2017年10月18日

デメリットの皮膚病も根拠ナシ

[去勢避妊] ブログ村キーワード

話題がホットなうちにまとめておくほうがよさそうですね。
心の友よ。ネタ提供に感謝だわ。

「去勢手術後に皮膚の状態が変化した(悪くなった)」と思える例に対しての意見。

ネット検索してみたらガセネタの氾濫っぷりに驚きました。
ひどいわこりゃ。どこもかしこも。
避妊去勢のデメリットを調べようとしている人が騙されるのも無理ない。
無理はないけど冷静に考えてみて。
お医者さんじゃないんだからホルモンの何もかもを知れなんてもちろん言わないけど、
「医学的根拠が有るのか無いのか」くらいは気にしようよ。

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避妊去勢をしたせいで皮膚病になる的に書いているサイトが現在多数ありますが、
獣医学的根拠が何も示されていずただの噂レベルの憶測によるものだったり、
別のサイトに書かれてある文章の一部をコピペしたようなものだったり、
主に腫瘍が原因のアンドロゲン過剰やエストロゲン過剰状態による性ホルモンバランスの乱れの病気の例を勝手に避妊去勢に置き換えたアタマの悪い創造だったり、
果ては卵巣と子宮を取り違えているのに気づかず尤もらしく説明してみるなど、
残念ながらザンネンなサイトばかりが目立っていますね。
ページ内のその他の部分はそれなりに正しい情報もあるから余計タチが悪い。
(パナ爺氏のように全体的に偏っているとその意味では返って親切です)

あちこち読んでこの問題の原因は素人考えのこじれだと思われました。
ほら見ろだから浅慮だと何度、、っと言いたくなりますが、
や、でも、このブログよりもずーっと本格的っぽいデザインのサイトばかりだから、
あっちやそっちに書いてあることが本当っぽく見えてもしかたないね(笑

ひとつ例をあげてみましょうか。
「犬のホルモン性脱毛」で検索。
上位ヒットしたサイトはペット生活さん。獣医師監修っとデカデカと書かれていますね。
必要箇所のみ引用します。
http://pet-seikatsu.jp/articles/55848
犬のホルモン性脱毛症の原因について
性ホルモンによるもの
先天的な卵巣異常、もしくは後天的に起こる精巣腫瘍や避妊去勢手術に伴うホルモンバランスの変化などによって性ホルモン分泌に異常が起こり脱毛が起こることがあります。
避妊去勢のせいで脱毛が起こる例があると書かれていますね。まことしやかに(笑
次にこちらをご覧ください。
光が丘動物病院グループさんの獣医師が書くブログ
http://makasetakunaru-kyoseitohinin.net/2970
ホルモンの影響による皮膚の脱毛。 それって避妊が原因なの?
動物病院で犬が「ホルモンの影響による脱毛」と言われた場合、精巣や卵巣を中心に作られる性ホルモンの病気を指していることはほとんどありません。
犬では性線以外の内分泌器官から分泌されるホルモンによる脱毛症の方が一般的だからです。

んね?素人考えのこじれでしょ?

えー。
話の流れで去勢メインになっていますがメスの避妊も大部分が当てはまります。
オス犬の去勢手術で極端に減少するホルモンとはアンドロゲンとテストステロンがほとんどで、
(正確にはテストステロンはアンドロゲンに属するステロイドホルモン)
男性ホルモンという言葉が一般的でしょうが犬の話なので雄性ホルモンのがいいかな。
まず大前提。
雄性ホルモンには「皮膚の状態を健康に保つ」、
みたいな作用がそもそもありません。

上記で紹介した獣医師監修じゃなく獣医師が書くほうでもこの説明がありますね。
少量の女性ホルモンも精巣から分泌されるそうですが元々少量なので割愛します。
精巣の他は副腎からも分泌がありそちらは去勢手術をしても当然影響はありません。

この副腎からも分泌されるという点が実は重要なポイントでして、
生命維持に直結する体調管理の面に必要な分は副腎から分泌されている、
のが常識と言えばいいのか当然と言うか当たり前田のクラッカーです。
生殖器(この場合精巣と卵巣)から分泌される分は、量は多いけれど使い道が生殖オンリーなのです。一応「基本的には」っとしておきます。

そして「量が多い」とは言っても四六時中分泌されっ放しではありません。
発情期が明確な動物は発情した時のみ性ホルモンが多量に働くんです。
メスなんかとくにそうですよね。発情サイクルによってホルモンに出る出ないがあるのに。
この説はその仕組みが全解明はされていませんがふつうに誰もが知っています。
科学的なことはわからなくても感覚的に世界中で長い間知られているのに、
近頃の日本の一部の犬の飼い主だけが擬人化や過保護をベースに大騒ぎ・・・・・・。

「ホルモンは生命維持に不可欠」を素人考えでこじらせると、
去勢で雄性ホルモンの分泌量が減少→バランスが崩れた!っとなり、
誰も彼もがまるで事実のように「ホルモンバランスが崩れる」と口にします。
元々ヒトの更年期の期間に分泌が増えたり減ったりを繰り返す「病的に不安定な状態」をバランスが崩れると表現しているだけなのに。
一度切除したらその後増減せず減ったままの状態の動物に対しては言葉が不適切だと早く気づいてください。
言葉が実は不適切だと前提そのものからして間違えて捉えている可能性があるので、
避妊去勢に反対だと言うなら尚更、自分の認識を客観的に見直してから再度ホルモンバランスについてを考えてみるといいですよ。
だって愛犬のために最善だから不妊手術に反対してるんでしょ?
それって揺ぎ無い根拠があるからなんでしょ?
だったらそれが浅きゃ意味ないじゃんよ。しっかりしなさいよ。



