2017年12月05日

遺伝子検査/親犬?子犬?

先日書いた記事にご質問をいただきました。
2017年11月24日 優良ブリーダー 見分け方
http://kotavi2002.seesaa.net/article/455105551.html

遺伝病への取り組みはどうかという視点でブリーダーを見分けたいなら、
その犬種が検査可能な遺伝子検査を全部済ませているのが最低中の最低ラインです。
と書いたら、「検査を済ませた子犬を求めるのが良いのか?」的に。

わーあ!仰るとおりですね!そういうふうにも感じられる書き方だ!
なんとも紛らわしい表現ですみませんでした。

検査を済ませるのは繁殖をする犬、つまり両親犬です。
ブリーダーの考え方によって変わるようなことはなく、どこも同じです。世界共通で。
これはですね、遺伝子検査ができる遺伝性疾患の遺伝形式が、
基本的に常染色体潜性遺伝だから、とも言えます。

遺伝の話は興味がない人には難しく感じるものみたいですが、
基本部分は中学校で習う誰だって理解できることですから、
あやふやな部分まで知ったかぶって背伸びをする必要なんか本来ないんですよ。
犬だろうが猫だろうが爬虫類だろうが魚類だろうが動物の繁殖に関わるなら、
構えすぎないで当たり前の事実を素直に学び直すといいんじゃないでしょうかね。
犬関連でわからない点は聞いてくれれば知ってることは答えますし。ワタクシでよければ。
偏見を捨てて素直に情報を入れるようにしないと「遺伝病(の犬や猫)が出た=乱繁殖」とか
「珍毛色が出た=突然変異」みたいな辻褄の合わない裏庭鰤思考に行っちゃいそうです。

さて。
そんなこんなで実際に遺伝形式はどうなのか。
確認分は1つ前の記事をご覧ください。
2017年12月04日 検査可能な遺伝病の遺伝形式 
http://kotavi2002.seesaa.net/article/455326506.html

見ておわかりかと思いますが「あ行」の一番上から20個くらいチェックしてみると、
見事なくらいARばかりという結果でした。
ですので遺伝子検査ができる遺伝病はほとんどがARだ、と言うことができますね。
そうしましたら次はARの性質を思い出してください。

ちなみに当ブログ過去記事からARの性質に関する短い説明の記事
2006年01月17日 犬 遺伝 警鐘 2
http://kotavi2002.seesaa.net/article/11838171.html

同、これでもかってほど長くクドい説明の記事
2013年12月05日 犬の肺マック症 (後半2/3あたりから)
http://kotavi2002.seesaa.net/article/381977145.html

※2つめは今自分で読み返してみて爆笑するほどクドかった(笑

つまりARの性質を簡単に書くと
PRAなどARの遺伝病は「シンプルに」1つの遺伝子変異に原因があるので、
どの犬も「PRAに関する遺伝子」を必ず2つ(1対)持っているのだけど、
因子の種類は「シンプル」だから3種類でその組み合わせは以下の6通りになる、ということ。
1.【PRA発症】【PRA発症】
2.【PRA発症】【PRA因子運び屋】
3.【PRA発症】【PRAに罹らない】
4.【PRA因子運び屋】【PRA因子運び屋】
5.【PRA因子運び屋】【PRAに罹らない】
6.【PRAに罹らない】【PRAに罹らない】

6通りのうちのどれか1つが1頭1頭の犬に必ず当てはまるのが遺伝性疾患であり、
ある犬の組み合わせが「1.」なのか「5.」なのかがわかるのが遺伝子検査。
ここまで来たら最後はメンデルの法則だけ。

ふつうは「6.」の犬だけを繁殖させるので、その掛け合わせなら何頭生まれても
生まれる子はすべて「6.【PRAに罹らない】【PRAに罹らない】」だから。
というのが通常の繁殖でなされているはずなのです。
子犬を調べる必要がないわけですね。わかりきっていることなので。
そのような理由で遺伝子検査済みの子犬を売るといったやり方を誰もしないわけです。

