイかどうか、かな。
耳の毛がほとんど白くて目が青〜赤〜ナシあたりだとまずダブルダップルで、
反対に鼻筋やオデコに白い線があっても耳が有色で目が黒〜茶だと体がいくら白くてもパイボールド、みたいな。
参考まで。
※※元の毛色・下地色が黒かチョコか、とはユーメラニンにおいてマール斑が出た場合のこと。次への布石。
ダックスのダップル、ダブルダップル、パイボールド、その他レアカラーについて
・インターネット上で公開されている画像に限り個別に詳細説明をいたします。
一般の飼い主さんには特別な条件など一切ナシですのでお気軽に。
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2013年10月現在 新飼い主募集中 当ブログ内の記事
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