今日UP分の記事は別に用意してたのになぁ

posted by あきこ at 15:00 | Comment(12) | 不妊処置−避妊と去勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月16日

チワワの毛色遺伝のデマについて

[毛色] ブログ村キーワード

チワワの毛色遺伝の詳細サイトがそのうち誕生するかと思っていましたが。
やっぱ無理なのか。

・ブラックとブラックタンはまったくの別モノですよ

混同して説明しちゃってる鰤がーと情報をいただいたので。
ちわわのBLKとBLK&TNで考えられる配列

ソリッドブラック@ KB/* Aシリーズは全ての組み合わせ
ソリッドブラックA ky/ky a/a 
ブラックタン    ky/ky at/at のみです。

ソリッドブラックの@とAはおそらく見た目では判別できません。
因子が違うので呼びかたは@は顕性(優性)ブラック、Aは潜性(劣性)ブラックですが、
Aが潜性だから@より薄いとか白っぽいということにはならないはず。

「黒毛」が標準に存在する犬種は、たぶんどちらか一方が基本なんだと思います。
おそらく顕性(優性)ブラックだけ持つほうが多いとも思います。
潜性(劣性)ブラックの有名どころはGシェパとシェルティのバイカラー(黒白の2色)。
(シッパーキ、アメリカンエスキモー、プーリーもっと御用達に書かれていますが、
ワタクシにとってはそれらはモデルさんが側にいないのでよくわかりません)
ポメもそうだけどちわわはポメよりさらにもう1段階許されしカラーが多い犬種なので、
顕潜どちらも犬種内に存在してるっと前から思っております。ワタクシは。

で、それぞれの親犬や子から因子が予想が確定に変わることはありますが、
それを知るために必要なのは実際の犬の情報だけですから、
ブリーダー歴がどうとかはまったく関係ありません。
ちわわの鰤ってほんっと独特な人が湧きますよね。ロングが流行りだして以来ずっと。


・色素遺伝子は常染色体遺伝しかしないはずです

ネコじゃないんだし。
○○色の子が欲しけりゃ父犬が▽▽色で母犬が○○色を選べとか、
ひどいのは「そうじゃないと生まれない」的に書いてありますね。
母犬が▽▽色で父犬が○○色だと子は▽▽色になる〜だって。バカじゃねーの。

たまたまそういうケースが続くことはそりゃあるでしょうが、
常染色体が何なのかをふつうに把握すれば誰にだってわかりそうですが。
カラー遺伝子に相性がある???競馬ゲームのやりすぎだっつの。


て感じで少し事情があって、その流れで他も見てみたくなりまして。ちょっとご紹介。
「チワワの毛色 遺伝」とグーグル先生に聞きました。Q&Aサイト以外です。

ブリーダーのお店CanCanさん
(※URLが長すぎるので表示させずリンクさせています)
あらららら。全体的に無理しすぎです。
合っている箇所はありますが、頓珍漢な箇所が足を引っ張っているのでは。

☆【犬】毛色☆研究会コミュの【研究】チワワの毛色
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=4312220&id=48617263
トピ主は知り合い(笑)です。
今となっては更新すべき情報もありますが書き込めば答えてくれますよ。
よかったらどちらさまもどうぞご利用ください。

チワワ専門ブリーダー マダム辻岡さん
なんじゃこりゃ(笑
URLも長い。
マールに関する情報は、残念なことに、間違ってしまわれていますから、あー。気をつけて。
毛色が非公認になったのは疾患のせい(笑)じゃありません。
原産国が雑種疑惑を宣言したからでしょ。

☆La.Noirさん
http://lanoir.web.fc2.com/keiro.htm
上記のマダムを「あほちゃうか?と思える記事」と書かれていてワタクシを笑かします(笑
内容は非常に正しいですしわかりやすいのですがちわわオンリーではないです。

☆Qoon [くーん]さんのちわわの毛色ページの一部
https://qoon.jp/I0002374?page=3
出たなまとめサイト系。
それよりもイイ感じの出だしなのにマダムの意見を参考にしちゃってます。残念。

☆ワンニャンホンポの生体入荷情報!!さんのブログ記事
https://ameblo.jp/air-0309/entry-11472012826.html
たまに引用してくださってますよね。今後もよろしくどうぞ。

☆パス。ってかデタラメひどし。自分の願望を事実と言い張るのは血なんでしょうね。

☆nuthouseさん「レアカラー」
http://www.nuthouse.jp/pg8.html
だからどうしてちわわ鰤はそんなにテキトーなの???なんだその強弱の法則(笑




天界のちわわんたち、力不足でほんとすまん。

posted by あきこ at 20:00 | Comment(0) | 毛色の遺伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月14日

どうでもいい近況報告

あ゛・・・・・・。
せっかく10月はキレイに1日置きに更新してたのに昨日日付け間違ってUPしちゃった。
ざんねん。

ブログの引越しについての後日談です。
引越ししたい主な理由はseesaa標準仕様の機能が段違いにショボくなったからなのですが、
いくつか試した無料ブログはどこも同じで、大元はやふーのSSL化でした(涙
こういうものに詳しい賢い人々は、無いものは無いんだからさっさと諦めろと言います。
はー。
そんなわけで引越しは取りやめの方向に行こうと思います。
更新頻度は相変わらずでしょうけどね。