注意しておく方がいいのは、これはARのみに通用する話だという点です。
たとえば、パテラとか白内障とかアレルギーなんかだと、
「遺伝子検査が無いから」ではなくて「ARじゃないから」複雑になっていきます。
どっちにしてももっともっと単純に親犬は元気だからそれは遺伝病じゃない!
とか言っちゃうぶりぃだぁだらけですから、我が国のレベルはいまだ。はーぁ。





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2017年12月04日

検査可能な遺伝病の遺伝形式

明日UP予定の記事の前半戦です。
書いてたら長くなってしまったので資料部分を切り離しました。

犬の遺伝子検査ができる遺伝性疾患の種類がずいぶん増えてきましたねー。
とても良いことです。
病気が増えたわけじゃなく正体不明だったものがバレる数が増えてるんですからね。
それで、「検査ができる遺伝性疾患の遺伝形式は基本的に常染色体潜性遺伝」
っという記事を仕上げる予定でして、遺伝形式をちょっと確認してみようぜと書いた部分。
例にしたのはどーこーにーしーよーうーかーなー
っと適当に選んだオリベットさんです。

オリベットさんの「犬種別検査リスト」の「あ行」を例にします。
下記の図は http://www.orivet.jp/testlists/A.php からの引用です。
A A.jpg

A A2.jpg


↑より病名だけピックアップ↓

びっくり病/過剰驚愕症
イヌ白血球粘着不全症
球様細胞白質ジストロフィー/クラッベ病
神経セロイドリポフスチン症(CL症)
進行性網膜委縮症 rcd1 PRA
進行性網膜委縮症 rcd4 PRA
変性ミエロパチー/変性性脊髄症 (DM)
進行性網膜桿体-錐体変性症 (prcd PRA)
原発性水晶体脱臼 (PLL)
常染色体劣性遺伝腎症(家族性腎症)(FN)
運動誘発性虚脱 (EIC)
ホスホフルクトキナーゼ欠損症
小脳性運動失調
高尿酸尿症/高尿酸血症
黒色毛胞形成異常症
イヌ多発性網膜症
第7因子欠乏症
錐体変性症
ポリニューロパシー/多発性神経症 (NDRG1)
常染色体劣性遺伝腎症/家族性腎症
腎形成異常
進行性網膜桿状体-錐状体異形成タイプ(prcd)
運動誘発性虚脱
多剤耐性遺伝子MDR1

こんなもんでしょうか。色素遺伝子は今はいらないので除外しています。
それとダブり部分だけ消したつもりですが消えてなかったらごめんなさい。
次に遺伝形式の確認。
本当は同じサイト内に各遺伝病についての個別説明があると親切ですが、
(オリベットさん、ぜひご検討ください)
なかったのでワタクシは自分のデータベースを確認。
必要な方はどうぞお使いくださいね。
http://www.geocities.jp/kotavi2002/00new/Index-disease.html

確認すると、Iウルフハウンドのびっくり病から最後のイベルメクチン不耐まで、
全部が全部常染色体潜性遺伝で間違いありませんでした。
autosomal recessive です。

どっちを書いても長いんでワタクシはいつも「AR」と略しています。

尚、「検査可能な遺伝病の遺伝形式はARが多い」ことを、
犬の遺伝病はARが多いと読み間違う人が世の中にわりといるのでどうぞご注意ください。
ぜんぜんそんなこたありません。
それとこれとは別モノですから。




ジングルベール
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2017年12月03日

マルチーズの遺伝性疾患

シリーズ第4弾
トイプードルの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454436664.html
ポメラニアンの遺伝性疾患 http://kotavi2002.seesaa.net/article/454523066.html
チワワの遺伝性疾患    http://kotavi2002.seesaa.net/article/454889529.html

CIDD
Canine Inherited Disorders Databas
カナダの獣医師会と獣医大学発信の犬の遺伝病のデータベース情報の翻訳です。
日本国内の犬は多くの犬種でアメリカから輸入された血統が入り込んでいますし、
純血種の犬籍は大雑把にはアメリカとカナダはイコールで結べますので、
我が国の犬たちに基本的には直結すると考えていいと思います。人気犬種はとくに。
おじいさん犬はアメリカチャンピオン!とかって聞いたことあるでしょ?それです。

ただし日本では素人レベルの乱繁殖が大多数なので独自に悪化し続けていますが。
いわゆる素人繁殖はもちろんそうですし、
ブリーダーを名乗って子犬をなんじゅっぴきも生産販売している人とかも、
ワタクシのこれまでの経験から推測すると犬の繁殖者の半数以上(の割合)は、
素人レベルの乱繁殖しかできていないんですよ。プロっぽく見えても。
だから日本が犬の遺伝病のデパート状態のままなんです。


今までもその素人レベルの乱繁殖の見分けかたみたいなことをお伝えしておりますが、
ワタクシのアタマもマズイせいでなかなかすんなりと皆さんに伝わりません。
ま、がんばりますけどね。
判断が難しければ犬舎のHPがあれば見所や見分けポイントをより具体的に説明できますので、
どちら様でもお気軽にコメントくださいねー。

さて、マルチーズのページ
http://discoveryspace.upei.ca/cidd/breed/maltese-terrier

最重要疾患
この遺伝病は外科的な治療の必要がありあなたの愛犬の健康に重大な影響を及ぼす
マルチーズに比較的一般的な遺伝性疾患といえる
繁殖上では可能な限り根絶する努力がなされている

・動脈管開存症


心臓のすぐそばの血管の奇形のような病気です。心臓病です。
ググればいくらでも情報が出てきますがイイ感じのわかりやすいサイト、
東京都大田区の池上アクア動物病院さん「動脈管開存症の開胸手術」
http://www.ikegami-aqua.jp/blog/cat6/post-47.html


発生率が増加している遺伝病
カナダとアメリカではさほど致命的でもない  ※日本では超深刻!!

停留精巣
水頭症
門脈シャント
ホワイトドッグシェイカー症候群


マルの遺伝病として入り込む可能性がある遺伝病  ※日本ではたぶんすでに出まくり
難聴
緑内障
僧帽弁形成不全
進行性網膜萎縮症
網膜形成不全
皮脂腺炎

翻訳は以上。
マルチーズは単体でも人気犬種のままだけどF1雑種の片親としても依然人気は高し。
掛け合わされる相手犬種が同じ遺伝病を持っていれば、
雑種強勢神話がそこでストップ!なのが世の中に伝わるといいなぁ。

それから。ある程度年をとってからじゃないと気づかない遺伝病ってたくさんあるんです。
犬の遺伝病は先天性疾患とまあ同じ意味だけど、
先天性疾患がすべて生まれつき症状が出てるかったらそうとは限らない。
生まれつきその遺伝病を持っているけど10歳過ぎてから症状が悪くなってきてはじめてわかった、
みたいなことはいくらでも存在します。
だから繁殖引退犬をポンポンとサトゴニダス=飼育放棄しちゃう自称ブリーダーは、
その部分だけでもロクな繁殖をしていないのが丸わかりになるわけです。

「ぶりぃだぁさんのおうちは他にもたくさん犬がいるから、
大事にされてることはされてるけど、
1頭だけでたっぷり愛情をかけてもらったほうがワンチャンも幸せなはずー」
とかなんとかって結構皆さんそう思ってるでしょ?
それは別に間違いではないけれど、「ブリーディングの観点」からはボツな話だってことです。
ブリーダーが繁殖に使った全犬の高齢時の様子を把握しないでどこがブリーディングだっつの。


参考
クロアチア?のラボ 遺伝性の目の病気についてイイ感じ説明のサイト(英語)
AnimaLabs「Inherited Canine Eye Disorders」
http://www.animalabs.com/inherited-canine-eye-disorders/

アメリカマルチーズ協会の遺伝性難聴の説明ページ(英語)
https://www.americanmaltese.org/ama-health-information/canine-inherited-deafness