ブログを始めようとしたとき、seesaaブログを使っている人が近くにいたので、
わからないことがあったら教えてもらえそうって思ってseesaaにしただけだけど、
(何度も親切に教えていただきました。わかみさんには感謝感謝)
特大のサーバートラブルなんかが他のどこよりも多いらしいけど、(笑
まあいいか。
ブログ名は当時犬が3頭だったから。そんな自分のセンスは嫌いです。

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こないだね、スマホで電話をしてたんです。
ふつうに手に持っていたつもりなんだけど、なんかちょっと熱い?っと、
スピーカーにしてスマホをテーブルの上に置いてみたんです。

そしたら、どうしてそうなったかはわからないんだけど、ライト機能が点灯してて。
ってかその機能使ったことなかったからどうして点灯しているのかわからない。
通話はまだ終わりそうになかったので、相手に気取られないように気を遣って。(笑

でもスピーカーだと話しにくくて苦手なんですよワタクシ。昔から。
だから手に持って通話して耳が熱くて耐えられなくなったらスピーカーにして、
って20分くらい繰り返し続けました(笑
通話中にライトを消そうとしてあちこちタップなんかしたら、
絶対に電話を切ってしまいそうだったから。
通話終了後になんとか消灯できました。あんなとこにあったのね。

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一時期ネット自体から少し離れ気味だったんですよ。
このブログの更新記録見たらわかるでしょうが3年くらい?
特別な意味もないんですけどね。なんとなく。

で、今回先月か先々月から久しぶりに犬の話題のあれこれに触れています。
間を空けたからそう感じるのかもしれませんが、気がついたことは、
保護団体が一気に増えてる。リアルでもネットでも両方。
保護団体のふりをした引取り屋的なアレも一気に湧きだした印象です。

どんなことでもそうですが、ただ数を増やすと困った点も同時に増えますよね。
本人は自分にできる精一杯のことをしています!なんだろうけれど、
悪気無く引き取り屋をやっちゃってる人や団体が目立つなぁとも感じました。

犬の病気について検索をすると、失礼だけどその分野のレベルが低いサイトが上位ヒットする。
これも一気に増えたっとワタクシには思えました。
なんのこと?っと思ったかたは「プードル かかりやすい病気」あたりでググッてみて。
情報商売とか犬販売関係の業者の簡単まとめばっかり。
内容が合ってるならまだしも説明不足で誤解を招くものが多々。多々すぎ。

ちょっと用事があって別の犬種名でも複数検索しようとしたら皆同じで、
10ページくらい進んでも延々とそんなんばっかりみたいです。
半分くらいはネットでライター雇って素人にまとめを書かせるタイプかな?
これもSSL化の影響か〜。あーあ、ですね。



飼い主さんたちにとってヨクナイ傾向だと思う
posted by あきこ at 22:11 | Comment(9) | 犬情報“ググってもカス”問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月13日

誰も彼もが遺伝病をスルーする国

[フレンチブルドッグ] ブログ村キーワード

そういえばこれここのブログで取り上げてませんでしたね。
たいへんたいへん。



ふつうではあり得ない、かなり異常な状態ですからね、これって。
なんてかわいそう。
この犬も母犬のその後も遺伝病てんこ盛りのようですし。

飼い主さんや関係者さんに対して何かをするつもりは一切ありませんし、
悪意があってのことではないと充分理解しているつもりです。
ただ、この状態が正常ではないことがネット上にあまり出ていないようなので、真実を。

このカテゴリの名前は「遺伝性疾患を知ろう」です。



フレブルの新生子は飽きるほど見てきてるんです、ワタクシ

posted by あきこ at 20:21 | Comment(2) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

雑種強勢!ミックス犬は丈夫!

[ミックス犬] ブログ村キーワード

あと世界で唯一の存在っ(はぁと)!ってか。
大爆笑ですよねほんとに。

img_7024e302a810e52355f0d86effe36f0c75949.jpg

生後7ヵ月時エナメル質形成不全と診断されたシュナウザーとダックスの雑種
(画像出典;http://diamond.jp/articles/-/97098?page=3

※犬の遺伝性疾患であるエナメル質形成不全に関する当ブログ内の過去記事
2013年07月09日エナメル質形成不全症 http://kotavi2002.seesaa.net/article/368740609.html
2014年02月01日国外遺伝子検査    http://kotavi2002.seesaa.net/article/386726624.html

以下、ブログ村(というブログランキングサイト)の「MIX小型犬」
https://dog.blogmura.com/mixdog_s/ranking_pv.html
に、登録しているブログにおじゃまさせてもらってきました。
「遺伝性疾患」という言葉は見つけられなかったけど。

ヨーキー × ちわわ  膿皮症
マルチーズ × プードル 腎臓病、ほか
プードル × ビションフリーゼ 甲状腺機能低下症、尿結石、ほか
ポメラニアン × プードル 乳歯遺残
マルチーズ × シュナウザー(推定) アトピー性皮膚炎
マルチーズ × ちわわ 僧帽弁閉鎖不全症
マルチーズ × ヨーキー(?) 尿結石、関節炎
ポメラニアン × マルチーズ 片腎、ほか(4歳死亡
マルチーズ × ちわわ パテラ


25件ほどのお宅におじゃました結果です。
1位から25位まででこれ。
しかも基本「病院」とか「病気」のカテゴリがあるお宅のみ。でこれだけの数。

誰も「遺伝性の〜」みたいなことは書かれていませんでした。
ちょっと覗き見しただけだから本当のところはわかりません。
あと、「腎臓病」とか大雑把なのはワタクシの判断も混じっているものもあります。
全部が遺伝病に間違いないなんてもちろん言いません。
犬の遺伝病おたくなHPの管理人目線で見たままがこういう結果になりました。

遺伝性疾患の可能性がとても高い病気を持たされたミックス犬さんたち。
動物病院に連れて行っても獣医師が言わなきゃ飼い主さんは気づくわけがない。
飼い主さんが気づかなきゃ生産者であるブリーダーは知る由もない。
その前にペットショップで売り買いするから元々生産者責任を皆で放棄してる。


ね?