ホワイトドッグシェイカー症候群のマルチーズ ※振戦に注目





クーリスマスが今年もやって来る
posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月01日

続・ホワイトミニピンの噂

アルビノ同士の掛け合わせで生まれた子犬に難聴の疑いがある話の続きです。
2017年11月29日 ホワイトミニピンの噂
http://kotavi2002.seesaa.net/article/455213519.html

前の記事では俗に言う犬のアルビノまでは行かない部分アルビノだろうとし、
部分的にアルビノを起こす色素因子のマールについてさらっと触れてみましたが、
画像を探している途中でItalian Grey Min Pinと英語圏で通称されるF1雑種が、
ホワイト系の毛色のミニピンとされる犬の正体では?っと感づいてしまった次第です。

イタグレ以外との雑種も混じっているかもしれませんが、
我が国では頭数が多くて手軽なのが日本テリアなど他犬種よりイタグレだろうから、
ホワイト系ミニピンのベースはイタグレ雑種と考えていい気がします。
毛色と模様と体型サイズなどから他にはジャックラッセルやパピヨンとの雑種?
みたいな説を書いているブログなんかもありましたが、毛質的にあり得ないです。
で、イタグレから来た白毛であるならば、やっぱりマール因子はナシ。
白毛のミニピンっぽい犬が難聴なら原因は非マールでしょう。

※マール因子ではなくパイボールド因子が難聴の原因である可能性
(内耳の蝸牛のメラニン不足)

当ブログ内関連過去記事
2013年12月23日 白色の耳と難聴
http://kotavi2002.seesaa.net/article/383426128.html


ホワイト系ミニピンはこういった犬種との雑種が元だろうなぁ、
っと考えながら集めた写真が以下です。

白勝ちな感じのイタリアングレーハウンド
このようにからだはほぼ白で片目の周りに片パンチ的なブルテリアみたい?
な模様のイタグレはわりといるみたいです。
italian-greyhound-puppies.jpg
画像出典;http://koinu-zukan.blogspot.jp/2016/05/blog-post_10.html

別のイタグレ。ママと真ん中の子が白勝ち毛色ですね。
833c53a6.jpg
画像出典;http://blog.livedoor.jp/wankotomo1/archives/cat_10017846.html?p=2

ワタクシの目にはどれも似た系統に見える中で、顔が一番ミニピンに近いと思える、
白勝ち毛色の犬種。これはアメリカントイフォックステリアです。
800px-Toy_Fox_Terrier_2.jpg
画像出典;ウィキ

上を出したらお次はこれでしょう。ご存知日本テリア。
顔面がほぼ真っ黒じゃない模様の個体が目に付いたのでこの写真をお借りしました。
あと見切れていますが上の方に口元が一部白い模様もいますね。
これらがもう1〜2段階変化するとブルテリア的な片パンチかなっと思います。
jt.jpg
画像出典;こちらからのキャプチャ


まとめ;
毛の色が白いってことは色素が無いですから、言葉としてはアルビノかもですが、
犬の毛色の色素遺伝子の話題では全身アルビノ因子をアルビノと呼び、
部分的アルビノを起こすマール因子をダブルで持つと病的アルビノとしますが、
パイボールド(白いブチ)因子を通常アルビノと呼ぶことはありません。

したがって全身ほぼ白一色で顔の一部分だけ有色(いわゆる片パンチ)という毛色は、
ほとんどの犬においてアルビノとは呼んでいないと思われます。

また、例にしたホワイト系ミニピンのようにその犬種の基準外の毛色は、
仮にメラニン不足による難聴を発症しているからとしても、
「基準外の毛色だから病気も出た」的に考えることはできません。
メラニン不足はあくまでも直接の理由ではあるけれど、
決まっているはずの毛色のルールを破ったからか?と言えば違いますし、
それだと難聴が出ないなら他の毛色はOKみたいなアホが出ますし。