遺伝性疾患で苦しむ犬が

減るわけないでしょ?



mixiでミックス犬が丈夫だなんてウソだから信じちゃダメと、
あれだけ訴えてきたワタクシたちは一体何だったんでしょうね・・。
最初のエナメル質の犬の文章を書いた人があまりにもまともで的確だから、
余計にむなしさを感じてしまいました。
全6ページで先頭はここです。
http://diamond.jp/articles/-/97098

はーあ。



バカに斬り込まれた時よりコタえるわ

posted by あきこ at 20:50 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月10日

Gシェパード変性性脊髄症

[シェパード犬] ブログ村キーワード
[ホワイトシェパード] ブログ村キーワード


つい先ほど、冬の便りがワタクシの耳に直に飛び込んでまいりました!
ハクチョウの編隊の掛け声が。
来たか今年もー。ようこそー。
キミらのことは大歓迎だが寒さも一緒に引き連れてくる印象が・・まあしゃーない。

あいつら真っ暗闇でも平気で飛びますからね。
証拠写真は無理ですから皆さん期待なんかしないでくださいよ。
「暗い夜」「夜空」「はるか上空」「飛ぶ=動く」「もう寒い」
ワタクシの腕前ではぜったいに写真が撮れないキーワードが並ぶ並ぶ(笑

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さて。
ジャーマンシェパードの飼い主さんに犬の遺伝子検査ご協力のお誘いです。
情報発信元は「DMゼロを目指して」さん。(早速リンクもさせていただきます)
各自がされた検査の結果情報提供していただけませんか?
というお願いです。

何よりも誰よりも愛しい存在である愛犬のからだを通じて、
変性性脊髄症という恐ろしい遺伝性疾患に触れられたご経験をお持ちの、
ワタクシたちと同じ、ふつうの一般飼い主さんたちの集まりです。

banner.gif

バナークリックで飛びますが念のためURLはここ http://mat-23.com/dm_project/

「DM」とは英語の病名の頭文字をとった略語で、変性性脊髄症のことです。
変性性脊髄症(変性ミエロパチーとも) Degenerative Myelopathyについて、
「DMゼロを目指して」さんのトップページの案内用説明を引用します。
DMは知らないと怖い。知れば防げる。

DM(変性性脊髄症)とは、8〜12歳位までに発症する、進行性の神経麻痺疾患です。 最初は後ろ足のフラつきから始まり、徐々に麻痺が全身に広がっていき、最終的には呼吸が止まってしまう恐ろしい病気です。
この病気が発見されるまで、G.シェパードといえば8歳ぐらいで後肢に支障が出て来ることはよくあることだと思われてきました。
しかし、医学の進歩でたんぱく質に色々な型があることが発見されてからは、遺伝子のある一部が変異していることが発見されました。
実際は、老齢で足腰が弱って立てなくなっただけではなかったのです。
そして、遺伝子検査によって、陰性、キャリア、陽性に分けられ、その検査結果を参考にした繁殖をする事により、病気(DM(変性性脊髄症))の遺伝を避けられるという事が分かりました。

つまり常染色体潜性遺伝する遺伝病だということになりますね。
我が国では岐阜大動物病院でけっこう前から(10年くらい?はっきり覚えてないですが)、
ペンコギ(ウエルッシュコーギーペンブローク、ふつうのコーギー)の症例が研究されています。
岐阜大学動物病院神経科ウェルシュ・コーギーの変性性脊髄症はこちら
https://www.animalhospital.gifu-u.ac.jp/neurology/medical/spine_dm.html

それもあってペンコギではわりあい知名度のある遺伝病と言えそうですが、
OFAを見ると(アメリカなど英語圏のラボで)DNAテスト犬種が他にもこんなにいます。

バーニーズマウンテンドッグ
ボクサー
チェサピークベイレトリーバー
よくいるコーギーとカーディガンコーギー
ジャーマンシェパード
ゴールデンレトリーバー
グレートピレネーズ
ケリーブルーテリア
パグ
ローデシアンリッジバッグ
シェルティ
ワイアーフォックステリア、他

そして検査対象犬種にはなかなか登場できないようですが、
プードルの遺伝性疾患としても以前から有名です。

いろいろ言いたいことはあります。
ありすぎますがこの記事はご案内なので1つだけで我慢することにします。

Gシェパのブリーダー!

お前らがこれやれよ!!!!!!




コホン。失礼いたしました。
英語圏ではこういう話題は繁殖者からよく出ています。
ブリーダー同士で情報交換したものを元にラボが検査に着手する、的な。
同じ常染色体潜性遺伝する遺伝病ではボーダーコリーのCL症も、
最初はオーストラリアでそういう流れだったようです。

アメリカ人が偉いとか真剣だとかではなくて(や、偉い人いるし真剣だろうけど)、
この「犬の遺伝病に関する問題」には、実は民族的な宗教観や国の歴史の文化的な背景、
それらから来る死生観の傾向なんてことの影響が想像以上に根底にある気がしています。
うまくまとめられる気はしないのでなかなか書けないんですけどね。

・犬は具合が悪くたって自分で病院に行けないし薬も買えないし飲めない。
・犬は自然には増えない、人間が繁殖し誕生させている。
・犬が重い病気になったらかわいそう、気の毒、苦しいことが少ないといい。

って、皆さん納得できるでしょう?ふつうのこととして。
犬の繁殖(というか生産)を商売にしている大勢のブリーダーも同じなんですよ。
同じならどうして犬の遺伝病が減らない&増える一方だ!って思うでしょ?
遺伝子検査が少しは知られてきて、ブリーダーは全員うちの犬はノーマルって言う。
なのに病気の犬があちこちにいる。その病気は大半が実は遺伝病。って思うでしょ?

そこまで来れたら答えまであと一息です。
ワタクシが「犬の遺伝病を失くそうと言ってはイケナイ」と何度も訴える意味まで。



「DMゼロを目指して」さんを広めようではありませんか!日本生まれの犬たちの未来のためにリンク!

posted by あきこ at 22:40 | Comment(0) | 遺伝性疾患を知ろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月08日

知床で全身真っ黒キタキツネ

foxblack.jpg

この画像は動画からのキャプチャです。
こいつが知床博物館のカメラに偶然映っていたそうです。
↓ キツネは正味5秒だけ出演




YouTubeの動画説明欄にも投稿者さんによって書かれておりますが、
昔飼われていた黒色の個体が野生化して代を重ねているものか、
キタキツネの変異じゃなくて多様型個体なのかはわかっていません。
毛色の突然変異、、じゃなくて。あれ?突然変異はナニになったんだっけ?

北海道では5年とか10年に一度くらいはこうした真っ黒キツネの目撃情報があります。

キツネは誰もが知るとおり基本はキツネ色です。こんがりと(笑
が、もしかしたら犬と同じくらい変異が起きやすい、、ん?何て言うんだこの場合。
多様なバリエーションが起こりやすい、でいいのかな。
えー、起こりやすい可能性が高そうなイヌ科動物です。
ので、真っ黒一色のキツネ自体は珍しくもないのですが、
元々の野生型でないことは明らかなので、謎を知りたいものです。

白化個体と違っておめでたさや神々しさ?に欠けるから誰も研究しなさそうだけどね。

ダメだ。使い慣れないから言葉が難しい。。。



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posted by あきこ at 20:00 | Comment(2) | 犬猫以外の動物話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月06日

避妊去勢アンケート2017 6/6

全6回にわたってブログネタを頂戴いたしました今回の投票集計、
コメント紹介の最後は「すでに手術済みだ」の2件です。

・雌雄多頭の為と病気予防に当然と思いました。

仰るとおりだと思います。
アンチ避妊去勢(今回の無礼者の個人のHNではなく全体を指しています)さんなら、
「雌雄多頭の為」を「飼い犬の交尾も管理できないのか」と受け取る人もいますよね。
アホかっつの。
からだの機能的には正常な発情期を周期的に来させておいて、
その発情に関わる自然な行動すべてを不自然に止める、絶つ、邪魔する、etc
オマエもそうされてみろっつの。


・病気になるリスクをなるべく回避するためには去勢に賛成。家族として迎えたのなら健康を一番に考えるのが飼い主の義務。

しつこくてごめんなさいね。
じゃああなたが賛成しているのは去勢じゃなくて性ホルモン由来疾患予防手術じゃないの?
ってどうしても考えてしまいます。
コメント欄が狭いからとりあえず1個書いただけかもしれないってことは理解しています。
だからコメントをくださった個人宛ての私信じゃなくそう考える飼い主さん全体に。

それじゃあ、たとえば腫瘍マーカーのスーパー版みたいなのが将来発明されて、
性ホルモン由来の病気は99%の精度で早期発見できる!
みたいな世の中になったとしたら未去勢でいさせることを選択するのですか?
仮説ですよこれ。仮説ですけど早期発見&投薬治療で精巣腫瘍撃退、が可能なら?


飼い犬に幸せな毎日を送ってほしいという望みや保護者としての責任で、
○○をしたら避けられることに間違いないのなら取り入れようかと考えますね。
オス犬の去勢手術では精巣に関するすべての病気の発症を完全に防げます。
タマ(精巣)を取るんだから当たり前ですよね。

ほかには「男性ホルモンが長く多く分泌されることが発症の大きな原因になる病気」や、
「治療に精巣切除(去勢)が有効な病気」の発症をかなり〜ほぼゼロまで下げられます。
会陰ヘルニア、前立腺肥大、肛門周囲腺腫(腺がんも)が代表的。

それからワタクシもですがポメ飼い歴が長いと常識の、ポメはげ、
アロペシアエックスは去勢反応性皮膚炎とも呼び治療の手始めに去勢が提案されます。
未去勢犬が皮膚病になり去勢したらそこに反応して脱毛が改善する、っというものなのですが、
ネットで回り回るうちに「オス犬は去勢をするとハゲる」と逆を信じる人が出ます。

そして先日の英語長文サイトの表とはこれまた逆の説になりますが、
アトピー性皮膚炎も含むある種の免疫疾患、繰り返す外耳炎なんかもそう、
あと水頭症などの脳神経の病気が原因のてんかん、それ以外の原因不明のてんかん発作、
(ほかにもあるけど羅列してもしようがないので以下省略)
といった「病状になんらかの周期性がある」系のさまざまな病気では、
心身への多大なストレスを根本的に取り除く意味で去勢避妊が治療の選択肢に出てきます。
※もちろん対症療法です。ほかに治療の手立てがないケースなど
基礎疾患が重く去勢手術ができなかったり手術の影響が大きくない場合はもちろんあるけど、
手術をした後は発作が減ってきた、検査の数値が安定した、的な例も山ほどあります。

話は「病気治療」だけど、ヒトの目に見えにくい部分である心身へのストレスについて、
思いをめぐらせるきっかけになってくれるといいなぁと思います。
あ、あと、病気の話のこのあたりはそれなりに長い期間や多い頭数を見ているなどで、
一般飼い主にも正確なところを充分把握できる問題ですから論文は貼りませんよ(笑


最後に、ちょっとオトナの余裕で笑えるかもしれない話を。
このアンケートの結果のページの右上の図形、
今まで気にしたことなかったけど今はじめてよく見てみました。SS貼ります。
年齢別の色分けの色は固定じゃないので見るときそこ注意ね。
jyuv.jpg


こういうものに全員が年代を正直に入れるわけではないって知ってるけど、
それにしても、若者たちよ。
悩むことはいいとこだ。悩め悩め。そして経験を積むんだ!(←アラフィフの貫禄 笑
(ワタクシも設置時投票したはず。40代でデータに入ったはず)



正しい答えにたどり着くには時間がかかるってことか


posted by あきこ at 16:44 | Comment(0) | 不妊処置−避妊と去勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月04日

避妊去勢アンケート2017 5/6

ブログ復活したと思ったら更新される記事は去勢と避妊の話ばかり。
ごめんね、リアルタイムで読んでくれる人は飽きちゃうでしょうがもうちょい我慢してね。

さて。
「信頼できる病院が無い」

・デメリット(問題点) 術後、亡くなってしまった。獣医に原因を尋ねても思い当たらないなど言われ、信頼できる獣医がいない。

心のそこのさらにまた奥底からお悔やみを申し上げます。
手術前に悩んでいる段階の飼い主さんにはいろいろとお話もしますが、
愛犬が亡くなるということはこれ以上ひどいこともわるいこともないですから、
そのご経験になってしまわれたかたにはただただお悔やみを申し上げます。
コメントを入れてくださりありがとうございました。


「何が良いかわからなくて悩んでいる」
にコメントを書いてくださったかた、本当にどうもありがとうございます。
その後お悩みは解決されたことでしょうが、あなたさまのその疑問を、
ここで取り上げさせていただくことで他の誰かの助けになるかもしれない。
なので返信の形をとりながら皆さんのコメントをお借りしています。

・避妊することにより発生率の高まる疾患を懸念しています。

当ブログのこのカテゴリで何年間も同じことをお伝えしているつもりですが、

避妊手術が何かの病気の発生率を

高めることは無い
みたいですよ?

ってかあるわけないじゃんそんなん。昔っからさ。

そういうことが本当にあるのならもっと前に世界中でいろんな人が気づきますって。
人間でも動物でも医療に関することは基本的にそうでしょ?
まず先に事例がある。それで長年の経験で疑問だったことが科学的に明らかに、
というなら話はわかりますよ?それが物の道理だし。
「犬やほかの飼育動物を去勢避妊したら○○病になる」って無いでしょ?
基本的に。落ち着いてよく考えてくださいよ。
beth.jpg


で、そう誤解される根拠になってしまっているのは前記事にあげたような英語の論文だけど。
まずね、その研究をし過程と結果を論文に書いた獣医師・研究者本人は、
そりゃ現代の最新研究のように言う(冒頭に書く)に決まってるじゃないですか。
他の誰も気づいていない自分だけの着目点と新たな切り口、みたいに。
ってか、論文ってそもそもそういうものですよね。

後ろ向き研究なんです。単に。
他からの情報を翻訳して再利用するなら読みあげるだけじゃなく読み取らなきゃ。
(ワタクシ自身もさらに注意できるよう精進したいです。はい)
後ろ向き研究の否定ではないので誤解しないでくださいよ?
あまりにも表面だけを鵜呑みにした怪情報がネット上に出回りすぎているんです。

これ系の「犬の性腺除去の影響で発生したと考えられる病気、ほか」の説は、
ネットで読める言語のものは今回改めてかなり目を通しました。自分基準ですけどね。
獣医師とか獣医学博士とかもっとスゴイ肩書きの人が書く獣医学論文は、
今の時代はインターネットで閲覧することが可能です。一般人でも。
左サイドバーで未紹介の役立ちそうなリンクをいくつか貼っておきます。

Association for Veterinary Dermatology
http://www.wavd.org/

European Society of Veterinary Dermatology
http://www.esvd.org/

American Veterinary Medical Association
https://www.avma.org/Pages/home.aspx

J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/browse
(最後のは玄関は英語ですが日本語の論文も多数あります)

自分で確認のためにネットでの情報に触れてみての結論は、
犬の不妊手術のデメリットとされる「不妊手術のせいで○○病になる」説については、
研究対象の頭数が多い英語圏での調査はほぼ全部が後ろ向き研究でした。やっぱり。
研究の是非を問うためではなく飼い犬への処置を迷う飼い主さんの状況把握の手助けのために、
後ろ向き研究についてブログ記事にしています。