片パンチが存在する他犬種の有名どころはダルメシアン、ブルテリア、ブルドッグ、
ピットやスタッフイー、身近なのがジャックラッセルとフレブル、など。
日本以外のどこかのまともなブリーダーなら片パンチ毛色は特に、
繁殖させる犬には聴力テストを積極的に受けさせるなど活用しますが、
まあ、アレですよ、ここ日本だし・・・・・・。
犬が先天性難聴だとしたら、あーあ、気の毒にねぇ、くらいです。今更ですもん。




プロもアマもトップぶりぃだぁも素人も、大多数が愛のある乱繁殖天国、それがニッポンだ!!!
posted by あきこ at 20:00 | Comment(3) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月29日

ホワイトミニピンの噂

アルビノ同士の掛け合わせって大丈夫だとは思えないけど大丈夫なんですか?
アルビノ×アルビノでホワイトミニピンが…という記事を見かけた、
といった感じのコメントをいただきまして、わからないなりに検証してみました。

その他情報
twitterで見かけた内容なので発信者に確認しました。
http://idolkido.web.fc2.com/
ちゃんとしたアルビノではないのかも。
ボラ仲間さんが保護者したそうで
「アルビノなので耳が聞こえない」と仰っていたとか。マールじゃないのか…と思った次第です。

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アルビノとは皆さんもご存知のように先天的なメラニンの欠損を言うので、
絶対に真っ白でなければならないわけではなく、部分アルビノなども存在します。
いろんな生き物で遥か昔から知られてますよね。
犬の場合も全身から部分までアルビノの程度はさまざまですが、
全身アルビノの犬は寿命を全うできないケースがわりとあるようで、
毛色の種類が豊富な動物種のわりにはアルビノ個体はほとんど見かけません。
albino_rottweiler_picture.jpg
White-Doberman-DuchessVanBee.jpg

画像出典;http://www.ruffingtonpost.com/beautiful-albino-rottweiler/
上がロットで下がドーベルマン。


次に部分アルビノを考えてみましょう。

151.10.12b_minipin_whitechocotan_osu2_a.jpg

画像出典;http://idolkido.web.fc2.com/item_minipin.html
この写真は「ホワイト、イザベラ&タン」という毛色の呼び名を付けられたミニピンとのこと。
マールにも思えるけどちょっと確定はできない感じです。
でも同じサイトの同胎犬は非マールで間違いないように見えるので、
この犬も非マールの可能性のほうが高いっと考えられます。
つまりこの程度の白毛の多さで難聴を併発していてもマール因子は無関係かもしれません。

ミニピンは(ふつうは)こんな犬です。
Minipinsaz.jpg

画像出典;英語ウィキ
ですよねー。

次に参考になりそうなハルクインピンシャー Harlequin Pinscher
日本語ウィキではジャーマンピンシャーの色変わりのように書かれているが、
これってどう見てもミニピン寄りじゃないのかな?
harlequin-pinscher_profile_350x400.jpg

画像出典;https://www.petpremium.com/dog-breeds/harlequin-pinscher/

ってか、ハルクインピンシャー見てたら見つけちゃったこちら。
Italian Grey Min Pin
http://www.pinsdaddy.com/italian-grey-min-pin_Kpjg6RbI6KAOZowqf1MMKMC6opIKycK789mAt3HIj08/

あー。イタグレ混ぜるのが一番簡単だよなぁ。白っぽいミニピンっぽい犬を売るなら。
なんかどんどんマールと難聴の話から遠ざかってしまいました。
ので、続く。




さすがF1雑種の本場(?)だよねー

posted by あきこ at 20:01 | Comment(0) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月27日

動物取扱業者登録推移

自分用資料 覚書

動取・販売関連のみ推移
 
第一種動 物取扱総
事業所数 
販売販売のうち犬猫犬猫のうち繁殖業のべ合計
H1819,89315,071  29,466
H1931,29220,195  39,970
H2034,22421,872  43,847
H2136,10122,875  46,280
H2238,46023,866  49,065
H2339,89724,299  51,261
H2439,70223,086  51,035
H2539,56821,715  50,460
H2639,87420,84615,89011,98350,964
H2740,92120,94416,17112,39252,870

                    

                            出典;環境省統計資料


表の出来栄えがイマイチどころか全然なってないですが、
これ以上触れると何もかもが崩れてギャーッ!みたいなことになるのでお許しを(笑
初年度と次年度に大きな開きがあるのは届出制から登録制になった例のアレで、
年度ごとの〆日に注意点があったりするので使用の際は詳細を各自環境省で確認を。



いろいろ凍る季節です

posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 動物愛護論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月25日

キ甲のKI

カタイ記事が続くとやりたくなる、せんでもええ箸休め的な。

皆さんはキ甲ってわかりますか?
カタカナと漢字というおかしな構成のこの単語の読みは「きこう」です。

ワタクシは競馬はやらないけど馬が好きなのですが、
馬のナニカを見聞きしていてもわりとたびたび登場するキ甲。
いい感じのサイトをご紹介します。さすが新聞。とてもわかりやすい。
東スポWeb
カミノタサハラの「キ甲が抜けた」ってどんな意味なのか? 2013年04月11日
https://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-matida/2652/
 キ甲は馬の首と背の境の膨らんでいる部分。幼いうちは目立たないが、3歳前後で隆起してきてよく分かるようになる。
 キ甲が隆起してよく見えるように〜〜〜(続きは同サイトへ


そんなわけでカワイイ写真が手に入ったのでご覧ください。
004-55.jpg


子馬の首から背中はスルッとしてるけど隣のママ馬の首の終点あたりがモリッとなってます。
そのモリッとしてる場所がキ甲で、犬も馬もその他も四足の動物はたいてい、
ココから地面までの長さを「体高」って言いますね。

で、東スポさんでもわかりやすく説明されている通り、キは本当は鬐でして、
周囲が「薔薇」や「醤油」の書き比べ遊びをやっていた頃(中1くらいか?)、
皆に「鬐」も書けるようになれよと勧めた変な過去を思い出してしまいまして、
まだ覚えているものなのか、っと書いてみました。

ki.jpg


おー。すごいすごいー(笑
鬐は「たてがみ」とも読みますが、たてがみと読む漢字は他にもいくつもあるんですよ。




いらん豆知識にもほどがある。とも言える(笑

posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 犬系Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月24日

優良ブリーダー 見分け方

タイトルどおりの言葉でググると、相変わらず役に立たないサイトが出ますが。

何を持って「優良」とするか?
ブリーダーの良し悪しを見分けたい時というのは子犬がほしい時で、
その子犬がいろんな意味で飼いやすいかどうかを知りたいからでしょうね。
一般の飼い主さんであるなら。
「飼いやすい」は大きく分けると心身の問題ですね。

心身の心→性格の良さ、シツケの入りやすさ、犬種特性の強弱、あたり。

ただ見物するのではなく飼育する・世話をするといった意味で数多く犬を見る(知る)ほど、
1頭の犬の性格の本質とは親犬から遺伝した生まれ持った性質が土台で、
飼い方やシツケで簡単に変わるようなものではないことを実感します。
そして数値で出るものではないので経験が浅いうちは不確かに思えるかもですが、
性格の良い両親犬からは性格の良い犬が多く生まれるし、反対もそうです。
これは絶対なんですよ。マジで。数見りゃ誰でもわかります。

なのでシツケしやすい性格の良い犬と暮らしたいのなら、
両親犬と前胎兄弟姉妹犬(異父母も含む)を始めとした、
近い血縁の犬たちがシツケの入りやすい性格の良い犬なのかを確認するといいです。
「犬舎の見学」とかなんとかはそのためにするものであって、
犬小屋がキレイかどうかは気にするポイントではありません。
飼育環境は衛生的であって当然の問題なのですから。

犬種特性についてはその犬種によって考える点が違ってくるので、
まずは子犬を買う予定の飼い主さんが事前に知っておくといいです。
簡単なのは特定の犬種飼いさんが集まる場などでの情報収集ですね。今も昔も。
たとえばポメは番犬気質を持っているので吠えで悩む飼い主さんがわりと多いですが、
警戒心は消せないけどその気質が表に出ないよう警戒時に唸り声で済ませる系統を繁殖している、
みたいなことが犬舎によって違うわけです。本来は。