英語をスラスラ翻訳できちゃう賢い印象の日本語のサイトがこれを発信していて、
余計にタチが悪いなっというのもこの件に関するワタクシの正直な感想です。
ネット上に残った情報はほぼないけれど、今はなくなったアノブログ。
アノブログがこの問題を無責任に広めたことに関係ないとは思えないですよ。
ほらこんなところにその欠片が残ってる<去勢のデメリット
https://matome.naver.jp/odai/2140522378147630601
外国語が得意なライターが多いからそれだけで鵜呑みにさせてしまい、、、、、、まあいいや。

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愛犬の不妊手術をどうしてもしたくないという考えは、
それはそれでいいんじゃないの?だって本人の考えでしょ?って思います。

ただし自分がしたくない理由を他に探すのは探し損になるよ、って何度も書いてます。
これくらいは理解してほしいものです。
いま現在、犬では不妊手術をしたことで発生する病気は知られていません。
逆に発症をほぼ完全に(確率としても)ストップできる病気は複数知られています。

いくつかの病気で罹患リスクがあがるかもしれないという研究は多数ありますが、
性腺除去による疾患発症確率の正確な研究は結局はいまだ存在しません。

ですので手術をすると以下の病気に罹りやすくなるという情報がネット上にありますが、
骨肉腫、甲状腺機能低下症、股関節形成不全、前十字靱帯断裂、リンパ腫、血管肉腫、肥満細胞腫、急性膵炎、免疫系の病気、他
これらは現時点では避妊去勢のデメリットにはなり得ません。
上記の病気と避妊去勢の関係性について科学的に解明されたことはありません。

つまり「骨肉腫やリンパ腫や血管肉腫だけは罹らせたくないから避妊去勢しないでおく」
と考えている飼い主さんがもしいたら、デマに流されちゃってるから気をつけて、です。

数少ないデメリットのひとつの肥満については前に書いた記事をどうぞ。
2011年10月26日  こんな時こんな症状 避妊去勢の素朴な疑問




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posted by あきこ at 12:34 | Comment(4) | 不妊処置−避妊と去勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月02日

勘違いに注意・避妊去勢のデメリット

日本語に訳して説明されているサイトを貶すようで腰が引けながら、、
わざわざ英語の長い論文を読みこんで厄介な病名も調べ、
自サイトにその紹介をされている人々と根底の原動力は同じつもりです。
悪意はまったくありません。視点は常に公平を心がけています。

和訳されているサイト管理者さんは不妊手術が悪いとはどこも言ってませんが、
そう誤解してしまう読者が発生してしまい、たまにうちに流れてきます。
せっかく縁あって流れてきてくれたのなら変に意固地になってないで、
公平な目線で自分の推薦論文を読み直してもう一度コメントくれりゃいいのに。

なのですがまあいいや。
先日当ブログにいただいたコメント内で貼られたURLをまずは再掲します。
http://www.dogsnaturallymagazine.com/three-reasons-to-reconsider-spayneuter/

英語で長文です。
ワタクシはまずは最初から最後まで読みます。読めと言われればまずは素直に。
で、読んで最初に浮かんだ感想は、これは元は論文形式だということです。
論文形式ならば「参考文献」がほぼ必ずあるものですがこのサイトでは省略されています。
この前の「後ろ向き研究」のようなことがこの話題にはつきものなので結構重要なのですが。

というわけで元論文を探そうと検索したら最初の1ページに和訳されたブログが出てきまして。
拝見した瞬間、和訳で太字になっている股関節形成不全と十字靭帯断裂を含む関節疾患が、
不妊手術のせいで起きる病気だと信じ込んだ人がうちにコメントをしたのだなと思えました。
(その後レトロスペクティブの訳しかたがPCのページごとの翻訳機能を使ったものだと感づいたので、高い確率で和訳サイトの表面情報を鵜呑みにしちゃった被害者さんと確信しました)
その人だって悪気なんかない読者さんだと感じていますよもちろん。

それからリンパ腫(リンパ肉腫と訳されているかも)、
血管肉腫、
肥満細胞腫、
という犬に発症が多い3種の腫瘍が並び、
「不妊手術した犬がたくさんこのがんになった、未不妊はちょっとしか罹らなかった」(大意)
という方向に文章は結ばれています。
不妊手術した犬がたくさん認知障害、行動障害、甲状腺機能の低下を患い、
不妊手術なんかしない犬がそういう病気に罹る確率はとても低い!とも書かれています。

股関節形成不全はもう説明疲れを起こすほど今までいろんな所で書いていますが、
たくさんの勉強熱心な飼い主さんたちが調べたり考えたりした結果、
生後7週などのあまりにも小さいうちに生殖器を除去すると悪影響が高そうだけど、
小型犬なら1歳、大型犬でも2歳には骨の成長は完全に終わるので、
成長が終わった後なら発症は不妊手術の影響があるとは思えない、が主流です。大まかに。

前十字靭帯断裂はこれが遺伝病だという事実が単に広まっていません。
ヒトでは事故で起こる断裂が多いからそのせいだとは思いますが。
ちなみにワタクシはこれも股関節形成不全も骨格等の遺伝の問題と捉えていますので、
避妊去勢は関係ない、というのが現時点での結論。

で、こういう表現は今までに他でもたまにありますが、失礼ながら要はこういうことですよね。
(ワタクシ的に有名なのが例のローラさんの論文)
第一に、ほぼ全部遺伝性疾患のリストに載っている病気。(訳者はそこまで確認していない)
次に、本文で不妊が推奨されていても訳されない、後ろ向き研究に関する記述なども詳細は和訳されないこと。(なので「よく読んでない」とコメントします)
最後に、つまり不妊手術をしなくていい理由の根拠がほしい人がこのテの英文を持ち寄る。
Always. Every time. Forever. いつも。

表面だけ見て不妊手術のせいで発生する病気があるに違いないと勘違いで思い込んで。
犬ではリンパ腫と血管肉腫と肥満細胞腫が遺伝性疾患と判明している例が多数ありますが、
そのことについてはどうお考えなのですか?って聞きたいよ。
ある病気の発症に強く作用する遺伝子の存在は見ざる聞かざる調べざるで、
性ホルモンが減ったときにだけその遺伝子が活躍するとでも思うのか???
どんな機序やねん
なんというアホな説をデメリットと信じているのか早く気づけばいいのに。



もう1つ。「避妊去勢のデメリット」検索で1ページめに出るサイトで、
上記の例と同じくらい和訳が完璧なものだから、
そのサイトの表面の情報だけを見て未不妊万歳って思い込んだ人が最低1人発生しています。

元サイトはこれ。英文の長文。
https://bmcvetres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12917-016-0911-5

この表も上記からの引用です。
Table 2.jpg


表をまるごと翻訳してみました。
Table 2 訳.jpg


翻訳中にちょっとだけ興味深い現象が起こったのでお知らせします。
この表の「病名」は全部で12個ですね。
ワタクシは上から11個めまで辞書を見ずに訳せました。
つまり上から11個めまでは犬の遺伝病のリストに載っている遺伝性疾患ってことです。
最後の12個めだけがわからなかったのでWeblio 翻訳を使いました。
Pyometra (PYO) ⇔ 子宮蓄膿症ですってよ。

それから、統計学に明るい人なんかには当然のことでしょうが、
この表を見るときに気をつけたほうがいいとワタクシが思うポイントは、
まずは「Percent in study population」。
おそらく誤解されやすい部分だと感じたので直訳せずあえて「調査全犬中の有病率」にしました。
犬全体のパーセンテージではなくて「その調査をしたときの全体」に過ぎないですからね。
元サイトの「表1」に出ているように単に「この犬たちの来院理由の病名(診断名)を確認した」が分母になっています。保管されているカルテを見たんでしょう。

犬の不妊手術に関する後ろ向き研究を見せていただく際のだいじな注意点、
100頭なら100頭の子犬の飼い主さんを選んでから不妊手術や病気発症を追うのか、
病気になった成犬の不妊手術歴をチェックするのか、この違いは非常に重要ですよね。

一番上の「アトピー性皮膚炎」を例にとると、パッと見はとんでもない結果に思えます。
メスは避妊してしまうと発症率が9〜10倍になるかのような印象。「83」と「745」。
オスの数も含めた全体の「有病率が1.82%」です。
『犬全体では100頭に1.82頭の割合でアトピー性皮膚炎に罹るが、
避妊をすると発症率が跳ね上がる!?』
という誤解を招きかねないって話をしています。
この調査はカリフォルニア大学デイビス校の獣医学教育病院の記録ですから信憑性もあるし。

でも、よーく読んでみると、そこの病院に来た患畜犬が分母なんです。またもや。
そこの病院に来ないけどできれば一緒に調査したかった犬が100頭か100万頭かは不明。
患畜犬の頭数は90,090頭とかなり多いから公平な調査に感じられる、
けどよく読めば病院に来てくれた犬のプロフィールアンケートだったわけで。


もうどう〆たらいいのかわからなくなってきた大長編。
犬の避妊去勢のデメリット情報を他にご存知のかた、
いらっしゃいましたらどうぞ教えてくださいな。これでいいか。
あと、よく嫁。




犬ランキング


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2箇所の日本語のサイトを改めて晒す気はないんです。正直な所めんどくさいから。
でも1箇所めはコメント欄にURLを載せていますからそれ見りゃわかります。
2箇所めは子犬のへやさんです。
子犬のへやさんはとても充実した素晴らしいサイトです。

ただ、自サイトが常に検索上位にくるよう相当力を入れておいでなので、
相応の責任もついて回るもの、、っとワタクシは個人的に感じます。
翻訳内容は正しいし無責任に未不妊をヨシと書いたわけではない、
でも後ろ向き研究関連の記述はなく、不妊手術のせいで免疫系の病気発症リスクが高くなるのは事実だと書いてしまわれました。
>「逆に発症リスクを高めているという事実が明らかになりました」

間違いじゃないし嘘でもないんです。元サイトにもその記述はある。
だけど。

ワタクシの目には「ある部分の説明が省かれただけ」ですが、
未不妊万歳の理由を探している人にとっては勘違いを助長させるマイナス情報、、、、
になってしまっているのではないでしょうか。
参考 http://www.koinuno-heya.com/news/2016/december/19.html

おそらくね、「リスク」というカタカナ英語が、本来の意味と少しズレた使いかたをしていることに、
一般人は気づきにくいのだと思います。
「メタボ」までひどくはなくても誤認識に共通点があるんじゃないかと思ってます。

posted by あきこ at 18:26 | Comment(0) | 不妊処置−避妊と去勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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