心身の身→言わずもがな病気知らずかどうかですよね。
その犬種がかかりやすい病気ってのは基本的にほとんど全部が遺伝病ですから、
犬の遺伝病は犬種によって若干の差はあるけれど数十から数百あります。
それぞれの犬種ごとに気にすべき遺伝性疾患ってのの数が。

現在は事前に避けられる遺伝病が存在するようだっとちょっとは知られてきていて、
1〜2種類くらいの遺伝子検査をしたことをなぜだか自慢するケースもあったりしますが、
遺伝病への取り組みはどうかという視点でブリーダーを見分けたいなら、
その犬種が検査可能な遺伝子検査を全部済ませているのが最低中の最低ラインです。

国内の犬の遺伝病の遺伝子検査機関は左サイドバーにリンクがありますので参考に。
また、犬種ごとの遺伝病についても左サイドバーにHPのリンクを貼っていますが、
本日ただいま現在の犬種別のページの完成度はイマイチです。
ので、ご質問その他は当ブログコメントで受け付けますが、ご自分でも調べてください。


◎優良ブリーダーの見分け方のまとめ

・両親犬と前胎兄弟姉妹犬を始めとした近い血縁の犬たちの性格などがわかる
・その数が多いほど良いし、別の場所で飼われているなら連絡を取らせてくれるなら尚良い

・・それらから得た情報を整理するのは自分

・遺伝子検査はすべて済んでいて聞けば快く公開してくれる
・遺伝子以外の関節評価はもちろん、心電図や血液凝固検査やアイチェックなども同様

・・それらに直結することで、子犬は基本的に繁殖不可の約束で売ってくれる


たまにはこれくらい短くてもいいかなっと思いました。
いつもポイントだけでも多すぎなので←自覚あるだけマシ(笑




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posted by あきこ at 20:00 | Comment(2) | 犬情報“ググってもカス”問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月22日

犬種名+捨てたい

みたいな検索ワードで当ブログに来ちゃった方は、
どういうご事情があってもいきなり頭ごなしに叱ったりしませんので、
知りたいこと・聞きたいことがあればご遠慮なくコメントください。

飼い犬を捨てたくなる気持ちは、それだけが悪いこととは当然言えません。
ワタクシ自身は「捨てたい」の一歩手前(?)の段階、
「飼いきれないかも」っと思ったことが37年間で2回ありますから、
多少は捨てたいといった心理を理解できるつもりです。

どんなことでもネガティブ思考は一人で思い詰めるのが一番よくないですから、
匿名状態で誰かに話したいときはどうぞ当ブログもご利用ください。
ただしワタクシは長年の経験を軸に基本的に思ったこと・正しいと信じることを、
思ったとおり信じるとおりに表現しますから、無条件での優しい返信は期待損です。
根拠の無い噂や感情面のみの発言はまずないのでそれだけはお約束できますが。

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そういう検索ワードが予想外に多くて(当ブログ比)。ちょっと不思議ですが、
繁殖引退犬関連の記事が複数あるからかもしれませんね。
実はHPへの訪問者もそれ系のワード経由が多いんです。
HPの方は理由は明確ですが・・。

えー、とりあえず、初歩的なことを。
犬を捨てることはやっちゃダメなことだと誰もが知っていますが、
法的根拠は「動物の愛護及び管理に関する法律」です。
その法律の冒頭部分にいきなり書かれていますよー。

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項をを定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵かん養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。

ね。
動物の愛護及び管理に関する法律のそもそもの目的が捨て犬防止なんですね。虐待もだけど。
「遺棄」つまり「犬を捨てること」には罰則も定められています。

第六章 罰則
第四十四条 3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。


というわけで心情的には捨てたくても物理的に捨てることは許されないのです。
それでも捨てたい=飼育を放棄したいのなら、今の時代はお金が必要です。
地域によりますがほとんどの自治体では数千円程度の直接負担で犬の所有を放棄できる行政サービスが存在しています。
これはいわゆる「保健所(センター)に引き取ってもらう」状態のことなので、
放棄した犬の生命が同時に終了するケースが多々あります。

捨てたいけど殺すには忍びない方は、数千円より1桁以上多い金額を用意して、
個人的に新飼い主を募る方法が飼育放棄者にとってはストレスの少ない方法かと。

どちらにしても悩みに対しお話を聞くことはできますので、どうぞご利用ください。
大事なポイントをひとつ。
人々が捨てたくなる犬、飼い主に捨てられる犬は、
その飼育放棄理由に関わらず、
圧倒的に未不妊犬が多いです。




posted by あきこ at 20:00 | Comment(2) | 動物愛護論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月20日

ブリーダーの資格という勘違い

犬のブリーダーとしての公的資格は無いんですよ。

またもやこの話題ですけどブリーダーの資格とかのワードで検索上位にくるサイトでは、
動物取扱業が「公的な」ブリーダーの資格かのように誤解を招く表現だらけ。

はーぁ。

民間資格では以前から眉唾モノがいくつもあるんですが、
公的な資格めいた制度は今後もおそらく無理。
ワタクシの予想では「絶対無理」ですが。だってできっこないですもん。
そもそもどこ(誰)がナニを基準に管理すんのって。

つい先日某SNSで、国内外で数十年臨床獣医として最前線でご活躍され、
日本語でも著書がいくつかあるような業界ってか一部では有名な獣医先生が、
遺伝病を無くすため(と書いてた)にはブリーダーの公的資格を整備しなきゃ、
とかなんとか発言していてガックリしたばかりです。イイネが1日で300とか超える人。
○○先生でさえそんな程度の認識なのか・・というガッカリ感と、
やっぱ獣医と繁殖ってまるで水と油だよなっていう再認識で。
知らない分野に口出ししなきゃいいのに自分が知らないことに気づいていず。

※眉唾モノ
ワタクシの把握していない民間資格も多数あるかと思いますが。
それっぽいものを見かけるたびに資料を取り寄せ運営会社・団体に問い合わせ、
事前問い合わせで判明する範囲のカリキュラムから講師などを確認したデータ、
を元に眉唾モノがいっぱいだーっと判断しております。

で、犬のブリーディングを知らないことで勘違いしやすいのが、
第一種動物取扱業の販売業種に該当する業者の例の「販売目的の繁殖または輸入を行う者」と、
貸出し業種に該当する業者の例の「繁殖用等の動物派遣業者」が、
犬の繁殖に何やら関係があるかのような雰囲気に感じられるのでしょうね。

つまり第一種動物取扱業をブリーダーの資格だと言うならばその人は、
犬のブリーディングを何一つ理解していない証明だということです。
それがお客であろうと自称ブリーダー本人だろうと。

ついでに犬の Breeder を犬を繁殖させる人、子犬を増やして売る人、
のような適切でない翻訳を覚えて信じてしまっているのかもしれません。
Dominant が正しい訳の顕性ではなく優性と訳されて普及してしまったように。
こういうものは最初に訳された時代背景に左右される面もあるでしょうが、
犬の Breeder のより正確な訳はやはり育種家だと思われます。
繁殖家かもしれないけれど販売者という意味はたぶん絶対含まれないはず。
Dominant が優性かもしれないけど絶対優勢でも優生でもないのと同様に。

まーとにかくそんなわけで、
犬のブリーダーになるための資格なんて無いので、
第一種動物取扱業はブリーダーに必要な資格じゃないから、
ブリーディングの知識や技能はほとんどまったく無関係な話なんです。
正しいブリーディングを何にも知らなくても(なんならメチャクチャでも)、
第一種動物取扱業者の資格は得ることができます。
だって別々な話ですから。
お互いに関係があるようで無いので。




犬種を育てるんだよ番人だから。ただ増やすのとは次元が違うのになぁ。ってかそんなに難しい問題なのかこれって

posted by あきこ at 20:00 | Comment(5) | 犬情報“ググってもカス”問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする